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第2作 アオハル・イン・チェインズ 桜の朽木に虫の這うこと(二)
第46話 ライオン・ハート
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「は~い、ウツロ」
ウツロが旧校舎の中庭へ到着すると、ベンチに座った刀子朱利がひらひらと手を振っている。
かたわらには気絶した真田龍子が横たわっていた。
「刀子朱利、貴様っ……!」
「あははっ、かっかしちゃってえ。龍子ちゃんのこと、大好きだもんねえ。ああ、りょーこ、りょーこおおおっ」
「おのれ、断じて許さんっ!」
「ははっ、かっわいい~! まあ落ち着きなって、あんたに用があるのは、あたしじゃないんだからさ」
「なにっ……」
庭園の木の陰から、金髪の少年が姿を現した。
「氷潟夕真……!」
「ウツロ、俺と戦え」
氷潟夕真はそう啖呵を切った。
「何が目的だ?」
「そんなものはない。俺はお前とケンカがしたい。それだけだ」
「……」
「ほらほら、早く言うとおりにしないさいよ。じゃなきゃね、わたしが真田さんのこと、この爪でひっかいちゃうよ?」
刀子朱利は真田龍子の首筋に指を当てて、ケラケラと笑っている。
「ぐっ……!」
「うふふ、死ぬほうがマシってくらい凶悪なやつにしようかな~」
「きっ、貴様あああああっ!」
自身の能力、ムカデの毒を使用することを示唆する彼女に、ウツロは激高した。
「ウツロ、お前の相手はこの俺だ。朱利、くれぐれも余計な真似はするなよ?」
「ふん、わかってるって。ほんと、男ってめんどくさいよね」
氷潟夕真は刀子朱利に、戦いの邪魔をしないよう釘を刺した。
「そういうことだ、ウツロ。俺は全力での戦いを望む。アルトラを出せ」
「な……」
「虫を身にまとった戦士の姿、一度拝んでみたいと思っていた。それを見せてもらおう。俺もお前に敬意を払って、絶対に手は抜かないと誓う」
「な、これは……」
氷潟夕真の全身が変形しはじめる。
皮膚が黄土色に変わり、金色に輝く「毛並み」が生えそろってくる。
「アルトラ、ライオン・ハート……!」
「氷潟、それがお前の能力か……!」
彼の姿は一匹の、獅子をモチーフにした獣人に変貌を遂げていた――
ウツロが旧校舎の中庭へ到着すると、ベンチに座った刀子朱利がひらひらと手を振っている。
かたわらには気絶した真田龍子が横たわっていた。
「刀子朱利、貴様っ……!」
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「おのれ、断じて許さんっ!」
「ははっ、かっわいい~! まあ落ち着きなって、あんたに用があるのは、あたしじゃないんだからさ」
「なにっ……」
庭園の木の陰から、金髪の少年が姿を現した。
「氷潟夕真……!」
「ウツロ、俺と戦え」
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「……」
「ほらほら、早く言うとおりにしないさいよ。じゃなきゃね、わたしが真田さんのこと、この爪でひっかいちゃうよ?」
刀子朱利は真田龍子の首筋に指を当てて、ケラケラと笑っている。
「ぐっ……!」
「うふふ、死ぬほうがマシってくらい凶悪なやつにしようかな~」
「きっ、貴様あああああっ!」
自身の能力、ムカデの毒を使用することを示唆する彼女に、ウツロは激高した。
「ウツロ、お前の相手はこの俺だ。朱利、くれぐれも余計な真似はするなよ?」
「ふん、わかってるって。ほんと、男ってめんどくさいよね」
氷潟夕真は刀子朱利に、戦いの邪魔をしないよう釘を刺した。
「そういうことだ、ウツロ。俺は全力での戦いを望む。アルトラを出せ」
「な……」
「虫を身にまとった戦士の姿、一度拝んでみたいと思っていた。それを見せてもらおう。俺もお前に敬意を払って、絶対に手は抜かないと誓う」
「な、これは……」
氷潟夕真の全身が変形しはじめる。
皮膚が黄土色に変わり、金色に輝く「毛並み」が生えそろってくる。
「アルトラ、ライオン・ハート……!」
「氷潟、それがお前の能力か……!」
彼の姿は一匹の、獅子をモチーフにした獣人に変貌を遂げていた――
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