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後編
3.初めてのコーヒー
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面倒見のいい優しい人間なので、エリーアスの周囲にはエリーアスを狙う相手が山ほどいるのだとギルベルトは覚悟していた。エリーアスについていって、エリーアスが鍵を開けて入った研究室には、他にひとがいなくてギルベルトは拍子抜けしてしまった。
「他の研究員は?」
「他の研究室で他の研究をしていますよ。私も特効薬研究が終わったので、別の研究を始めなければいけません」
大型のコンピューターの置いてあるデスクの椅子に腰かけて、エリーアスが論文を読んでいる。コンピューターや研究機器の駆動音が響く中で、ギルベルトはエリーアスの後ろに立って静かにエリーアスを見詰めていた。画面をスクロールさせてエリーアスは目的の論文を探している。
「南国に流行る致死率の高い疫病……この研究が滞ってますね」
「この国以外の国の病気も研究するのか?」
「いつこの国に入ってくるか分かりませんし、命は全て尊重されなければいけませんからね」
声は淡々としていても、エリーアスの言葉の内容が暖かいものであることは、ギルベルトはよく知っていた。全ての命を尊重しようとするエリーアスの姿勢にギルベルトは感心してしまう。
言葉ではどんなことでも言える。軍の最前線の基地でエリーアスが言ったことを疑っていたわけではないが、実際に行動に移しているところを見るとギルベルトはますますエリーアスへの気持ちが強くなった。
高潔で優しく、心の美しいひと。
幾つもの論文をダウンロードして、エリーアスは南国に流行る疫病の菌を取り寄せることにしたようだった。申請書類を書いて、メールで送っている。
「今日のところはこのくらいですね。論文は家に戻ってから読めばいいですから。帰りましょうか」
エリーアスに作ってもらった入退館用のカードを機械に翳して、ギルベルトはエリーアスと共に研究所から出た。
疫病の菌などは研究所から漏れだしたら大変な騒ぎになる。厳重なセキュリティはそのためのものだろう。
エリーアスを乗せて家に戻ると、冷蔵庫を開けてエリーアスが昼食を作ろうとしていたので、ギルベルトはそれを止めた。レシピは調べればどれだけでも出て来るので、覚えることが得意なギルベルトは料理に困ることはない。
レシピを調べるという発想すらなくて、食べなければ食べないで特に構わなかったのに、エリーアスに食べさせるためと思うとギルベルトは腕を振るいたくなる。豚肉の入った野菜炒めをトーストに挟んで、マヨネーズで味付けをしたものを出すと、エリーアスは淡く微笑んでくれた。
「大英雄様に昼食を作ってもらっているなんて、なんだか妙な感じですね」
「俺にとっての英雄はエリさんだよ」
「いただきますね」
食べ始めるエリーアスにお茶を淹れてから、ギルベルトもソファに座って食べ始める。食事をするときなどは義手が汚れないようにエリーアスは右手だけを使うようだった。左手ではマグカップを持ってお茶を飲んでいる。
「あなたはコーヒーは飲まないのですか?」
「コーヒー?」
基本的に飲み物といえばボトルのミネラルウォーターだったギルベルトは、実のところエリーアスに淹れてもらうまでお茶も碌に飲んだことがなかった。
「ボトルのミネラルウォーターなら異物の混入の心配がないから、そればかり飲んでいたな」
「……コーヒーの淹れ方を教えます」
ギルベルトの答えに微妙な顔をしたエリーアスが、コーヒーメーカーを取り出した。上の蓋を開けてフィルターを入れて、そこに電動ミルで挽いた豆を入れてお湯を注ぐ。下にあるピッチャーにコーヒーがぽとぽとと落ちていくのをギルベルトは興味深く見ていた。
コーヒーをマグカップに注いでもらって、一口飲んだギルベルトの顔がくしゃりと歪む。
「苦い……」
「苦手でしたか? ミルクを入れるとマイルドになりますよ」
「エリさんが好きなら、俺も飲む」
「無理せず、ミルクを入れてみましょうね」
