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三章.雪豹の青年
56.雪豹の青年と飛行
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本日快晴。良い狩り日和!
「――アーク! 凄い、飛んでるよ!」
ぎゅうっとアークの首に抱きつきながら、眼下に広がる街並みを見下ろして、スノウは歓声を上げた。
アークの背には竜の翼。普段は仕舞っているけれど、自由自在に出し入れできるらしい。遠くへの移動には、その翼を使って空を飛ぶんだとか。
そういえば、スノウはアークの竜姿を見たことがない。翼が白いから、身体も白いのだろうか。
「飛ぶことでそんなに喜ぶとは思わなかったな」
「なんで? 楽しいよ! 僕一人じゃ飛べないもの!」
「怖くはないか?」
「アークが抱っこしてくれてるのに、怖いはずないよね?」
アークはおかしなことを聞く。首を傾げるスノウを、アークが愛しげに見下ろした。
「……そうだな。俺が何者からもスノウを守るから」
「守られるだけは嫌だけどね! 今日は、僕がアークに食べさせる肉を狩るから!」
「ははっ……楽しみにしてるぞ」
意気込むスノウに、アークが軽やかに笑う。
真剣に受け取られていない気がして、スノウはプクッと頬を膨らませた。今日のためにたくさん狩りの練習をしたのだ。上手に狩りをしているところを見せて、一人前になったのだと認めさせたい。
(あれ? もしかして、竜族には狩りができたら一人前って意識がないのかな?)
ふと気づいてしまった事実に首を傾げる。獣人ならば当たり前の認識だと思っていたけれど、アークには通用しないのかもしれない。
それならば、狩りをねだるスノウに、アークが渋って見せた理由が分かる。アークにとって、狩りはただ危ない行為ということだ。食料を安全に得られているならば、わざわざする必要はないと考えている可能性がある。
「……まあ、いっか。こうして狩りに出れてるんだもの」
「よく分からないが、もうすぐ草原に降りるぞ」
「草原?」
ハッと気づいたときには、既に眼下の光景は一新されていた。レンガ造りの街並みは遥か遠くに小さく見え、代わりに淡い緑の大地が広がっている。
所々に人影は見えるものの、それよりも魔物の気配の方が多い。
「……たくさん、いる……?」
俄に怖じ気づいてしまった。やる気いっぱいだったとはいえ、スノウが人里を離れて魔物がたくさんいる場所に来たのは初めてだ。こちらに襲いかかってくる様子はなさそうだけれど、敵意が向いているのは分かる。
強張った身体を柔らかく抱き締められた。いつの間にかアークの服をきつく握っていたのに気づいて、そっと力を抜く。怖がっていると思われるのは嫌だ。狩りを中止されてしまうかもしれない。
「帰るか?」
「まだ帰らないよ! 美味しいの狩らないとね!」
顔を窺ってくるアークに、にこりと笑みを返す。折角許してもらった狩りの機会。獲物もなく帰るなんて、楽しみに待っているルイスたちにがっかりされてしまうだろう。それに、スノウ自身が、そんな情けないことをしたくなかった。
「……そうか。では、あそこに降りるぞ」
アークが指したのは、草原の中で少し小高い丘になっているところだった。見晴らしが良くて、狩りには最適そう。
スノウが頷いたのを見て、アークが翼を羽ばたかせる。ぐんぐんと草原が近づいてきた。
草原に降りて半時。スノウは周囲を見渡して、こてんと首を傾けた。
「……アーク、魔物がいないよ」
「あー……そうだな。……俺がいるからな」
空から見たときはたくさんの魔物の気配があったのに、今はこの一帯が空白地帯になったかのように魔物がいない。スノウの奮い立たせた勇気が無駄になった気がする。
「アークがいるから?」
「竜族の気配は強いから……弱い魔物は一目散で逃げる」
「えー、じゃあ、狩りできないよ……」
困ってしまった。アークと離れれば魔物は見つかるのだろう。でも、アークがそれを簡単に許してくれるとは思えない。
腕を組んで考え込んで、ふと思いついた。
「アークは空で待機。僕は地上を行くから」
「却下」
「このままじゃ狩りできないもの。わがままはダメだよ」
「わ、わがまま……?」
何故かショックを受けたように固まるアークを見据える。
「もともと、一人前だって証明するための狩りだもの。アークは空から見守ってて。……危なくなったら、助けてくれるでしょ?」
「それはそうだが……」
渋い顔をするアークの胸元に抱きつく。出会った頃を思うと、随分と背が伸びた。それでもアークに頭を下げてもらわないと、キスもできない。
……そろそろ成長期も終わる。悔しいけれどこれがスノウの成長の限界だ。
「アーク――」
首に腕を回してクイッと引く。不思議そうに身を屈めたアークの頬にキス。
「――僕がアークのためにがんばるところ、ちゃんと見てて。僕の成長を知ってほしいの。……ね、いいでしょ?」
「グッ……」
息を飲んだアークは複雑な表情だった。奥歯を噛みしめ、何かを我慢しているようにも見える。
「アーク」
「……はあぁぁ……分かった。危なそうだったら、すぐに回収するからな」
「分かった! 僕がんばるね!」
苦虫を噛み潰したような顔であっても、許可が出たならそれで良いのだ。
満面の笑みを浮かべるスノウの顔を、アークがため息をつきながら見下ろした。
「――アーク! 凄い、飛んでるよ!」
ぎゅうっとアークの首に抱きつきながら、眼下に広がる街並みを見下ろして、スノウは歓声を上げた。
アークの背には竜の翼。普段は仕舞っているけれど、自由自在に出し入れできるらしい。遠くへの移動には、その翼を使って空を飛ぶんだとか。
そういえば、スノウはアークの竜姿を見たことがない。翼が白いから、身体も白いのだろうか。
「飛ぶことでそんなに喜ぶとは思わなかったな」
「なんで? 楽しいよ! 僕一人じゃ飛べないもの!」
「怖くはないか?」
「アークが抱っこしてくれてるのに、怖いはずないよね?」
アークはおかしなことを聞く。首を傾げるスノウを、アークが愛しげに見下ろした。
「……そうだな。俺が何者からもスノウを守るから」
「守られるだけは嫌だけどね! 今日は、僕がアークに食べさせる肉を狩るから!」
「ははっ……楽しみにしてるぞ」
意気込むスノウに、アークが軽やかに笑う。
真剣に受け取られていない気がして、スノウはプクッと頬を膨らませた。今日のためにたくさん狩りの練習をしたのだ。上手に狩りをしているところを見せて、一人前になったのだと認めさせたい。
(あれ? もしかして、竜族には狩りができたら一人前って意識がないのかな?)
