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第四章 最悪の再会と衝撃の宣言

七十三話

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 事務所にミサイルは冗談だと笑っていたが、どうやら麗音は熊井と桃澤に対して俺と同じ怒りを覚えているらしい。

 それが、不謹慎だけど嬉しかった。

 共感してくれる人がいることが、とても心強かった。


「復讐についてはまた考えよう!今日はもうお風呂入って寝よっか」


 後片付けをした後、ソファに座った俺を麗音は後ろから抱きしめた。

 そのまま、麗音は俺の首筋に顔を埋める。


「ふふっ、しゅん兄ちゃんの匂い、落ち着く……」

「おい、くすぐったいからやめろって」


 どちらからともなくキスをする。

 最初は唇を重ねるだけ、それから麗音がゆっくりと唇を割り、舌を入れてくる。

 ああ、心が、満たされていく。

 麗音、俺の大切な……


 ブーッ、ブーッ!

 突然、俺のスマホが鳴った。

 俺と麗音は思わず飛び上がる。

 数秒の振動で止まったのでラインだろう、そう判断して俺達は再び唇を合わせた。

-
 風呂から上がった後、スマホを開く。

 見ると、学生時代の友人からだった。


『兎山久しぶり!ちょっと頼みたいことあってさ』


 俺は返信する。


『おう、どうした?』


 すぐに既読がつき返信が飛んできた。

 その内容は、俺の心をざわつかせるものだった。


『フィッシュバードベアーのチケット、貰ってくんねえ?』


 

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