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第二章 俺の幼馴染は御曹司でポンコツで

二十二話

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「俺、やっぱり思ったんだ、折角再会できたんだから、これからはずっと一緒に過ごしたいって、会社では一緒だけど、しゅん兄ちゃんがお家に帰るのが辛くて……」


 麗音が体を震わせる。


「ちょ、ちょっと待て麗音、気持ちは嬉しいが、ちょっと急過ぎるって……」


 俺の心臓は熱く鼓動を叩いた。

 雄介とは十二年付き合って一度も同棲しなかったのに、麗音と再会した翌日に同居!?

 ……駄目だ、やっぱり雄介のことを思い出してしまう。


「……そうだね、しゅん兄ちゃんにも生活があるし、ちょっといきなり過ぎたね」


 麗音が謝る。

 俺は言いようのないしこりを胸の奥に抱えた。


「……あ、やばい、そろそろ支度しないと!」

「え、マジで!」


 麗音が時計を見て慌て始めた。

 俺も急いでハンガーから昨日のスーツを取る。



「おはようございます!」


 いつもは遅刻ギリギリなのに、今日は始業開始の15分前に到着した。
 会社に着いた瞬間から、麗音は元気だ。


「おはようございまーす……」


 今朝の事もあって、俺は再びどんよりとした気持ちで出社した。

 オフィスを見渡すと、黒須が何かPCに向かって焦りながら打ち込んでいる。


「おお、有栖川さん、おはようございます」


 ぼんやり眺めていると、麗音が部長から声を掛けられた。

 いきなりのことに、俺はぴょいと飛び上がってしまった。


「おはようございます、部長」

「有栖川さん、今日もよろしくお願いしますね。兎山も一緒だったのか、お前、有栖川さんの前でヘマをするなよ」


 部長は俺にだけ辛辣な言葉を掛けるとデスクに戻った。
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