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第四章 最悪の再会と衝撃の宣言

八十五話

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「兎山先輩!パソコンが固まりました!」


 麗音は相変わらず社内ではポンコツだ。


「えーと、これは……これでどうだ」

「直りました!ありがとうございます!」


 麗音は元気よく礼を言ったあと、業務に戻った。

 雄介の連絡先をブロックして一週間。

 こんなにも晴れやかな気分だった事は今までに無い。

 いかに俺が雄介に苦しめられてきたのかを実感した。


「兎山、この見積もりなんだが、先方からの依頼で、ここだけ変えてくれないか」

「はい!」


 ミスや上手く行かないことも多いが、以前よりも仕事を楽しいと思っている自分がいる。

 それもこれも、麗音のおかげだ。

 麗音が俺を助けてくれたから。

 ポンコツだけど頼れる俺の恋人。

 俺は横目で麗音の横顔を見て、ふふふと小さく笑った。

-
 社内の電話が鳴った。

 普段電話を取っている女性社員は会議やら休みやらで、他の男性社員は取らないので俺が取る。


「はい、虎居カンパニーです」

「もしもし、私、桜桃商事のサクライと申しますが……有栖川麗音さん、いらっしゃいますでしょうか?」
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