100 / 203
後輩編
成果
しおりを挟む
―――暫くの間、攻防が続く。攻撃が当たらないことにイライラしていた小鬼が
力任せに木槌を振り下ろすと、それを避けた晴樹が言った。
「清水さん、今」
その瞬間、ガコッと言う音がして小鬼が倒れる。小鬼の後ろの空間がぐにゃりと
歪むと、そこから清水さんが現れた。
「それ、殺って良いよ」
晴樹の言葉に清水さんは頷くと、倒れた小鬼の頭に勢い良くヌンチャクを振り
下ろす。小鬼は痙攣して動かなくなったが、清水さんは首を傾げた。
「うーん、倒しきれてないような・・・」
清水さんはそう言いながら小鬼から目を離さないように数歩下がると、ここに
来る道中に拾っていた木の枝を数本手に取る。
木の枝は形を変え一本の木製の槍になり、清水さんはそれを小鬼の胸に突き
刺した。
その瞬間小鬼は塵となって消え、清水さんは嬉しそうに晴樹を見る。
「やった、倒せた!」
そう言って笑う清水さんに晴樹は近付き、拳を突き出す。清水さんはキョトンと
した後、ハッとした表情で拳を突き合わせた。
清水さんがニッコリと笑うと、晴樹は言った。
「・・・ありがとう」
清水さんは顔を輝かせ、こちらこそ!と言う。ニコニコと笑う彼女に、晴樹が少し
笑った気がした。
―――学園に戻り、晴樹達と共に先生に報告する。
やはり中妖怪二体を3年生二人だけで倒す事例は殆どないらしく、周りの先生だけで
なく報告待ちをしていた他の生徒も驚いていた。
解散しようかとなった時、誠がはい!と手を挙げて言った。
「ボク、皆とご飯行きたい!!」
「そういや俺達のときも、先輩に焼き肉連れて行ってもらったな」
和正がそう言って頷くと、私も行きたいと彩音が手を挙げた。
「先輩、私しゃぶしゃぶが食べたいです!」
清水さんがそう言って手を挙げたので、僕は晴樹に聞いた。
「晴樹はどうする?」
晴樹は少し悩んだ後、小さく手を挙げて言った。
「行く。・・・僕も、しゃぶしゃぶ食べたい」
「よし、じゃあ決まりだな!皆準備ができたら、寮の前に集合な」
和正の言葉に、皆が頷いた。
その後寮の前に再集合した僕達は、しゃぶしゃぶを食べに和正が調べた店へ行く。
満腹になるまでしゃぶしゃぶを堪能した僕達は、皆でわいわいと駄弁りながら寮へ
戻るのだった。
力任せに木槌を振り下ろすと、それを避けた晴樹が言った。
「清水さん、今」
その瞬間、ガコッと言う音がして小鬼が倒れる。小鬼の後ろの空間がぐにゃりと
歪むと、そこから清水さんが現れた。
「それ、殺って良いよ」
晴樹の言葉に清水さんは頷くと、倒れた小鬼の頭に勢い良くヌンチャクを振り
下ろす。小鬼は痙攣して動かなくなったが、清水さんは首を傾げた。
「うーん、倒しきれてないような・・・」
清水さんはそう言いながら小鬼から目を離さないように数歩下がると、ここに
来る道中に拾っていた木の枝を数本手に取る。
木の枝は形を変え一本の木製の槍になり、清水さんはそれを小鬼の胸に突き
刺した。
その瞬間小鬼は塵となって消え、清水さんは嬉しそうに晴樹を見る。
「やった、倒せた!」
そう言って笑う清水さんに晴樹は近付き、拳を突き出す。清水さんはキョトンと
した後、ハッとした表情で拳を突き合わせた。
清水さんがニッコリと笑うと、晴樹は言った。
「・・・ありがとう」
清水さんは顔を輝かせ、こちらこそ!と言う。ニコニコと笑う彼女に、晴樹が少し
笑った気がした。
―――学園に戻り、晴樹達と共に先生に報告する。
やはり中妖怪二体を3年生二人だけで倒す事例は殆どないらしく、周りの先生だけで
なく報告待ちをしていた他の生徒も驚いていた。
解散しようかとなった時、誠がはい!と手を挙げて言った。
「ボク、皆とご飯行きたい!!」
「そういや俺達のときも、先輩に焼き肉連れて行ってもらったな」
和正がそう言って頷くと、私も行きたいと彩音が手を挙げた。
「先輩、私しゃぶしゃぶが食べたいです!」
清水さんがそう言って手を挙げたので、僕は晴樹に聞いた。
「晴樹はどうする?」
晴樹は少し悩んだ後、小さく手を挙げて言った。
「行く。・・・僕も、しゃぶしゃぶ食べたい」
「よし、じゃあ決まりだな!皆準備ができたら、寮の前に集合な」
和正の言葉に、皆が頷いた。
その後寮の前に再集合した僕達は、しゃぶしゃぶを食べに和正が調べた店へ行く。
満腹になるまでしゃぶしゃぶを堪能した僕達は、皆でわいわいと駄弁りながら寮へ
戻るのだった。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
異世界と現代兵器 ~いや、素人にはちょっと~
霞草
ファンタジー
【主人公】徳原兼次(とくはらかねつぐ)
