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後輩編
絞蛇
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―――先生に渡されたファイルを見ながら、僕達は森の中を歩く。
そういえば初めての実践授業の日も森だったな・・・なんて思いながら歩いて
いると、ふと清水さんが立ち止まった。
「どうかしました?」
僕が聞くと、清水さんは近くの木の陰から僕達を見つめる小妖怪を指さして
言った。
「えっと、この妖は退治しなくて良いんですか?」
僕達は顔を見合わせると、小妖怪に目線を移した。
「君、この森の子?」
晴樹が尋ねると、小妖怪は怯えた顔をしながらもコクコクと頷く。
「ここでこんな感じの妖見かけなかったか?」
和正がそう言ってファイルを見せると、小妖怪は頷いて森の奥を指さす。
「あっちね、行きましょう」
彩音がそう言って小妖怪の指さした方へ歩き出す。
「ありがとね~」
誠が手を振ると、小妖怪は驚いた顔をしながらも手を振り返した。
「え、え??」
困惑した顔で清水さんが僕達を見る。
「妖は悪い事をする、だから退治される。授業でそう習いますよね。・・・でも、
妖が皆悪い事をする訳じゃないんです。妖にだって、さっきみたいな親切な奴も
いるんですよ」
歩きながら僕がそう言うと、清水さんはそうなんですか・・・と呟いた。
「・・・人間と同じ。良い奴も、悪い奴もいる。・・・人間も妖も皆がそれを理解
していれば、もっと平和に暮らせるのにね」
晴樹がボソリと言う。その言葉に、清水さんだけでなく僕達も頷いた。
・・・ただまあ、そんなに簡単にいかないのがこの世界。向こうが敵意を向けて
くるなら、僕達も戦わなければいけない。人間の敵意によって妖が敵意を向けて
いたとしても、僕達は自分を守るために殺さなければいけない。
難しいよな、なんて思いながら僕は歩を進めた。
―――森の奥深くに、目当ての妖は居た。今回の討伐対象は絞蛇という大蛇の妖だ。
先生曰く、今回の討伐対象の中では一番強いらしい。
「ねえ和正、あの蛇よね?・・・ファイルに書いてあった情報よりも大きくない?」
彩音がそう言って和正を見ると、和正は去年もそんな感じだったよなと苦笑いを
浮かべた。
「帰ったら先生に文句言わなきゃ」
誠がそう言いながら手にメリケンサックをはめる。僕も夜月を抜くと、晴樹と
清水さんに目配せをした。
二人は頷くと、晴樹は銃に弾を装填し、清水さんは背負っていた袋からヌンチャク
を取り出す。
「清水さんの武器がヌンチャクって、何か意外だよな。俺てっきり援護系の武器に
なると思ってた」
和正がそう言って銃を構える。清水さんはコクコクと頷いて言った。
「私もそう思っていたんですけどね。・・・まあ、体操は得意なので何とかなる
かなと」
「無理だと思ったらすぐに引いてくださいね。一応誠の治癒術で怪我は治せますが、
限度があるので」
「分かりました」
清水さんは頷くと、誠と共に前へ出る。僕達が戦う気だと分かったのか、背を向け
ていた絞蛇はシュルシュルと音を立てながら僕達の方を向いた。
「和正は威力上げて撃ち続けろ。晴樹は能力で和正と彩音を隠しつつ射撃、彩音は
弓で援護な」
僕は三人が頷いたのを確認すると、誠の隣に立つ。
「久々に静くんと前線で戦えるから、ボク楽しみだよ」
誠がそう言って僕を見る。清水さんもワクワクした表情で僕を見ていた。
「シャーッ」
絞蛇が威嚇の声を上げる。来るぞと身構えると、絞蛇は僕達を丸呑みにしようと
大きく口を開けて突っ込んで来た。
僕達はそれを避け、攻撃を仕掛ける。しかし硬い鱗に阻まれてしまい、刃が通ら
ない。和正と晴樹が撃った弾も彩音の放った矢も、同様に鱗に阻まれ、大した
ダメージも与えられていないように見える。
「先輩どうしましょう、打撃があんまり効いてなさそうです」
清水さんがそう言うと、誠も頷いて言った。
「何かね、筋肉凄くて骨まで届いてない感じがするんだ。簡単には無理そう」
「こっちも、鱗が硬くて刃が通らない。腹側ならどうにか裂けるか・・・?」
