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続.雪豹くんと魔王さま
2-8.新たな始まり⑧
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翌日の昼間。
スノウは大きなぬいぐるみを抱えて、一人掛けのソファに埋もれるようにして座っていた。
「そんなふくれっ面をするな。ほら、スノウが好きなイチゴがあるぞ」
真っ赤なイチゴを口元に差し出されて、迷った末に小さく口を開ける。噛み締めた途端にじゅわっと果汁が溢れてきて、その爽やかな甘さについ顔が綻んだ。
「――美味かったか。まだたくさんある。好きなだけ食べたらいい」
アークがソファの横に膝をついて、スノウの口元にせっせとイチゴを運ぶ。魔王にこんなことをさせられるのは、番であるスノウだけだろう。
「……僕、アークよりドラ君の方が好きかも」
「そんなことを言わないでくれ……!」
悲壮な表情になるアークを横目で確認し、笑ってしまいそうになるのを必死でこらえる。
夜にベッドの中でいじわるをするアークに少し腹が立ったのは事実だけれど、それで嫌いになるわけがない。アークへの愛情はそんなに軽いものではないのだ。
アークもそのことは十分理解しているだろうに、こうしてスノウの口先の言葉に右往左往してしまう。それはスノウへの愛ゆえだろう。
そんな姿を見る度に、アークの愛情に強さを感じてスノウは密かに嬉しくなる。
ちなみに、ドラ君とはアークの竜型を模したぬいぐるみのことだ。スノウより少し小さいくらいのサイズで、肌触りの良いふわふわとした生地で作られている。
スノウの誕生日のお祝いにとロウエンにもらった時から、宝物の中でも上位に入るくらいお気に入りの一品だ。
「アークはいっつも『あと一回だけ』って約束を守らないんだもん」
「いや、それは、スノウが魅力的すぎるから、止まらなくなって――」
「僕のせいだって言うの?」
「いや、俺のせいだ。悪かった……」
スノウが視線を流して軽く睨むと、アークはしょんぼりと項垂れる。普段の魔王としての堂々とした姿は見る影もない。
同じ部屋にいるルイスは、射影装置の調整をしながら笑いを噛み殺した表情をしている。スノウとアークが正式に番ってから、少しずつ力関係が変わってきているのを面白がっているのだ。
「これからは『あと一回』の約束を守ってくれる?」
「それは難し――いや、善処しよう」
なんとも自信なさそうな返事だけれど、今日はこれで良しとしよう。あまりアークとの口論を長引かせるのも、スノウにとっては好ましくないから。戯れ合いのような言葉の応酬とはいえ、もっと楽しい話をしたい。
「スノウ様。射影装置の用意が終わりましたよ~」
ルイスがスノウの心を読んだようなタイミングで告げる。
それに対してスノウがパッと表情を綻ばせると、様子を窺っていたアークはホッと息をついた。不機嫌アピールが終わったことを悟ったのだ。
アークにとっては、スノウのふてくされた顔も可愛らしくてたまらないようだけれど、笑顔が一番好ましいのは当然だった。アークはいつだってスノウの幸せを願っているのだから。
「ドラ君と一緒に撮ってもらう!」
「親子三人での射映画みたいだな?」
「え、僕とドラ君の二人だよ?」
「俺は!?」
衝撃を受けた表情で固まるアークを見て、スノウはクスクスと笑った。冗談で言っただけなのに、アークの反応が大きすぎて面白い。
ルイスもこらえきれなくて吹き出すように笑ってしまい、アークに睨まれている。
「分かったよ~。ひと足早い家族写真だね!」
「それは……まぁ、そうかもしれないな……」
スノウがさり気なく『子どもがほしい』アピールを混ぜてみると、アークの表情が複雑そうに歪んだ。
番関係を示す家族写真を喜ぶ一方で、まだ二人で過ごしたいという望みが表情に滲んでいるのだ。
「では、陛下はソファの横に寄り添う感じで――」
「せめて、スノウを抱きしめた体勢で写りたいんだが」
「ソファは僕とドラ君でギリギリだから、アークはそこにいてね」
不満そうにするアークに指示を出す。じとりとした眼差しを向けられても笑顔で受け流した。
今の距離でも十分近いと思うのだ。アークに抱きしめられたら、悪戯されてしまうかもしれないから、このままでいい。
「……しかたない」
ため息混じりにポツリと呟いたアークが、ソファの肘掛けに軽く腰掛け、背もたれに腕を回す。ふわりと甘い香りがスノウを包んだ。
身体の奥へビリッと刺激が走り、熱が一気に上がる。愛する番の香りは、スノウの心を安らがせるのと同時に、媚薬のような興奮をもたらすのだ。
「ぁ……」
「どうした?」
顔を赤く染めながら、スノウはアークを見上げた。
問いかけてくるアークの口の端が微かに上がっている。スノウがこうなることを分かっていて、わざと香りを強めたのだ。
スノウは香りの調整をするのがまだ下手なのだけれど、アークは器用に操って、度々スノウを翻弄する。
「アーク、悪戯しちゃダメ……」
「なんのことだ? こんなに可愛い顔をしたスノウを俺以外に見せるのは、少し気に食わないな」
「だったら、香りを弱めればいいと思うの」
頬を撫でるアークの手を掴んで、軽く睨む。
アークの唇が、はっきりと笑みの形をかたどった。心底楽しそうだ。
竜族は嗜虐心が強めな種族らしい。そんな姿をアークはスノウに普段見せないようにしている。怖がらせたくないからだと前に言っていた。
でも、ふとした時にこうしてその性質が表れる。アークはスノウをからかって可愛がるのが好きで、楽しくてしかたないのだ。
「はいはーい、いちゃつくのはそれくらいにしてくださいねー。バッチリ撮りましたけど」
「えっ、もう撮ったの!?」
「撮りましたとも。あとはお澄まし顔も撮っておきたいので、陛下は抑えてください」
「いいだろう。あとで、撮った射影画を俺にもよこせ」
「承知いたしております」
スノウの抗議は軽く聞き流された。
まさかアークの香りにメロメロになっているところを撮られてしまうとは――恥ずかしさの極み……!
真っ赤な顔で睨んでも、ルイスは「スノウ様、可愛いー!」と歓喜の表情で射影画を撮り続ける。まったくこたえた様子がない。ひどい。
スノウは軽く拗ねて、そっぽを向いた。
スノウは大きなぬいぐるみを抱えて、一人掛けのソファに埋もれるようにして座っていた。
「そんなふくれっ面をするな。ほら、スノウが好きなイチゴがあるぞ」
真っ赤なイチゴを口元に差し出されて、迷った末に小さく口を開ける。噛み締めた途端にじゅわっと果汁が溢れてきて、その爽やかな甘さについ顔が綻んだ。
「――美味かったか。まだたくさんある。好きなだけ食べたらいい」
アークがソファの横に膝をついて、スノウの口元にせっせとイチゴを運ぶ。魔王にこんなことをさせられるのは、番であるスノウだけだろう。
「……僕、アークよりドラ君の方が好きかも」
「そんなことを言わないでくれ……!」
悲壮な表情になるアークを横目で確認し、笑ってしまいそうになるのを必死でこらえる。
夜にベッドの中でいじわるをするアークに少し腹が立ったのは事実だけれど、それで嫌いになるわけがない。アークへの愛情はそんなに軽いものではないのだ。
アークもそのことは十分理解しているだろうに、こうしてスノウの口先の言葉に右往左往してしまう。それはスノウへの愛ゆえだろう。
そんな姿を見る度に、アークの愛情に強さを感じてスノウは密かに嬉しくなる。
ちなみに、ドラ君とはアークの竜型を模したぬいぐるみのことだ。スノウより少し小さいくらいのサイズで、肌触りの良いふわふわとした生地で作られている。
スノウの誕生日のお祝いにとロウエンにもらった時から、宝物の中でも上位に入るくらいお気に入りの一品だ。
「アークはいっつも『あと一回だけ』って約束を守らないんだもん」
「いや、それは、スノウが魅力的すぎるから、止まらなくなって――」
「僕のせいだって言うの?」
「いや、俺のせいだ。悪かった……」
スノウが視線を流して軽く睨むと、アークはしょんぼりと項垂れる。普段の魔王としての堂々とした姿は見る影もない。
