オーバー・ターン!

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3,異星人で異性人

3-2

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 次に祐子さんが教えてくれたのは、やはりこの学校は、俺の知る高校とは、かなりかけ離れた学校であるという事実である。普通科と異なり、特技科の学生はほぼ異星人達に締められているという。六年制の高校というのもそのためらしい。
 「上級生って俺達のこと見えてたんですか?」
 「見えてないわよ、二年生以上は貴方たちのことを、いることは知っているけど、認識は出来ていないの。だから、上級生にとっては月曜日が新入生に会える最初の日っていうことになるのね。月曜日から急遽貴方たちの歓迎式典が開かれることになって、生徒も生徒会一同も今日からてんやわんやで用意しているみたいよ」
 この建物に来るまで、確かに普段よりも騒々しく、明らかに上級生と思われる女子生徒があちこち走り回っていたのはそのせいだったのかと理解する。
 「他にはない?」
 「エスターがお姫様って言うのは・・・・なんかぴんとこないんですが」
 祐子さんが笑った。
 「いきなりお姫様って言われても、確かにぴんとこないかもしれないけど、それは事実。それで、テリエさんは、デクル姫のお国の人間だから、姫様を敬ってああいう態度になるのだけど、詳しくは本人に聞いたほうが早いわね」
 「そうさせて貰います、でも、まさか宇宙人がいたとは本当にびっくりですね」
 「そうなの?驚いているように見えないけど?」
 「驚いています」
 エスターの言葉を疑っていた訳ではないが、実感が伴わない。いきなり目の前の親しい友人に【俺は宇宙人だ】と言われて、はいそうですかと素直に信じる人間はそう多くはないはずだ。相手の精神を疑うか、ドッキリを疑うのが落ちのような気がする。
 「あ、でも、地球の技術では彼らの母星にたどり着くどころか、発見することも、まず無理らしいわね。私達が生活している時間軸と彼らの時間軸が異なっているので、その時間軸の同期を取る技術が確立しなければ、駄目だとか」
 「えーーーーと」
 言ってる意味が分かりません。
 「タイムマシーンですか?」
 「違うっていっていたわね。時間認識の遷移を同期させただけだから、実際には過去とか未来という概念は通用しないらしい、って私も良く解らない」
 ますます俺も訳が分かりません。
 しかし解っていることは一つあった。違和感はやはり知覚操作が原因であったようだ。
 違和感の正体も幻覚の正体も解った俺は、ほっと胸をなで下ろした。
 それでも確認の為、違和感について、俺は祐子さんに話をしたのだが、その話を最後まで黙って聞いていた祐子さんが暫く考え込んでしまった。
 「・・・・そんなに前から?」
 祐子さんの言葉に俺は頷いた。
 「解った、調べる必要がありそうね、テリエさんが知覚操作の管理主任だから、後で言っておくわ。でもそうね、確かに貴方の違和感や幻覚の原因は、知覚操作である可能性が高いわね」
 そう言った祐子さんはベッドの枕元の時計を振り向いた。
 「もうこんな時間ね、今日の所は、ここまでにしましょうか」
 言われて俺も時計を見ると、そろそろ深夜の時間帯である。
 祐子さんは、ゆっくりと立ち上がり、白衣の裾からバットを取り出した。
 バット?
 しかもそのバットにはギザギザの付いた円盤が三枚ほど取り付けられている。
 「あの、それ、なんですか?」
 「バットスプロケットという武器よ。バットに大きさの違うオートバイのスプロケットを通すと出来上る武器ね」
 単車に取り付けられている、チェーンの力を受け止め、後輪を動かすための歯車。それがスプロケットである。自転車と異なり、単車のスプロケットは、エンジン側が小さく、後輪側が大きいのである。祐子さんの持つそれの大きさからすると、オフロードバイクか何かのスプロケットだろうか?