僕がそう言うと、後ろから和正の声がする。
「じゃあこっちで気を逸らすから、その隙にやってみろよ」
「分かった」
僕が頷くと同時に、銃の音が三発聞こえる。弾は全て絞蛇の顔に当たり、絞蛇は
威嚇するためか鎌首をもたげた。
すかさず僕は絞蛇に詰め寄り、夜月を振り上げる。確かな手応えの後、絞蛇の喉が
裂けて凄い量の血が噴き出した。
「うわっ」
全身に血を浴びた僕は、わずかな違和感を覚える。何だろうと思っていると、突然
目の前がぐにゃりと歪んだ。こみ上げてきた吐き気を必死に抑えようと、僕は息を
荒くする。意識がいつ飛んでもおかしくないというような状態の中、気付いた。
「・・・こいつの血、毒だ」
僕はそう呟くと、立っていることができず膝を突く。誠が慌てて駆け寄り、僕に
手を当てて小さな声で何かを呟く。きっと治癒術なのだろう、多少楽になった僕は
ふらふらと立ち上がり、誠にお礼を言った。
「ファイルにはそんなこと書いてなかったじゃない・・・。どうなってるのよ、
もう・・・!」
彩音の怒気を含んだ声が聞こえる。
「ねえ静くん、どうする?こいつは斬らなきゃ倒せなさそうだけど、弱らせる方法
とか思い付かない・・・?」
誠にそう聞かれ、絞蛇の攻撃を何とか躱しながら僕は考える。
柔らかい部分に弾を撃ち込む?いや、それだと返り血で他の人に危険が及ぶ可能性
がある。・・・なら、傷を付けずに弱らせるしかない。でも、どうやって?
中々良い案が思い付かず悩んでいると、和正の呟く声がした。
「・・・そういや、毒を以て毒を制すみたいな言葉あったよな。毒持ってないけど」
「それだ!」
晴樹が珍しく大きな声で言う。驚いて声のした方を見ると、空間がぐにゃりと
歪み、晴樹達が姿を見せた。
「え、晴樹?」
何で能力解いたんだと思いながら晴樹を見ると、晴樹は皆を見て言った。
「ねえ、この中で絵描ける人居る?」
「絵なら得意な方だぞ」
和正が手を挙げると、晴樹は鞄からメモ帳と万年筆を取り出して和正に渡し
言った。
「僕が今から言う特徴の草、描いて」
晴樹が和正に草の特徴を伝える。絞蛇の攻撃を避けつつ、無茶振りじゃないか?と
和正を見ると、和正はスラスラとメモ帳に書き込んでいた。
少しして、これで良いか?と和正の声が聞こえる。見ると、晴樹はメモ帳を見て
完璧と頷き、それを彩音に見せていた。
「静也、清水さん、ちょっと耐えててもらえる?この草探してくるわ。誠も
手伝って!」
「え、あ、うん!」
彩音の言葉に誠は心配そうな顔で僕達を見ながらも頷く。
僕と清水さんを残し、皆は走り出す。皆の姿が見えなくなった後、清水さんが
言った。
「・・・神宮先輩は、何で私を残したんでしょう?」
「・・・彩音の事ですから、おそらく僕に賭けたんでしょう」
「え?」
不思議そうな顔で僕を見る清水さんに、僕は微笑むと言った。
「彩音によく言われるんです、『人の能力の使わせ方が面白い』って」
絞蛇は攻撃方法を変えたのか、胴で僕達を絡め取ろうとする。それを避けつつ、
僕は清水さんに聞いた。
「清水さんの能力、木の加工でしたよね?」
「はい、そんな感じです」
「じゃあ、あそこに倒れている木から盾って作れますか?」
そう言って僕が倒木を指さすと、清水さんは頷いて言った。
「作れます!」
清水さんは倒木に駆け寄ると、木に触れる。するとみるみる変形し、RPGでよく
見るような大きな盾の形になった。
「これで良いですか?」
盾を持って戻って来た清水さんに僕は頷くと、絞蛇の口を指さす。
「普通の毒蛇と同じなら、上の牙から毒が出ます。きっと晴樹が毒草を放り込む
でしょうし、今のうちに斬ってしまいましょう」
「えっ、それじゃあまた血で・・・」
「大丈夫です、この盾を使うので」
僕がそう言うと、清水さんは納得したように頷いた。
「なるほど、それで血を防ぐんですね」
「そういう事です。・・・ただまあ僕一人だとちょっと難しいので、手伝って貰う
ことになりますけど」
「何をすれば良いですか?」
「この鞘で、絞蛇の口が閉じないようにしてください」
そう言って僕は夜月の鞘を清水さんに渡す。清水さんは少し緊張した表情で頷くと