冷蔵庫から牛乳を取り出したエリーアスがギルベルトのマグカップに牛乳を入れてくれた。牛乳が入ると苦いだけのコーヒーもマイルドになってギルベルトも楽しめるようになる。
「そうか、これがコーヒーか。他の隊員が飲んでた気がするが、飲んだことはなかった」
「コーヒーも飲んだことがなかったんですか……」
同情するようなエリーアスの視線に、ギルベルトは野菜炒めを挟んだトーストを食べ終えて、牛乳のたっぷり入ったコーヒーも飲み干した。エリーアスがソファに座って自分のタブレット端末で論文を読んでいる間に、ギルベルトはコーヒーゼリーのレシピに辿り着いていた。
エリーアスはコーヒーが好きで、甘いものも好きなのだから、コーヒーで作れるおやつがあれば喜ぶだろうと考えて検索した結果がそれだった。ピッチャーに残っているコーヒーを使ってコーヒーゼリーを作って冷蔵庫で冷やしていると、エリーアスがタブレット端末から顔を上げる。
「すみません。集中していました。退屈ではなかったですか?」
「全然。エリさんは自分のしたいことをしてたらいいよ」
「ちょっと集中して読み過ぎたので、休憩しますかね」
立ち上がって身体を伸ばしてストレッチするエリーアスの身体をギルベルトはどうしても注視してしまう。分厚い胸板、細く引き締まった腰、丸いお尻。白銀に輝く左手の義手すら、ギルベルトには魅力的に見えた。
「エリさん……」
「はい?」
抱きたい。
口に出そうとして、まだ時刻は昼なのだとギルベルトは慌てて話題を変える。
「コーヒーゼリーを作ってみたんだが、食べないか?」
「ゼラチンがこの家にあったんですね。食べたいです」
「お茶を淹れるよ」
マグカップに温かいお茶を淹れて、コーヒーゼリーと一緒に出すと、エリーアスは食べようとしてスプーンを止めた。
「あなたの分は?」
「え? 俺のは別にいらないよ」
残っていたコーヒーの量は多くなかったし、当然のように自分の分を作っていないギルベルトに、エリーアスは器を持って来てコーヒーゼリーを半分に分けた。戸惑っているギルベルトの手に器を持たせて、スプーンも渡す。
「食べましょう」
「あ、はい」
小さく「美味しい」と呟きながらエリーアスが食べてくれるのも嬉しければ、当然のようにエリーアスが自分のコーヒーゼリーを半分ギルベルトにくれたのも嬉しかった。幸せの中でギルベルトはコーヒーゼリーを味わっていた。
夕食は豪華にチキンをオーブンで焼いて、野菜と共に出すと、エリーアスはギルベルトと料理を見比べて驚いていた。
「料理ができるんですね」
「レシピを見れば作れるってことに気付いたんだ。決められた量を決められた調味料で味付けして焼くだけだろう」
「それが面倒くさいんですけどね。とにかく、ありがたいです。いただきます」
抵抗することなく大人しくギルベルトの作った料理を食べてくれるエリーアスにギルベルトは愛しか感じない。こんな風にお互いに支え合って一生暮らしていけたらどれ程幸せだろう。
将来の夢を見ているギルベルトに、食べ終えたエリーアスが食器を片付けながら、視線を合わせないままに呟いた。
「今夜は……いいですよ」
消え失せそうな呟きに、エリーアスは飛び跳ねて喜びそうになるのをぐっと堪えた。エリーアスもギルベルトを求めてくれている。それが何よりも嬉しい。
「大事にする。絶対に傷付けないようにする」
「傷は処置が終わっているので、気にしなくていいですよ。こんな体を抱きたいと思うかは疑問ですけどね」
「抱きたい! エリさんを……エリーアスを抱きたい!」
鼻息荒くエリーアスに詰め寄ると、驚いたような顔で一歩下がられてしまう。あまりにもがっつき過ぎているかと反省して、ギルベルトはエリーアスを怯えさせないようにと気をつけることにした。
バスルームに入ると、ギルベルトはエリーアスが後ろを綺麗にするのを手伝った。膝の上に抱き上げて、後ろを指で広げながらシャワーノズルを後孔に押し当てると、エリーアスが身悶える。
「ひぁっ!? だめぇっ!?」
「洗ってるだけだよ」
「ひんっ! あぁっ!」