 「い、いえ、武器は分かりましたが、それで何をするかが聞きたいのですが・・・」
 「矢田貝君が襲って来た場合に備えてかな」
 「俺が?」
 「はい」
 「誰を?」
 「私を」
 えーと、また話が見えなくなった。
 「矢田貝君は、お風呂には入った?」
 俺は頷いた。
 「では、私はシャワーを浴びせて貰うとするか、覗いたらこれで成敗だから、そのつもりでね。あと、この部屋から出るのも禁止。分かった?」
 にっこりと笑う祐子さんに俺は、ちょっと待ったと手を差し出した。
 「・・・・・もしかして、祐子さん、この部屋に泊まると言っています?」
 「矢田貝君の監視兼介護。言ってなかったっけ?」
 「聞いていません・・・・」
 あら?そうだったかしらと首を傾げる祐子さんに俺はベッドを指した。
 「ベッド一つしか有りませんが」
 「大丈夫、私は今晩そこでお仕事だから、明日の知覚操作の用意と今矢田貝君が言ったことを調べるから」
 祐子さんは俺の座っている椅子とその横のテーブルを指さし、バットスプロケットに引き続き白衣の裾からパルクを取り出した。
 「完徹ですか?」
 「少しは寝ると思うけど・・・」
 「・・・・・じゃあ祐子さんがベッドを使ってください。俺は床でいいです」
 「それだと、どちらが監視兼介護者か分からなくなってしまうけど」
 「俺、硬い場所で寝るのは慣れています。祖父に付き合って山の中の岩の上とかで寝ることも結構ありましたし、道場の板の間で寝ることも有ったから、慣れています」
 暫く悩んだ祐子さんは、じゃあそうさせて貰うわと答えて風呂に入っていった。
 俺はバスルームのドアが閉じると同時にスエットに着替えるとさっさと床に横になった。
 スポーツバッグを枕代わりにして、横になると、絨毯敷きの床は暖かくもなく冷たくもなく、寝るのにはちょうど良い温度であるのに気が付いた。
 今日一日、結構疲れた気がしていたので。俺は直ぐに寝付いた。
 風呂から上がってきた祐子さんが、俺の頬をつっついた様な感触も有ったが、俺は気にもしなかった。
 ただ、濡れた足のつま先で突っつくのはやめて下さい、と言いたかった。


 朝の五時半きっかりに目が覚める。朝にありがちな男の生理現象をなだめすかしながら、ユニットバスで顔を洗い、用意してきた歯ブラシと歯磨き粉で歯を磨いた。
 そのままTシャツとランパンに着替えて戻ると、祐子さんが寝ぼけ眼で起き上がり、俺を見ていた。半ば閉じられた腫れぼったい目と中途半端に開かれた口元、ぼさぼさの髪の毛は寝癖が付いているが、その手にはしっかりとバットスプロケットが握られている。
 「・・・・朝のジョギングしてきていいですか?」
 「・・・・・・らいいひこうれいれららOK・・・・・」
 第一校庭でならOK?
 呂律が怪しい。
 「起きてます?」
 俺は祐子さんの目の前で手をひらひらと振って見せた。
 「ねらい」
 寝たい?
 「寝ててください」
 「そうも、いっへらへねー」
 そうも言ってられねぇ?
 うーーーーーんと伸びをして、ぴしゃぴしゃと自分の頬を叩いた祐子さんは、ちょっと待っててと言いながらユニットバスに消えていった。
 暫く待つと、昨晩見た優しげな感じの祐子さんがユニットバスから現れた。
 「さて、参りましょうか」
 「・・・・・・・・・・・」
 「どうしたの?」
 いえ、化けますね、とは口に出来なかった。決して素顔とメイク顔の差が激しいと言うわけでない。もともと薄化粧で、素顔とメイク顔はそんなに変わらないのだが、雰囲気ががらりと変わっているのである。寝起きの祐子さんは、身なりに気を遣わないがさつなお姉さんという雰囲気なのだが、今の祐子さんは気だての良さそうなな雰囲気である。
 しかし俺はバットスプロケットを右手に持つ祐子さんに突っ込むことは危険を感じたのでやめておいた。
 俺達が教職員宿泊施設から出ると、右手の校庭に近いコンクリートの上で柔軟体操をしているエスターらしき人影を見つけた。エスターの後ろには、昨日見た筋肉お兄さんが跪いている。
 そのテリエさんが俺達を見ると顔を綻ばせた。
 「○×□△」
 「○×□△」
 祐子さんがテリエさんに朝の挨拶をしたようだ。
 ちらりと俺を見上げたエスターは赤のブルマー姿である。もしかして俺って毎朝この格好のエスターとジョギングしていたのであろうか?だとしたら、かなり惜しいことしたのかもしれない。いや、それ以上にやはり毎晩の風呂が・・・・などと考えていたおかげで、また俺はエスターに手を振ってしまった。いかんいかん、モードを修行モードに切り替えないと、煩悩で大変なことになるかもしれない。
 俺は深呼吸をした。
 「・・・・・・」
 エスターが視線を外す。エスターの目は充血した様にうっすらと赤かった。
 「○×□△」
 「おはようと仰っているわね」