言った。
「分かりました。・・・気を付けてくださいね」
そういえば初めての実践授業の日も森だったな・・・なんて思いながら歩いて
いると、ふと清水さんが立ち止まった。
「どうかしました?」
僕が聞くと、清水さんは近くの木の陰から僕達を見つめる小妖怪を指さして
言った。
「えっと、この妖は退治しなくて良いんですか?」
僕達は顔を見合わせると、小妖怪に目線を移した。
「君、この森の子?」
晴樹が尋ねると、小妖怪は怯えた顔をしながらもコクコクと頷く。
「ここでこんな感じの妖見かけなかったか?」
和正がそう言ってファイルを見せると、小妖怪は頷いて森の奥を指さす。
「あっちね、行きましょう」
彩音がそう言って小妖怪の指さした方へ歩き出す。
「ありがとね~」
誠が手を振ると、小妖怪は驚いた顔をしながらも手を振り返した。
「え、え??」
困惑した顔で清水さんが僕達を見る。
「妖は悪い事をする、だから退治される。授業でそう習いますよね。・・・でも、
妖が皆悪い事をする訳じゃないんです。妖にだって、さっきみたいな親切な奴も
いるんですよ」
歩きながら僕がそう言うと、清水さんはそうなんですか・・・と呟いた。
「・・・人間と同じ。良い奴も、悪い奴もいる。・・・人間も妖も皆がそれを理解
していれば、もっと平和に暮らせるのにね」
晴樹がボソリと言う。その言葉に、清水さんだけでなく僕達も頷いた。
・・・ただまあ、そんなに簡単にいかないのがこの世界。向こうが敵意を向けて
くるなら、僕達も戦わなければいけない。人間の敵意によって妖が敵意を向けて
いたとしても、僕達は自分を守るために殺さなければいけない。
難しいよな、なんて思いながら僕は歩を進めた。
―――森の奥深くに、目当ての妖は居た。今回の討伐対象は絞蛇という大蛇の妖だ。
先生曰く、今回の討伐対象の中では一番強いらしい。
「ねえ和正、あの蛇よね?・・・ファイルに書いてあった情報よりも大きくない?」
彩音がそう言って和正を見ると、和正は去年もそんな感じだったよなと苦笑いを
浮かべた。
「帰ったら先生に文句言わなきゃ」
誠がそう言いながら手にメリケンサックをはめる。僕も夜月を抜くと、晴樹と
清水さんに目配せをした。
二人は頷くと、晴樹は銃に弾を装填し、清水さんは背負っていた袋からヌンチャク
を取り出す。
「清水さんの武器がヌンチャクって、何か意外だよな。俺てっきり援護系の武器に
なると思ってた」
和正がそう言って銃を構える。清水さんはコクコクと頷いて言った。
「私もそう思っていたんですけどね。・・・まあ、体操は得意なので何とかなる
かなと」
「無理だと思ったらすぐに引いてくださいね。一応誠の治癒術で怪我は治せますが、
限度があるので」
「分かりました」
清水さんは頷くと、誠と共に前へ出る。僕達が戦う気だと分かったのか、背を向け
ていた絞蛇はシュルシュルと音を立てながら僕達の方を向いた。
「和正は威力上げて撃ち続けろ。晴樹は能力で和正と彩音を隠しつつ射撃、彩音は
弓で援護な」
僕は三人が頷いたのを確認すると、誠の隣に立つ。
「久々に静くんと前線で戦えるから、ボク楽しみだよ」
誠がそう言って僕を見る。清水さんもワクワクした表情で僕を見ていた。
「シャーッ」
絞蛇が威嚇の声を上げる。来るぞと身構えると、絞蛇は僕達を丸呑みにしようと
大きく口を開けて突っ込んで来た。
僕達はそれを避け、攻撃を仕掛ける。しかし硬い鱗に阻まれてしまい、刃が通ら
ない。和正と晴樹が撃った弾も彩音の放った矢も、同様に鱗に阻まれ、大した
ダメージも与えられていないように見える。
「先輩どうしましょう、打撃があんまり効いてなさそうです」
清水さんがそう言うと、誠も頷いて言った。
「何かね、筋肉凄くて骨まで届いてない感じがするんだ。簡単には無理そう」
「こっちも、鱗が硬くて刃が通らない。腹側ならどうにか裂けるか・・・?」
僕がそう言うと、後ろから和正の声がする。
「じゃあこっちで気を逸らすから、その隙にやってみろよ」
「分かった」
僕が頷くと同時に、銃の音が三発聞こえる。弾は全て絞蛇の顔に当たり、絞蛇は