シャワーの刺激だけで勃ち上がっているエリーアスの中心を握り込むと、エリーアスの身体がびくびくと跳ねる。落とすわけにはいかなかったので、シャワーノズルを放り出して、ギルベルトは片腕でエリーアスを抱き締めながら、もう片方の手でエリーアスの中心を扱き上げた。
ぐちゅぐちゅと音を立てながら何度も手を上下させていると、エリーアスの中心が弾けて白濁が零れる。その時点でギルベルトの股間もいきり立っていたのだが、必死に我慢して、快感に恍惚としているエリーアスをシャワーで流して、バスローブを着せてベッドに運んだ。
バスルームに逆戻りしたギルベルトは、自分で自分の中心を握る。このままでは我慢できなくなって、エリーアスを激しく抱いてしまいそうだったので、先に一回抜いておいた方がいいと判断したのだ。
機械的に手を動かすだけでなかなか達せなかったけれど、目を閉じてエリーアスの痴態を思い出すと興奮してくる。バスルームのタイルの上に精液を吐き出して、ギルベルトは虚しくそれをシャワーで流した。
寝室に行くとエリーアスがバスローブでベッドの上にしどけなく仰向けに寝ている。左肩と左膝の金属の接続部には負担をかけないように抱かなければいけない。
「ローションと避妊具は、そこに……」
朝の買い物で買っていたローションと避妊具を、エリーアスはベッドサイドのテーブルの上に準備しておいてくれた。ローションを手に取ってエリーアスの後孔に塗り込めるギルベルトは、淡いピンク色のそこをじっくりと見て考えてしまった。
これまでエリーアスは文句も言わずにギルベルトの中心を受け入れてくれていたが、ギルベルトの中心はエリーアスのものよりも大きくて苦しかったのではないだろうか。
念入りに中を探っていると、エリーアスが腰をくねらせる。
「どうしてっ!? もう、いれて?」
「俺の、大きいから、入るかどうか……」
「今まで入ってたんだから、入るに決まってるでしょう!?」
そう言われてもギルベルトがエリーアスが無理をしていたのではないかと気にして、奥を探る手を止めない。
「あぁっ!? そんな、されたら……イくっ!?」
「エリーアス、本当に大丈夫なのか?」
「もう、いいからキてぇ!」
焦れたように身を捩るエリーアスに、恐る恐る挿入するギルベルトが、内壁をゆっくりと擦り上げるのに、エリーアスの中が蠢いてギルベルトを締め付けて達しているようだった。
「他の研究員は?」
「他の研究室で他の研究をしていますよ。私も特効薬研究が終わったので、別の研究を始めなければいけません」
大型のコンピューターの置いてあるデスクの椅子に腰かけて、エリーアスが論文を読んでいる。コンピューターや研究機器の駆動音が響く中で、ギルベルトはエリーアスの後ろに立って静かにエリーアスを見詰めていた。画面をスクロールさせてエリーアスは目的の論文を探している。
「南国に流行る致死率の高い疫病……この研究が滞ってますね」
「この国以外の国の病気も研究するのか?」
「いつこの国に入ってくるか分かりませんし、命は全て尊重されなければいけませんからね」
声は淡々としていても、エリーアスの言葉の内容が暖かいものであることは、ギルベルトはよく知っていた。全ての命を尊重しようとするエリーアスの姿勢にギルベルトは感心してしまう。
言葉ではどんなことでも言える。軍の最前線の基地でエリーアスが言ったことを疑っていたわけではないが、実際に行動に移しているところを見るとギルベルトはますますエリーアスへの気持ちが強くなった。
高潔で優しく、心の美しいひと。
幾つもの論文をダウンロードして、エリーアスは南国に流行る疫病の菌を取り寄せることにしたようだった。申請書類を書いて、メールで送っている。
「今日のところはこのくらいですね。論文は家に戻ってから読めばいいですから。帰りましょうか」
エリーアスに作ってもらった入退館用のカードを機械に翳して、ギルベルトはエリーアスと共に研究所から出た。
疫病の菌などは研究所から漏れだしたら大変な騒ぎになる。厳重なセキュリティはそのためのものだろう。
エリーアスを乗せて家に戻ると、冷蔵庫を開けてエリーアスが昼食を作ろうとしていたので、ギルベルトはそれを止めた。レシピは調べればどれだけでも出て来るので、覚えることが得意なギルベルトは料理に困ることはない。
