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聖夜祭編
助言
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―――夏休みも終わり、9月。晴樹は実力こそ僕達と同じ4年生レベルだったが、
精神面の事もあり3年で一度様子を見ることになった。
寮の部屋については一人で住んでいた和正の部屋に晴樹も住むことになり、珍しく
駄々を捏ねた晴樹をなんとか説得した。
ある日の朝いつも通り食堂に行くと、不機嫌そうな晴樹に苦笑しながら話し掛ける
和正が居た。
「二人共おはよ~」
「おはよう。・・・何かあったのか?」
誠と僕が話し掛けると、和正が言った。
「おはよう誠、静也。・・・晴樹がさ、今日初めての合同授業らしくて。何を
するのか聞かれたから教えたは良いんだけど、どうも共闘したくないみたい
でさ・・・」
「・・・手を抜くのは嫌だけど、代表戦はやりたくない」
晴樹が朝食を食べながら小さな声で言う。
代表決めのゲーム内容的に晴樹は絶対選ばれるだろうし、手を抜きたくないなら
尚更避けることはできないだろう。
「晴くん、すっごく分かる!ボクも共闘とか和くん達以外としたくないもん!!」
誠がそう言ってうんうんと頷く。誠の場合は、大半の合同授業で手を抜いて
代表戦をサボっているじゃないか。
「武器が使えれば、遠くから撃って一人で完封なんて事もできるんだけどな・・・。
武器の使用禁止なんだよな、代表戦って」
和正がそう言うと、晴樹は僕を見て言った。
「・・・静兄は、どうしてたの?」
「僕は、誠と戦う時以外は補助に回ってる。幻霧なんて人に使ったら大事になるし、
他にできるのは全部回避系だし」
「誠くんと戦う時は?」
「そういう時はボクが静くん以外全滅させてる時だから、ルールを決めて安全に
時間いっぱいまで戦ってるよ!」
僕の代わりに誠が答えると、晴樹はそうなんだと頷く。
「え、ルール決めてやってたの俺初めて知ったんだけど」
和正がそう言って驚いた顔で僕と誠を見る。
「・・・まあ、一回誠に殺されかけたからな。流石に毎回あんなことになっても
困るし、一応ルールは決めた」
「いやあ、あれは本当にごめんね静くん・・・」
晴樹が驚いた顔で僕と誠を交互に見る。授業で殺されかけたなんて知ったら、
そりゃ驚くよな。
「まあ、あれだ。我慢して補助に回るか、能力使って奇襲とかすれば良いんじゃ
ないか?」
僕がそう言うと、晴樹はそれだと呟く。
「そうだよ、奇襲すれば共闘なんてしなくても勝てるじゃん。静兄、流石」
晴樹はそう言ってご飯をかきこむ。凄いスピードで朝食を食べ終わった晴樹は、
ごちそうさまでしたと言って食器を返しに行った。
後に残された僕達は、のんびりと朝食を食べる。
「・・・ボクが言うのもあれだけど、晴くん見てると心配になってくるよ」
「問題起こさないと良いんだけどな・・・」
「静也、何かあったら俺も一緒に謝りに行くよ・・・」
「は、はは・・・」
頼むから、呼び出しだけは勘弁してくれ。そんな事を思いながら、僕はご飯を口に
運んだ。
精神面の事もあり3年で一度様子を見ることになった。
寮の部屋については一人で住んでいた和正の部屋に晴樹も住むことになり、珍しく
駄々を捏ねた晴樹をなんとか説得した。
ある日の朝いつも通り食堂に行くと、不機嫌そうな晴樹に苦笑しながら話し掛ける
和正が居た。
「二人共おはよ~」
「おはよう。・・・何かあったのか?」
誠と僕が話し掛けると、和正が言った。
「おはよう誠、静也。・・・晴樹がさ、今日初めての合同授業らしくて。何を
するのか聞かれたから教えたは良いんだけど、どうも共闘したくないみたい
でさ・・・」
「・・・手を抜くのは嫌だけど、代表戦はやりたくない」
晴樹が朝食を食べながら小さな声で言う。
代表決めのゲーム内容的に晴樹は絶対選ばれるだろうし、手を抜きたくないなら
尚更避けることはできないだろう。
「晴くん、すっごく分かる!ボクも共闘とか和くん達以外としたくないもん!!」
誠がそう言ってうんうんと頷く。誠の場合は、大半の合同授業で手を抜いて
代表戦をサボっているじゃないか。
「武器が使えれば、遠くから撃って一人で完封なんて事もできるんだけどな・・・。
武器の使用禁止なんだよな、代表戦って」
和正がそう言うと、晴樹は僕を見て言った。
「・・・静兄は、どうしてたの?」
「僕は、誠と戦う時以外は補助に回ってる。幻霧なんて人に使ったら大事になるし、
他にできるのは全部回避系だし」
「誠くんと戦う時は?」
「そういう時はボクが静くん以外全滅させてる時だから、ルールを決めて安全に
時間いっぱいまで戦ってるよ!」
僕の代わりに誠が答えると、晴樹はそうなんだと頷く。
「え、ルール決めてやってたの俺初めて知ったんだけど」
和正がそう言って驚いた顔で僕と誠を見る。
「・・・まあ、一回誠に殺されかけたからな。流石に毎回あんなことになっても
困るし、一応ルールは決めた」
「いやあ、あれは本当にごめんね静くん・・・」
晴樹が驚いた顔で僕と誠を交互に見る。授業で殺されかけたなんて知ったら、
そりゃ驚くよな。
「まあ、あれだ。我慢して補助に回るか、能力使って奇襲とかすれば良いんじゃ
ないか?」
僕がそう言うと、晴樹はそれだと呟く。
「そうだよ、奇襲すれば共闘なんてしなくても勝てるじゃん。静兄、流石」
晴樹はそう言ってご飯をかきこむ。凄いスピードで朝食を食べ終わった晴樹は、
ごちそうさまでしたと言って食器を返しに行った。
後に残された僕達は、のんびりと朝食を食べる。
「・・・ボクが言うのもあれだけど、晴くん見てると心配になってくるよ」
「問題起こさないと良いんだけどな・・・」
「静也、何かあったら俺も一緒に謝りに行くよ・・・」
「は、はは・・・」
頼むから、呼び出しだけは勘弁してくれ。そんな事を思いながら、僕はご飯を口に
運んだ。
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