威嚇するためか鎌首をもたげた。
すかさず僕は絞蛇に詰め寄り、夜月を振り上げる。確かな手応えの後、絞蛇の喉が
裂けて凄い量の血が噴き出した。
「うわっ」
全身に血を浴びた僕は、わずかな違和感を覚える。何だろうと思っていると、突然
目の前がぐにゃりと歪んだ。こみ上げてきた吐き気を必死に抑えようと、僕は息を
荒くする。意識がいつ飛んでもおかしくないというような状態の中、気付いた。
「・・・こいつの血、毒だ」
僕はそう呟くと、立っていることができず膝を突く。誠が慌てて駆け寄り、僕に
手を当てて小さな声で何かを呟く。きっと治癒術なのだろう、多少楽になった僕は
ふらふらと立ち上がり、誠にお礼を言った。
「ファイルにはそんなこと書いてなかったじゃない・・・。どうなってるのよ、
もう・・・!」
彩音の怒気を含んだ声が聞こえる。
「ねえ静くん、どうする?こいつは斬らなきゃ倒せなさそうだけど、弱らせる方法
とか思い付かない・・・?」
誠にそう聞かれ、絞蛇の攻撃を何とか躱しながら僕は考える。
柔らかい部分に弾を撃ち込む?いや、それだと返り血で他の人に危険が及ぶ可能性
がある。・・・なら、傷を付けずに弱らせるしかない。でも、どうやって?
中々良い案が思い付かず悩んでいると、和正の呟く声がした。
「・・・そういや、毒を以て毒を制すみたいな言葉あったよな。毒持ってないけど」
「それだ!」
晴樹が珍しく大きな声で言う。驚いて声のした方を見ると、空間がぐにゃりと
歪み、晴樹達が姿を見せた。
「え、晴樹?」
何で能力解いたんだと思いながら晴樹を見ると、晴樹は皆を見て言った。
「ねえ、この中で絵描ける人居る?」
「絵なら得意な方だぞ」
和正が手を挙げると、晴樹は鞄からメモ帳と万年筆を取り出して和正に渡し
言った。
「僕が今から言う特徴の草、描いて」
晴樹が和正に草の特徴を伝える。絞蛇の攻撃を避けつつ、無茶振りじゃないか?と
和正を見ると、和正はスラスラとメモ帳に書き込んでいた。
少しして、これで良いか?と和正の声が聞こえる。見ると、晴樹はメモ帳を見て
完璧と頷き、それを彩音に見せていた。
「静也、清水さん、ちょっと耐えててもらえる?この草探してくるわ。誠も
手伝って!」
「え、あ、うん!」
彩音の言葉に誠は心配そうな顔で僕達を見ながらも頷く。
僕と清水さんを残し、皆は走り出す。皆の姿が見えなくなった後、清水さんが
言った。
「・・・神宮先輩は、何で私を残したんでしょう?」
「・・・彩音の事ですから、おそらく僕に賭けたんでしょう」
「え?」
不思議そうな顔で僕を見る清水さんに、僕は微笑むと言った。
「彩音によく言われるんです、『人の能力の使わせ方が面白い』って」
絞蛇は攻撃方法を変えたのか、胴で僕達を絡め取ろうとする。それを避けつつ、
僕は清水さんに聞いた。
「清水さんの能力、木の加工でしたよね?」
「はい、そんな感じです」
「じゃあ、あそこに倒れている木から盾って作れますか?」
そう言って僕が倒木を指さすと、清水さんは頷いて言った。
「作れます!」
清水さんは倒木に駆け寄ると、木に触れる。するとみるみる変形し、RPGでよく
見るような大きな盾の形になった。
「これで良いですか?」
盾を持って戻って来た清水さんに僕は頷くと、絞蛇の口を指さす。
「普通の毒蛇と同じなら、上の牙から毒が出ます。きっと晴樹が毒草を放り込む
でしょうし、今のうちに斬ってしまいましょう」
「えっ、それじゃあまた血で・・・」
「大丈夫です、この盾を使うので」
僕がそう言うと、清水さんは納得したように頷いた。
「なるほど、それで血を防ぐんですね」
「そういう事です。・・・ただまあ僕一人だとちょっと難しいので、手伝って貰う
ことになりますけど」
「何をすれば良いですか?」
「この鞘で、絞蛇の口が閉じないようにしてください」
そう言って僕は夜月の鞘を清水さんに渡す。清水さんは少し緊張した表情で頷くと
言った。
「分かりました。・・・気を付けてくださいね」
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