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第四章 最悪の再会と衝撃の宣言
五十八話
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仕事中、トラブルがあってもしゅん兄ちゃんに聞けず、俺はぼんやりとしてしまった。
会議から戻ってきたしゅん兄ちゃんは朝よりやつれていて、午後の仕事ができるか心配だった。
研修で使った資料をめくったりしていると、正午のチャイムが鳴った。
「兎山先輩、お昼行きますか?」
「……いや、いいや。先行っててくれ」
「……わかりました。無理しないでくださいね」
しゅん兄ちゃんが俺の誘いを断った。
俺は悲しい気持ちで食堂へ向かった。
‐
食堂の列に並びながら、俺は頭を振った。
いくら悲しくても、ご飯は楽しく食べないと。
朝はちょっとできなかったけど、お昼は。
そう気持ちを切り替えて、俺は油淋鶏定食を頼んだ。
‐
食堂で食べるご飯って、こんなに美味しくなかったっけ。
雑音の中、ベタつく油淋鶏を口に運ぶ。
一人で食べるから、美味しくないのかな。
(麗音のうまい飯が食べられることだな)
……しゅん兄ちゃんのあの気持ち、よく考えたら嬉しかったな。
それなのに、自分の気持ちばっかりで。
俺もまだまだ子供だな……
「ごちそうさまでした」
食器を下げようとした時、
カシャーン!と乾いた音が響いた。
見ると、そこにはしゅん兄ちゃんが倒れていた。
「しゅん兄ちゃん!?」
俺は慌てて駆け寄る。
しゅん兄ちゃんは浅い呼吸を繰り返していた。
俺はしゅん兄ちゃんを抱きかかえると、どこか休めるスペースは無いか探した。
「お兄さん、ここ使っていいから!」
騒ぎを聞きつけたらしい食堂のおばちゃんが、隅の方のテーブルを空けてくれた。
会議から戻ってきたしゅん兄ちゃんは朝よりやつれていて、午後の仕事ができるか心配だった。
研修で使った資料をめくったりしていると、正午のチャイムが鳴った。
「兎山先輩、お昼行きますか?」
「……いや、いいや。先行っててくれ」
「……わかりました。無理しないでくださいね」
しゅん兄ちゃんが俺の誘いを断った。
俺は悲しい気持ちで食堂へ向かった。
‐
食堂の列に並びながら、俺は頭を振った。
いくら悲しくても、ご飯は楽しく食べないと。
朝はちょっとできなかったけど、お昼は。
そう気持ちを切り替えて、俺は油淋鶏定食を頼んだ。
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食堂で食べるご飯って、こんなに美味しくなかったっけ。
雑音の中、ベタつく油淋鶏を口に運ぶ。
一人で食べるから、美味しくないのかな。
(麗音のうまい飯が食べられることだな)
……しゅん兄ちゃんのあの気持ち、よく考えたら嬉しかったな。
それなのに、自分の気持ちばっかりで。
俺もまだまだ子供だな……
「ごちそうさまでした」
食器を下げようとした時、
カシャーン!と乾いた音が響いた。
見ると、そこにはしゅん兄ちゃんが倒れていた。
「しゅん兄ちゃん!?」
俺は慌てて駆け寄る。
しゅん兄ちゃんは浅い呼吸を繰り返していた。
俺はしゅん兄ちゃんを抱きかかえると、どこか休めるスペースは無いか探した。
「お兄さん、ここ使っていいから!」
騒ぎを聞きつけたらしい食堂のおばちゃんが、隅の方のテーブルを空けてくれた。
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