十二年付き合った彼氏を人気清純派アイドルに盗られて絶望してたら、幼馴染のポンコツ御曹司に溺愛されたので、奴らを見返してやりたいと思います

第四章 最悪の再会と衝撃の宣言

六十九話

「おはようございます！」

「有栖川さん、おはよう、今日も元気だね」

「そうですか？いつも通りだと思いますけど」


　月曜日。

　麗音は何事も無かったかのように出勤する。

　俺はといえば、麗音と恋人になったことと、麗音が言った言葉が心に残っていて業務に支障をきたさないか心配だった。

（そいつらに徹底的に復讐しよう）

　復讐、なんて言葉が麗音から出てくるとは思わなかった。

　正義感が強い麗音が復讐なんて。

　……まさか、本当にあいつらを殺すとかじゃないよな！？


「兎山、体調はもう良いのか？」


　そんなことを考えていると、部長から声をかけられた。


「あ、はい、ご迷惑おかけしてすみませんでした」

「いや……最近、仕事振りすぎてたかもしれないからな、今日の分は少し少なめでいいぞ」

「え？」


　そう言うと部長は去っていった。

　負担が減るのはありがたいが、こんな事は初めてだ。

　今日は槍でも降るんじゃないか。

-
　正午のチャイムが鳴る。


「兎山先輩、お昼……」


　麗音が言い淀む。

　そう、食堂では桃澤が出ているテレビがあるのだ。


「……たまには、外で食べません？俺この辺りまだよく分からなくて！」

「お、おう、そうだな」


　財布を持つと、俺達は外に食べに行った。