雪豹くんは魔王さまに溺愛される

asagi

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続×3.雪豹くんとにぎやかな家族

4-21.久しぶりの熱(★)

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 覆いかぶさってくるアークを迎え、その背に腕を回す。温かな重みが心地よく、思わずうっとりと目を細めた。

「アーク、キスして」
「ふ……ようやく番の感覚を思い出したか?」
「そもそも忘れてないよ」

 顔をのぞき込まれて、鼻を擦り付け合う。

 間近で瞬く瞳に滾る熱も、花のような甘やかな香りも、アークの全てがスノウの熱をあげさせるものだ。番を欲しがる本能を忘れたことなんて一度もない。

 ただ、子どもへ意識が向いていると、なかなか番にまで気が回らなかっただけ。

「そうとは思えないくらい放って置かれたがな」
「……拗ねてるの?」
「そうかもしれない」

 密やかな囁きには笑みが滲んでいた。言葉遊びのようなものだ。
 スノウも思わずふふっと笑う。

 アークの言葉は嘘ではないのだと分かっていた。
 子どもに嫉妬して、スノウを独占したいと思う心を、アークが必死に抑え込んでいたことを理解している。そんな優しい番のことが、スノウは大好きなのだ。

「ん……じゃあ、今夜は、たくさんする?」

 軽く触れ合うキスの合間に、悪戯な笑みを浮かべて提案すると、アークから伝わる熱が如実に温度を上げたのが分かった。
 狙ってしたことだけれど、アークは意外と単純だ。

「する」
「ん、ふふ……」
「笑うな」
「んぅ!」

 唇に噛みつかれるようにキスされた。はむはむと食まれて、熱い舌が這う感覚に、背中が甘く痺れるような刺激が走る。
 こうしてじっくりと味わうのは久しぶりだからか、随分と感じやすくなっている気がした。

「——アーク、もっと……」
「スノウの望みのままに」

 とろりと蕩けた眼差しでねだると、アークが嬉しそうに微笑む。
 歯列を割る熱い舌を受け入れて、スノウも舌を絡めた。粘膜が擦り合う感覚が気持ちよくて、どんどん熱が高まるのを感じる。

 そんなスノウの変化を反映して、香りも強く放たれていった。
 キスの合間に、アークがその香りを取り込むように深呼吸して、陶然とした眼差しになる。

 スノウがアークの香りを好きで堪らないのと同じで、アークもスノウの香りを愛しているのだ。この香りが運命の番の証でもあるのだから。

「いい香りだ」
「うん、アークのも」

 ちゅ、とアークの唇にキスを贈る。すぐさま食いつかれて、また口内をかき乱された。まじわる唾液すら甘く感じるほどに、周囲に香りが満ちている。

「ん、ぅ……ぁん」
「ミルクが出なかったのは残念だな?」

 いつの間にかはだけられていた胸元に、アークの手が這っていた。ちょこんと主張している尖りを硬い指先で嬲られて、スノウは身動ぎしながら喘ぐ。

「今、子どもたちのこと思い出させるの、ダメ」
「そうか。とられるのは俺も嫌だな」

 詰るように見つめたら、頷かれた。
 そういう意味で言ったわけではなかったのだけれど、アークが納得したのならそれでもいいか。

「んっ! や、そこばっかり……!」

 胸の尖りを柔く噛まれて、思わず背中が仰け反る。反対の胸も指先で弄られて、甘く痺れるような刺激がお腹に溜まっていくような心地がした。

 気持ちいい。でも、なんだか物足りなくもある。まだキスもしたりない。

 そんなスノウの思いが声に滲んだのか、アークが微かに笑うような気配があった。

「みっ! かじらないで、っ」
「気持ちいいだろう?」
「ん、んぅ……キスも、ほしい……」

 焦らすような態度のアークに、我慢できなくなったのはスノウだ。
 両手でアークの頬を包み、キスをねだる。

「分かった」
「ん……ぁ……ふ、ぅ」

 再び熱い息がまじり合った。
 大好きな夕陽色の瞳を見つめながら、互いを食べ合うようなキスを交わすのは、幸せが身体の中に満ち溢れるような心地がする。

 スノウより冷たい手が身体を這い、胸やお腹を撫でるのを感じる。その気持ちよさに、勝手に身体がビクビクと震えた。
 下肢を覆う服を取り払われて、後孔を撫でられる。

「……随分と濡れている。スノウも待ち遠しかったんだな」

 くちゅ、と淫らな音がするのを聞いて、スノウは頬を熱くした。
 アークを求めているのは分かっていたけれど、ここまで分かりやすい反応に気付かされるのは恥ずかしさもある。

「アーク、いじめないで」

 今夜は随分とおしゃべりな番の口を封じるため、スノウは再びアークの顔を引き寄せて、キスをねだった。

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