レシピを調べるという発想すらなくて、食べなければ食べないで特に構わなかったのに、エリーアスに食べさせるためと思うとギルベルトは腕を振るいたくなる。豚肉の入った野菜炒めをトーストに挟んで、マヨネーズで味付けをしたものを出すと、エリーアスは淡く微笑んでくれた。
「大英雄様に昼食を作ってもらっているなんて、なんだか妙な感じですね」
「俺にとっての英雄はエリさんだよ」
「いただきますね」
食べ始めるエリーアスにお茶を淹れてから、ギルベルトもソファに座って食べ始める。食事をするときなどは義手が汚れないようにエリーアスは右手だけを使うようだった。左手ではマグカップを持ってお茶を飲んでいる。
「あなたはコーヒーは飲まないのですか?」
「コーヒー?」
基本的に飲み物といえばボトルのミネラルウォーターだったギルベルトは、実のところエリーアスに淹れてもらうまでお茶も碌に飲んだことがなかった。
「ボトルのミネラルウォーターなら異物の混入の心配がないから、そればかり飲んでいたな」
「……コーヒーの淹れ方を教えます」
ギルベルトの答えに微妙な顔をしたエリーアスが、コーヒーメーカーを取り出した。上の蓋を開けてフィルターを入れて、そこに電動ミルで挽いた豆を入れてお湯を注ぐ。下にあるピッチャーにコーヒーがぽとぽとと落ちていくのをギルベルトは興味深く見ていた。
コーヒーをマグカップに注いでもらって、一口飲んだギルベルトの顔がくしゃりと歪む。
「苦い……」
「苦手でしたか? ミルクを入れるとマイルドになりますよ」
「エリさんが好きなら、俺も飲む」
「無理せず、ミルクを入れてみましょうね」
冷蔵庫から牛乳を取り出したエリーアスがギルベルトのマグカップに牛乳を入れてくれた。牛乳が入ると苦いだけのコーヒーもマイルドになってギルベルトも楽しめるようになる。
「そうか、これがコーヒーか。他の隊員が飲んでた気がするが、飲んだことはなかった」
「コーヒーも飲んだことがなかったんですか……」
同情するようなエリーアスの視線に、ギルベルトは野菜炒めを挟んだトーストを食べ終えて、牛乳のたっぷり入ったコーヒーも飲み干した。エリーアスがソファに座って自分のタブレット端末で論文を読んでいる間に、ギルベルトはコーヒーゼリーのレシピに辿り着いていた。
エリーアスはコーヒーが好きで、甘いものも好きなのだから、コーヒーで作れるおやつがあれば喜ぶだろうと考えて検索した結果がそれだった。ピッチャーに残っているコーヒーを使ってコーヒーゼリーを作って冷蔵庫で冷やしていると、エリーアスがタブレット端末から顔を上げる。
「すみません。集中していました。退屈ではなかったですか?」
「全然。エリさんは自分のしたいことをしてたらいいよ」
「ちょっと集中して読み過ぎたので、休憩しますかね」
立ち上がって身体を伸ばしてストレッチするエリーアスの身体をギルベルトはどうしても注視してしまう。分厚い胸板、細く引き締まった腰、丸いお尻。白銀に輝く左手の義手すら、ギルベルトには魅力的に見えた。
「エリさん……」
「はい?」
抱きたい。
口に出そうとして、まだ時刻は昼なのだとギルベルトは慌てて話題を変える。
「コーヒーゼリーを作ってみたんだが、食べないか?」
「ゼラチンがこの家にあったんですね。食べたいです」
「お茶を淹れるよ」
マグカップに温かいお茶を淹れて、コーヒーゼリーと一緒に出すと、エリーアスは食べようとしてスプーンを止めた。
「あなたの分は?」
「え? 俺のは別にいらないよ」
残っていたコーヒーの量は多くなかったし、当然のように自分の分を作っていないギルベルトに、エリーアスは器を持って来てコーヒーゼリーを半分に分けた。戸惑っているギルベルトの手に器を持たせて、スプーンも渡す。
「食べましょう」
「あ、はい」
小さく「美味しい」と呟きながらエリーアスが食べてくれるのも嬉しければ、当然のようにエリーアスが自分のコーヒーゼリーを半分ギルベルトにくれたのも嬉しかった。幸せの中でギルベルトはコーヒーゼリーを味わっていた。