 エスターの言葉を祐子さんが訳してくれた。
 「ああ、おはよう、今日はお前の方が早かったな、ってお前目が赤いぞ、昨夜寝られなかったのか?」
 エスターの横でTシャツの裾をランパンの中に入れて柔軟を始めた俺の言葉を祐子さんが伝えてくれた。
 「○×□△」
 「お前はぐっすりと眠れたようだな、と仰っているわね」
 「ああ、いつもの通りだが?」
 「○×□△・・・・・・って矢田貝君、体が柔らかいのね」
 驚いた声で祐子さんが通訳ついでに聞いてきた。
 俺はゆっくりと足を左右に百八十度開いて、ゆっくりと地面に胸をつけた。
 「良くそう言われますが、小さな頃から毎朝やっていますから」
 上体を起こして、右足を伸ばしたまま頭の方向へ移動させ、左足を逆に後ろに移動させ、伏せる。
 「うわ、すごい」
 祐子さんが手を叩いた。
 再度上体を起こして、左右の足を逆に移動させて、また伏せる。
 「祐子さんも、出来るんじゃないですか?」
 「そこまでは出来ない・・・ってなんで?」
 「だって大家さんの孫なら、こういう事もやらされているんじゃないかなと思いますから」
 そう言いながら、上体を起こして、両足を前に移動させて、ゆっくりと後方に上体を逸らせる。
 「お祖母様の教える武道は茜姉様が得意だけど、私は苦手だったわね、そこまで出来ない・・・・って、すごい、すごい」
 上体を仰け反らせた俺はそのままブリッジをして、足を左右に開き、その格好から倒立を行った。左右に開いた足をそろえて、腕立て伏せの様に腕の屈伸を始めた。
 「片手腕立てとかできる?」
 きらきらと瞳を輝かせて、祐子さんが聞いてくるので、俺は左手だけで屈伸をして見せた。
 ぱちぱちと手を叩き、凄い凄いと喜ぶ祐子さん。
 ふとエスターを見ると、足を左右に開いた格好で俺を凝視しているエスターと目があった。エスターは朝の俺のストレッチを見て、同じ様に出来るようにするにはどうすればよいかと聞いてきたので、俺は幼い頃にやっていたメニューを思い出しながら、それを教えたのである。エスターの体は硬い方ではないが、それでも自分一人で左右に足を開いたまま完全に胸を地面につけることは出来ない。
 俺は倒立を済ませると、エスターに歩み寄った。
 「いくぞ」
 エスターに声を掛けた。言葉は分からなくても、毎朝繰り返してやってきたことだ。伝わるだろうと思い、ゆっくりとエスターの肩口に腰を下ろしていく。
 「す、凄いわね、お姫様を文字通り尻に敷いている」
 驚く祐子さんの後ろで、テリエさんが困ったような顔で俺達を見ている。
 「そういう表現は控えてください」
 「あ、ごめんなさい」
 ゆっくりとエスターの胸が地面に付いた。
 「祐子さん、エスターが分かるように十数えてくれません?ゆっくりとお願いします」
 「はいはい」
 祐子さんがエスターの国の言葉で数を数えていく。ちょうど十数えた辺りで俺はゆっくりと足に力を込めてエスターにかけていた体重を抜いていく。それに併せてエスターの上体も持ち上がってくる。上体が完全に持ち上がって所で、また同じように体重をかけていく。この繰り返しを五回行った。
 体操服越しにエスターのブラジャーの肩紐の感触やら細い肩などに、ときめきそうになるのを俺は改めて、何回も修行モードに心構えを切り替え直さなければならなかった。
 その後に控えているストレッチは、男女で行うとかなり危ない物で有ることを俺は実感した。
 例えば、互いに向き合って立ち、エスターが俺の肩に足首を乗せてくるので、俺はその足首を持って左右に身を振りながら軽く屈伸をするのである。エスターはバランスを取りながら、これに耐えなければならない。面と向かって足を俺の肩に乗せたエスターの格好は破壊力抜群である。
 「蹴りの練習?」
 「そうです」
 祐子さんの質問に俺は答えた。
 「・・・・色々な意味で、すごい練習してるのね」
 だからそれを言わないで下さいって。
 真っ赤な顔で羞恥を感じているであろうエスターはそれでも唇を引き結んで、ストレッチに集中しようとしている。
 テリエさんも相変わらず困ったように腕組みをしながら片手で頬を押さえている。
 あの、テリエさん、貴方がそれをやると、まるでオカマのポーズなので止めて貰いたいのですが。
 しかしそんなテリエさんを見ると、修行モードのスイッチが入りやすい。俺的に萎える光景だからであろう。
 今度は俺がエスターの肩に足首を乗せて、同じようにエスターが屈伸をすると耳元まで朱に染まったエスターの視線があちこちに泳いだ。そりゃそうかもしれない。ランパンの下にサポーターを履いているのだが、この格好だとランパンの裾から、中が覗けてしまうわけで、そこにはサポーターに覆われた、もっこりとしたものが見えるわけだ。なんの羞恥プレイなのだろうかこれは・・・・・