同じ部屋にいるルイスは、射影装置の調整をしながら笑いを噛み殺した表情をしている。スノウとアークが正式に番ってから、少しずつ力関係が変わってきているのを面白がっているのだ。
「これからは『あと一回』の約束を守ってくれる?」
「それは難し――いや、善処しよう」
なんとも自信なさそうな返事だけれど、今日はこれで良しとしよう。あまりアークとの口論を長引かせるのも、スノウにとっては好ましくないから。戯れ合いのような言葉の応酬とはいえ、もっと楽しい話をしたい。
「スノウ様。射影装置の用意が終わりましたよ~」
ルイスがスノウの心を読んだようなタイミングで告げる。
それに対してスノウがパッと表情を綻ばせると、様子を窺っていたアークはホッと息をついた。不機嫌アピールが終わったことを悟ったのだ。
アークにとっては、スノウのふてくされた顔も可愛らしくてたまらないようだけれど、笑顔が一番好ましいのは当然だった。アークはいつだってスノウの幸せを願っているのだから。
「ドラ君と一緒に撮ってもらう!」
「親子三人での射映画みたいだな?」
「え、僕とドラ君の二人だよ?」
「俺は!?」
衝撃を受けた表情で固まるアークを見て、スノウはクスクスと笑った。冗談で言っただけなのに、アークの反応が大きすぎて面白い。
ルイスもこらえきれなくて吹き出すように笑ってしまい、アークに睨まれている。
「分かったよ~。ひと足早い家族写真だね!」
「それは……まぁ、そうかもしれないな……」
スノウがさり気なく『子どもがほしい』アピールを混ぜてみると、アークの表情が複雑そうに歪んだ。
番関係を示す家族写真を喜ぶ一方で、まだ二人で過ごしたいという望みが表情に滲んでいるのだ。
「では、陛下はソファの横に寄り添う感じで――」
「せめて、スノウを抱きしめた体勢で写りたいんだが」
「ソファは僕とドラ君でギリギリだから、アークはそこにいてね」
不満そうにするアークに指示を出す。じとりとした眼差しを向けられても笑顔で受け流した。
今の距離でも十分近いと思うのだ。アークに抱きしめられたら、悪戯されてしまうかもしれないから、このままでいい。
「……しかたない」
ため息混じりにポツリと呟いたアークが、ソファの肘掛けに軽く腰掛け、背もたれに腕を回す。ふわりと甘い香りがスノウを包んだ。
身体の奥へビリッと刺激が走り、熱が一気に上がる。愛する番の香りは、スノウの心を安らがせるのと同時に、媚薬のような興奮をもたらすのだ。
「ぁ……」
「どうした?」
顔を赤く染めながら、スノウはアークを見上げた。
問いかけてくるアークの口の端が微かに上がっている。スノウがこうなることを分かっていて、わざと香りを強めたのだ。
スノウは香りの調整をするのがまだ下手なのだけれど、アークは器用に操って、度々スノウを翻弄する。
「アーク、悪戯しちゃダメ……」
「なんのことだ? こんなに可愛い顔をしたスノウを俺以外に見せるのは、少し気に食わないな」
「だったら、香りを弱めればいいと思うの」
頬を撫でるアークの手を掴んで、軽く睨む。
アークの唇が、はっきりと笑みの形をかたどった。心底楽しそうだ。
竜族は嗜虐心が強めな種族らしい。そんな姿をアークはスノウに普段見せないようにしている。怖がらせたくないからだと前に言っていた。
でも、ふとした時にこうしてその性質が表れる。アークはスノウをからかって可愛がるのが好きで、楽しくてしかたないのだ。
「はいはーい、いちゃつくのはそれくらいにしてくださいねー。バッチリ撮りましたけど」
「えっ、もう撮ったの!?」
「撮りましたとも。あとはお澄まし顔も撮っておきたいので、陛下は抑えてください」
「いいだろう。あとで、撮った射影画を俺にもよこせ」
「承知いたしております」
スノウの抗議は軽く聞き流された。
まさかアークの香りにメロメロになっているところを撮られてしまうとは――恥ずかしさの極み……!
真っ赤な顔で睨んでも、ルイスは「スノウ様、可愛いー!」と歓喜の表情で射影画を撮り続ける。まったくこたえた様子がない。ひどい。
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