ふと気づいてしまった事実に首を傾げる。獣人ならば当たり前の認識だと思っていたけれど、アークには通用しないのかもしれない。
それならば、狩りをねだるスノウに、アークが渋って見せた理由が分かる。アークにとって、狩りはただ危ない行為ということだ。食料を安全に得られているならば、わざわざする必要はないと考えている可能性がある。
「……まあ、いっか。こうして狩りに出れてるんだもの」
「よく分からないが、もうすぐ草原に降りるぞ」
「草原?」
ハッと気づいたときには、既に眼下の光景は一新されていた。レンガ造りの街並みは遥か遠くに小さく見え、代わりに淡い緑の大地が広がっている。
所々に人影は見えるものの、それよりも魔物の気配の方が多い。
「……たくさん、いる……?」
俄に怖じ気づいてしまった。やる気いっぱいだったとはいえ、スノウが人里を離れて魔物がたくさんいる場所に来たのは初めてだ。こちらに襲いかかってくる様子はなさそうだけれど、敵意が向いているのは分かる。
強張った身体を柔らかく抱き締められた。いつの間にかアークの服をきつく握っていたのに気づいて、そっと力を抜く。怖がっていると思われるのは嫌だ。狩りを中止されてしまうかもしれない。
「帰るか?」
「まだ帰らないよ! 美味しいの狩らないとね!」
顔を窺ってくるアークに、にこりと笑みを返す。折角許してもらった狩りの機会。獲物もなく帰るなんて、楽しみに待っているルイスたちにがっかりされてしまうだろう。それに、スノウ自身が、そんな情けないことをしたくなかった。
「……そうか。では、あそこに降りるぞ」
アークが指したのは、草原の中で少し小高い丘になっているところだった。見晴らしが良くて、狩りには最適そう。
スノウが頷いたのを見て、アークが翼を羽ばたかせる。ぐんぐんと草原が近づいてきた。
草原に降りて半時。スノウは周囲を見渡して、こてんと首を傾けた。
「……アーク、魔物がいないよ」
「あー……そうだな。……俺がいるからな」
空から見たときはたくさんの魔物の気配があったのに、今はこの一帯が空白地帯になったかのように魔物がいない。スノウの奮い立たせた勇気が無駄になった気がする。
「アークがいるから?」
「竜族の気配は強いから……弱い魔物は一目散で逃げる」
「えー、じゃあ、狩りできないよ……」
困ってしまった。アークと離れれば魔物は見つかるのだろう。でも、アークがそれを簡単に許してくれるとは思えない。
腕を組んで考え込んで、ふと思いついた。
「アークは空で待機。僕は地上を行くから」
「却下」
「このままじゃ狩りできないもの。わがままはダメだよ」
「わ、わがまま……?」
何故かショックを受けたように固まるアークを見据える。
「もともと、一人前だって証明するための狩りだもの。アークは空から見守ってて。……危なくなったら、助けてくれるでしょ?」
「それはそうだが……」
渋い顔をするアークの胸元に抱きつく。出会った頃を思うと、随分と背が伸びた。それでもアークに頭を下げてもらわないと、キスもできない。
……そろそろ成長期も終わる。悔しいけれどこれがスノウの成長の限界だ。
「アーク――」
首に腕を回してクイッと引く。不思議そうに身を屈めたアークの頬にキス。
「――僕がアークのためにがんばるところ、ちゃんと見てて。僕の成長を知ってほしいの。……ね、いいでしょ?」
「グッ……」
息を飲んだアークは複雑な表情だった。奥歯を噛みしめ、何かを我慢しているようにも見える。
「アーク」
「……はあぁぁ……分かった。危なそうだったら、すぐに回収するからな」
「分かった! 僕がんばるね!」
苦虫を噛み潰したような顔であっても、許可が出たならそれで良いのだ。
満面の笑みを浮かべるスノウの顔を、アークがため息をつきながら見下ろした。
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