 メニューを変えなければならないかな、これは・・・・・
 真剣にメニューの再度見直しを考えていると、エスターが俺の左の足首を肩に固定したままでよろめいた。
 俺は軸足の右足を軽く移動させて、左足を引くようにしてエスターの体を支えた。
 「なんか今、さらりと凄いことをしなかった?なに?その格好でどうやって軸足を移動出来るの?」
 祐子さんが呆れたように呟いた。そうは言われても、祖父の道場にしてみればこのぐらい常識の範疇である。
 俺達はストレッチを終えて、校庭を周回するジョギングを始めた。
 無言で黙々と周回を重ねていく。
 今日も暑くなりそうだななどと考えながら走っていると、なぜかエスターが前に出た。
 赤ブルマーのお尻が左右に揺れている光景は今の俺にはかなりやばいモノがある。
 元気が出そうになるので、俺はエスターを追い越した。するとエスターがまた前に出た。
 俺が前に出る。
 エスターが前に出る、
 俺が前に出る。
 気が付くと俺達は追い越し追い抜きのレース状態になっていた。
 息が上がり、汗が滝のように流れ落ち、足が重くなる。それでも俺達は走り続けた。そのうち俺はエスターを追い抜き、それでもスピードを緩めず、走った。
 抜いたはずのエスターが前にいた。周回遅れとなったエスターである。足がふらつき、既にジョギングの体勢を保つのがやっとというエスターの横を俺は抜き去った。
 汗にまみれて色が変わり、ずれて食い込んだ赤ブルマーの破壊力は桁が知れない。
 俺は無心になろうとつとめながら走った。ともかく走った。
 走りに走った。
 「○×□△!」
 テリエさんの叫ぶような声で振り向くと、エスターがトラック上で倒れていた。
 慌てて駆け寄るテリエさんと祐子さん。
 俺もエスターの元へ急いだ。
 「○×□△」
 「○×□△!」
 伸ばしたテリエさんの手を払い、立ち上がろうとするエスターはその場に倒れ、それでも這って先に進もうとする。
 見るとエスターの脹ら脛が痙攣していた。
 「エスター」
 「○×□△」
 俺が声を掛けると、エスターは俺を睨み付けて、短く何かを言った。
 「どうやら、矢田貝君に女のプライドを傷つけられたみたいね」
 昨晩祐子さんが言っていた、女尊男卑というか、儚くも弱々しい男に負ける訳にはいかないと言う奴か・・・
 「確かに、これは厄介だね・・・プライドが掛かっているってわけか・・・・」
 荒い息を整えながら、俺はそう呟くと、有無をも言わさずにエスターの足首を持ち、痙攣を続ける脹ら脛に親指を当て、押し込んだ。
 びくりとエスターの体が震えた。
 「どう?直った?」
 エスターは驚いた顔で、自分の足を見て、俺の顔を見た。
 「○×□△」
 「何をしたと聞いているけど、ツボを押さえたのよね?」
 そうですと答えて、俺はゆっくりと立ち上がった。
 軽く体を回して息を整える。
 エスターがよろめきながら立ち上がるのを確認してから、またトラックを走り出す。
 振り向かずにゆっくりと走っていると、エスターが横に並んで来た。
 俺達は今度はレースにならぬようにゆっくりと走る。
 規定時間を走ると、俺達はランニング後のストレッチを始めた。
 「じゃあまた後で」
 ストレッチ後、エスターに声を掛けて、俺達はそれぞれの部屋に戻った。
 その際にエスターの部屋が隣だと知った。

 俺がシャワーを浴びて出てくると、祐子さんが朝食を用意してくれていた。
 「泣いてたよねー」
 「誰が?」
 俺と祐子さんは、テーブルをベッド前に移動させて、一緒に食事をしていた。俺が椅子に座り、祐子さんがベッドに腰掛けていた。
 「デクル姫様、よほど矢田貝君に負けたのが悔しかったみたいね」
 実際、エスターは涙を流していないのだが、祐子さんにはエスターの心の涙が見えたそうだ。
 「俺、中学の時、マラソンの選抜に選ばれたことあります。非公式ですが中学生の日本新記録が出たらしいです。大会は辞退しましたが。その方面での高校からも声が掛かっていました」
 「それは勝てないわよね・・・・・なんで大会に出なかったの?」
 「走るのは目的じゃないから」
 「持久力をつけるため?」
 俺は頷いた。
 「矢田貝君って、こうスポーツなんて出来ませんっていう雰囲気よね、武道をやっている人達って、もっと違う雰囲気有ると思うけど、なぜ?」
 なぜと聞かれても困る。
 俺は普通にしているつもりなのだが、人様から見ると頼りなく見られるらしく、中学時代に守ってあげたくなると女子に言われた経験がある。
 「まぁ、いずれにせよ、後でちゃんとフォローしておいた方がいいわよ」
 「余計泥沼になりそうな予感がするのは気のせいかな?」
 祐子さんが笑った。

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