夕食は豪華にチキンをオーブンで焼いて、野菜と共に出すと、エリーアスはギルベルトと料理を見比べて驚いていた。
「料理ができるんですね」
「レシピを見れば作れるってことに気付いたんだ。決められた量を決められた調味料で味付けして焼くだけだろう」
「それが面倒くさいんですけどね。とにかく、ありがたいです。いただきます」
抵抗することなく大人しくギルベルトの作った料理を食べてくれるエリーアスにギルベルトは愛しか感じない。こんな風にお互いに支え合って一生暮らしていけたらどれ程幸せだろう。
将来の夢を見ているギルベルトに、食べ終えたエリーアスが食器を片付けながら、視線を合わせないままに呟いた。
「今夜は……いいですよ」
消え失せそうな呟きに、エリーアスは飛び跳ねて喜びそうになるのをぐっと堪えた。エリーアスもギルベルトを求めてくれている。それが何よりも嬉しい。
「大事にする。絶対に傷付けないようにする」
「傷は処置が終わっているので、気にしなくていいですよ。こんな体を抱きたいと思うかは疑問ですけどね」
「抱きたい! エリさんを……エリーアスを抱きたい!」
鼻息荒くエリーアスに詰め寄ると、驚いたような顔で一歩下がられてしまう。あまりにもがっつき過ぎているかと反省して、ギルベルトはエリーアスを怯えさせないようにと気をつけることにした。
バスルームに入ると、ギルベルトはエリーアスが後ろを綺麗にするのを手伝った。膝の上に抱き上げて、後ろを指で広げながらシャワーノズルを後孔に押し当てると、エリーアスが身悶える。
「ひぁっ!? だめぇっ!?」
「洗ってるだけだよ」
「ひんっ! あぁっ!」
シャワーの刺激だけで勃ち上がっているエリーアスの中心を握り込むと、エリーアスの身体がびくびくと跳ねる。落とすわけにはいかなかったので、シャワーノズルを放り出して、ギルベルトは片腕でエリーアスを抱き締めながら、もう片方の手でエリーアスの中心を扱き上げた。
ぐちゅぐちゅと音を立てながら何度も手を上下させていると、エリーアスの中心が弾けて白濁が零れる。その時点でギルベルトの股間もいきり立っていたのだが、必死に我慢して、快感に恍惚としているエリーアスをシャワーで流して、バスローブを着せてベッドに運んだ。
バスルームに逆戻りしたギルベルトは、自分で自分の中心を握る。このままでは我慢できなくなって、エリーアスを激しく抱いてしまいそうだったので、先に一回抜いておいた方がいいと判断したのだ。
機械的に手を動かすだけでなかなか達せなかったけれど、目を閉じてエリーアスの痴態を思い出すと興奮してくる。バスルームのタイルの上に精液を吐き出して、ギルベルトは虚しくそれをシャワーで流した。
寝室に行くとエリーアスがバスローブでベッドの上にしどけなく仰向けに寝ている。左肩と左膝の金属の接続部には負担をかけないように抱かなければいけない。
「ローションと避妊具は、そこに……」
朝の買い物で買っていたローションと避妊具を、エリーアスはベッドサイドのテーブルの上に準備しておいてくれた。ローションを手に取ってエリーアスの後孔に塗り込めるギルベルトは、淡いピンク色のそこをじっくりと見て考えてしまった。
これまでエリーアスは文句も言わずにギルベルトの中心を受け入れてくれていたが、ギルベルトの中心はエリーアスのものよりも大きくて苦しかったのではないだろうか。
念入りに中を探っていると、エリーアスが腰をくねらせる。
「どうしてっ!? もう、いれて?」
「俺の、大きいから、入るかどうか……」
「今まで入ってたんだから、入るに決まってるでしょう!?」
そう言われてもギルベルトがエリーアスが無理をしていたのではないかと気にして、奥を探る手を止めない。
「あぁっ!? そんな、されたら……イくっ!?」
「エリーアス、本当に大丈夫なのか?」
「もう、いいからキてぇ!」
焦れたように身を捩るエリーアスに、恐る恐る挿入するギルベルトが、内壁をゆっくりと擦り上げるのに、エリーアスの中が蠢いてギルベルトを締め付けて達しているようだった。
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