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第四章 最悪の再会と衝撃の宣言
五十六話
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吐きそうだった。
桃澤が、憎いあの女が、平然と生きている事がたまらなく悔しかった。
見たっていい事なんて無いはずなのに、俺の目はテレビに釘付けだった。
「いや~くるみん!びっくりしましたで!まさか恋人がいるとは!昨日の今日でこんなこと聞いて堪忍やで!」
「いえいえ、大丈夫です!何でも聞いちゃってくださぁい!」
「ええのん!?じゃあまず、どこで知り合うたん?」
「えっとぉ、私達のライブの後がカレのライブで!たまたま残って聞いてたらもう一目惚れしちゃって!」
「はあ~一目惚れかあ!じゃあ告白はくるみんから?」
「そうなんですよ~!カレもすぐOKしてくれて!」
心臓が痛い。
目の前がぼやける。
何とかトレイを手にして席に着こうとしたとき、信じられない言葉が飛び込んできた。
「実はぁ、付き合ってもう一年なんですよ~」
「ほんまかいな!もうチューとかしたん?」
「もぉ~、そういうのは結婚してからって二人で決めてるんですよぉ~」
嘘だ。
俺が雄介から別れを切り出されたのが今年のバレンタイン。
今は四月だから二ヶ月しか経ってないのに、一年って。
「まさか……」
二股。
目の前にまざまざと、その言葉が浮かんできた。
突然、全身が沸騰したように熱くなり、俺はその場に倒れた。
カシャーン!
周囲のどよめきを遠くに聞きながら、俺の頭は一つの意識だけを残して暗闇に沈んでいった。
(許せない……!!)
熊井雄介。
桃澤久留美。
二人共、絶対に、殺してやる。
桃澤が、憎いあの女が、平然と生きている事がたまらなく悔しかった。
見たっていい事なんて無いはずなのに、俺の目はテレビに釘付けだった。
「いや~くるみん!びっくりしましたで!まさか恋人がいるとは!昨日の今日でこんなこと聞いて堪忍やで!」
「いえいえ、大丈夫です!何でも聞いちゃってくださぁい!」
「ええのん!?じゃあまず、どこで知り合うたん?」
「えっとぉ、私達のライブの後がカレのライブで!たまたま残って聞いてたらもう一目惚れしちゃって!」
「はあ~一目惚れかあ!じゃあ告白はくるみんから?」
「そうなんですよ~!カレもすぐOKしてくれて!」
心臓が痛い。
目の前がぼやける。
何とかトレイを手にして席に着こうとしたとき、信じられない言葉が飛び込んできた。
「実はぁ、付き合ってもう一年なんですよ~」
「ほんまかいな!もうチューとかしたん?」
「もぉ~、そういうのは結婚してからって二人で決めてるんですよぉ~」
嘘だ。
俺が雄介から別れを切り出されたのが今年のバレンタイン。
今は四月だから二ヶ月しか経ってないのに、一年って。
「まさか……」
二股。
目の前にまざまざと、その言葉が浮かんできた。
突然、全身が沸騰したように熱くなり、俺はその場に倒れた。
カシャーン!
周囲のどよめきを遠くに聞きながら、俺の頭は一つの意識だけを残して暗闇に沈んでいった。
(許せない……!!)
熊井雄介。
桃澤久留美。
二人共、絶対に、殺してやる。
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