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第四章 最悪の再会と衝撃の宣言

七十八話

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「くるみん、ちょっと待っててね」

「え~待てなぁ~い」


 桃澤は雄介の腕に抱きついた。

 俺の手に力が入る。


「雄くん、この人だれぇ~?」

「ああ、大学時代からの友人だよ。兎山俊太郎」


 桃澤は俺をじろじろ見渡した後、鼻にかかる声で挨拶した。


「はじめましてぇ~、キャッチ&ハグの桃澤久留美でぇす、くるみんって呼んでくださぁい」


 桃澤は尚も雄介の腕に抱きついたまま、雄介に向かって話し始めた。


「雄くん、この人も打ち上げ行くのぉ?こんな一般人とぉ?」

「くるみん、俊太郎は俺の恩人でもあるんだ、一緒に行かせてあげようよ」

「え~雄くんと話す時間減るのやだぁ~早くスパイスカレー食べたぁい!」

「そう言わずに、ね、お願いだから」

「う~ん、分かった……」


 反吐が出そうだった。

 麗音が戻って来る気配はない。

 どうして、こんな時に限っていないんだよ。

 俺のこと、守ってくれるんじゃなかったのかよ。

そう考えていると、雄介が急に腕を掴んできた。


「雄介!?」

「な、俊太郎も行こうよ、くるみんの紹介もしたいし」

「や、待って、離せ……」

「その手を離してくれませんか?」

 
 ざわついた心が一瞬で落ち着く。

 そこには。


 俺の大切な恋人、有栖川麗音がいた。
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