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第三章 同居開始で溺愛されてます
五十話
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「しゅん兄ちゃん、言いたくなかったら言わなくていいんだけど、何か俺に隠してるでしょ」
全身から冷や汗が吹き出す。
腹が痛い。
苦しい。
このまま黙っているのも、麗音に話すのも。
俺はどうすればいいんだ。
「……っ、ごめんね、ご飯中に聞いちゃって!ご飯は美味しく食べないとね!忘れて!」
「……ああ、悪いな」
お互いにそう告げると、食事を再開した。
‐
風呂に浸かりながら、先ほどの話を振り返る。
(何か俺に隠してるでしょ)
昔から時々、麗音はカンが鋭い時があった。
おやつを二人で分けた時、俺がこっそりと自分の方を多くしたら「ずるい!」と怒ったり。
俺が麗音のおもちゃをうっかり壊した時に「しゅん兄ちゃん、あのおもちゃどこ?」と聞いたり。
今回は誤魔化せないか。
俺は体を拭きながら、麗音にどう切り出そうか考えた。
‐
「おかえりー!はいこれ、今日はアイスにしよ!」
ソファでくつろぐ麗音がテーブルの上のアイスと俺を交互に見た。
「……おう、ありがとう」
麗音の隣に座り、アイスをスプーンですくって口に運ぶ。
ふと視線を感じたので振り向くと、麗音が俺の方を見つめていた。
「……どうした?」
「……っ、なんでもない!」
そう返すと麗音はアイスに向き直った。
「麗音、あのな、聞きたいことがあるんだ」
麗音はぱっと顔を上げた。
「……お前の大切な人って、誰なんだ?」
全身から冷や汗が吹き出す。
腹が痛い。
苦しい。
このまま黙っているのも、麗音に話すのも。
俺はどうすればいいんだ。
「……っ、ごめんね、ご飯中に聞いちゃって!ご飯は美味しく食べないとね!忘れて!」
「……ああ、悪いな」
お互いにそう告げると、食事を再開した。
‐
風呂に浸かりながら、先ほどの話を振り返る。
(何か俺に隠してるでしょ)
昔から時々、麗音はカンが鋭い時があった。
おやつを二人で分けた時、俺がこっそりと自分の方を多くしたら「ずるい!」と怒ったり。
俺が麗音のおもちゃをうっかり壊した時に「しゅん兄ちゃん、あのおもちゃどこ?」と聞いたり。
今回は誤魔化せないか。
俺は体を拭きながら、麗音にどう切り出そうか考えた。
‐
「おかえりー!はいこれ、今日はアイスにしよ!」
ソファでくつろぐ麗音がテーブルの上のアイスと俺を交互に見た。
「……おう、ありがとう」
麗音の隣に座り、アイスをスプーンですくって口に運ぶ。
ふと視線を感じたので振り向くと、麗音が俺の方を見つめていた。
「……どうした?」
「……っ、なんでもない!」
そう返すと麗音はアイスに向き直った。
「麗音、あのな、聞きたいことがあるんだ」
麗音はぱっと顔を上げた。
「……お前の大切な人って、誰なんだ?」
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