来週が誕生日の28歳だが交通事故で死亡。
異世界に前世の記憶を持ったまま生まれ変わった。
オーバースペックの現代兵器&スキルを使って異世界を生き抜く。
ただこの主人公、現代兵器に関して全くの素人。一般的な知識しかなく、有効な使い方や戦術などは持ち合わせていない。超一般人のオタク度0%である。
ちょっとした魔法、可愛い亜人、美味しい魔物の世界の物語。
★☆★☆
初めての小説です。
スペシャリストだったり博識だったり超マニア(ミリオタ・アニオタ)だったりしないゴクゴク一般的な人、つまりフツーの人が転生(生まれ変わり)したら?という話です。
お付き合い下さいましたら幸いです。
表現など修正する場合があります。
予めご了承ください。
【更新ペース】
2日に一度のペースで更新する予定です。
※訂正→現在、週1回の更新となっています。
収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい
三園 七詩
ファンタジー
旧題:収容所生まれの転生幼女は囚人達に溺愛されてますので幸せです
無実の罪で幽閉されたメアリーから生まれた子供は不幸な生い立ちにも関わらず囚人達に溺愛されて幸せに過ごしていた…そんなある時ふとした拍子に前世の記憶を思い出す!
無実の罪で不幸な最後を迎えた母の為!優しくしてくれた囚人達の為に自分頑張ります!
異世界でスローライフを満喫
美鈴
ファンタジー
ホットランキング一位本当にありがとうございます!
【※毎日18時更新中】
タイトル通り異世界に行った主人公が異世界でスローライフを満喫…。出来たらいいなというお話です!
※カクヨム様にも投稿しております
※イラストはAIアートイラストを使用
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
麗紗ちゃんは最狂メンヘラ
吉野かぼす
ファンタジー
現代から少し先の未来。
『特色者』という異能力者が忽然と現れていた。
その中の一人、平均的な能力の特色者である女子高生弥栄琥珀は、ある日同じ高校の女の後輩、桜月麗紗をその能力で助ける。
すると琥珀はなぜか麗紗に性別の壁を超えて惚れられた。そこまでは良かった。
……が、大問題があった!
なんと麗紗はとんでもないメンヘラであった上、反則的に強力な能力を隠し持っていたのである!
一方的に愛され、出会って一週間も経たずに監禁されてしまう琥珀。
絶望的な状況の中で、琥珀はどう動くのか……!
この小説は小説になろうにも投稿しています。
万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?
Gai
ファンタジー
鉄柱が頭にぶつかって死んでしまった少年は神様からもう異世界へ転生させて貰う。
貴族の四男として生まれ変わった少年、ライルは属性魔法の適性が全くなかった。
貴族として生まれた子にとっては珍しいケースであり、ラガスは周りから憐みの目で見られる事が多かった。
ただ、ライルには属性魔法なんて比べものにならない魔法を持っていた。
「はぁーー・・・・・・属性魔法を持っている、それってそんなに凄い事なのか?」
基本気だるげなライルは基本目立ちたくはないが、売られた値段は良い値で買う男。
さてさて、プライドをへし折られる犠牲者はどれだけ出るのか・・・・・・
タイトルに書いてあるパートナーは序盤にはあまり出てきません。
元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
聖魔の乙女は運命を転がす~落ちこぼれ回復士の私が救世主になって魔王に愛される理由~
つかさ
ファンタジー
レトロゲーム好きの高堂永久(たかどう とわ)が召喚された異世界は人間と魔族が憎みあい、争う世界だった。しかも召喚されたのは彼女以外に3人もいて、勇者として期待されたものの、彼女だけは最低ランクの回復魔法しか使えなかった。他の召喚者たちからは「落ちこぼれ」扱いされ、落ち込む毎日だったけど、あることをきっかけに彼女は、世界で唯一人の魔族の回復士だったことがわかる。
それがバレて人間側からは異端者扱いされ追われる羽目になってしまうが、魔王やイケメン魔族たちに救われる。デレの魔王に迫られ、天然ボケの騎士らに囲まれて、ついにはドラゴンまで使役することになって、彼女は魔族の救世主に祭り上げられていく。やがて彼女は秘められた『聖魔』の力を発揮し、運命さえも動かしていく…。
一部残酷な表現があるのでR15とさせていただきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる