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帰省編
夕食
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―――時は経ち、夕方。天狗さんに夕食を振舞ってあげるから泊まりなさいと
言われた僕達は、天春に赤芽と小妖怪達を迎えに行かせ、食事作りの手伝いを
していた。
「・・・お主は帰らんのか」
天狗さんが、何もせずゴロゴロとしている狗神に言う。
「明日は朝一で稲荷んとこのに油揚げをたかりに行くんじゃ。一々家に戻るよりも
ここから飛んだ方が早いんじゃい」
「お祖父ちゃん、お母さんにはちゃんと言った?」
誠の言葉に狗神は頭を掻くと、後で言うと小さく呟いた。
「すぐ言いなよ、また怒られちゃうよ?」
「・・・お主、孫に諭されるくらい自堕落なんじゃの」
呆れた顔で天狗さんが言うと、狗神は面倒くさそうに懐に手を突っ込む。そして、
親指ほどの大きさの小さな石を取り出した。
「ワン公、仕事じゃ。朱美さんに、泊まるから飯は要らんと伝えてこい」
狗神がその石に向かって言うと、石から煙が立ち上る。煙はだんだんと形を成し、
狛犬のような姿になった。
「主様、わたくしはワン公という名ではありませぬ。ちゃんと名を呼んでください
ませ」
狛犬が不服そうに狗神に言う。だが狗神は嫌そうな顔をして言った。
「ワン公はワン公じゃ。良いから早く行ってこい」
「・・・承知しました」
狛犬は不満ありげな表情でそう言うと、煙となって消えていった。
―――煙が完全に消えた後、狗神はボソッと呟く。
「名なぞ呼んだら、人間食い殺すじゃろうが・・・」
「え、どういうことですか?」
思わずそう聞くと、狗神は石を懐に仕舞いながら言った。
「ワン公はの、まだワシが大して力の無いひよっこじゃった頃から仕えている妖なん
じゃ。ワシの力を少し分け与える代わりにワシに名を預け、力をワシの思うがまま
にふるわせる。そういう契約じゃった」
狗神は懐かしそうに目を細めると、話を続ける。
「婆さん・・・誠の祖母じゃな。彼女に出会うまで、ワシは人間が大嫌いじゃった。
それこそ、ワシを信仰していない人間は見境なく殺すくらいにはの。だから、
ワン公は知っておるんじゃ・・・人間の味を」
そう言ってクスリと笑う狗神を見て、背筋が凍る。
狗神も人間の味を知っているのかなんて、怖くて聞けなかった。
「ワシが人間を殺すのをやめてから、一度だけワン公の名を呼んだことがある。
その時、ワン公はワシが指示していないのに目の前にいた人間を食い殺したん
じゃ。肉を食らうワン公の顔は、とても恍惚としておったよ。・・・それから、
ワシはワン公の名を呼ぶのをやめたんじゃ」
分かったかの?と僕を見た狗神は、僕の隣でプルプルと震えている和正と誠に
気付き、苦笑いを浮かべる。
「まあ、神のくせにあそこまで人間を殺めておったのは狗神くらいじゃがの」
天狗さんが野菜を切る手を止めずに言うと、狗神が口を尖らせて言った。
「なんじゃ、天狗こそワシと一緒にノリノリで殺しておったくせに」
驚いて天狗さんの顔を見ると、天狗さんは表情を変えずに言う。
「・・・過去の話じゃ」
「そういえば天狗さんって、どうして人間に友好的になったの?」
誠がそう聞いた瞬間、天狗さんだけでなく狗神までもが凄く嫌そうな顔をする。
不思議に思っていると、天狗さんと狗神は口を揃えて言った。
「山霧のクソガキに殺されかけたからじゃ」
思わず手に持っていた食器を落としそうになる。誠と和正が驚いた顔で僕を見て
きたので、慌てて首を横に振った。
「静也くんじゃないわい。彼の父親のことじゃよ」
天狗さんがそう言うと、狗神が頷いて言った。
「誠には前に話したかの。天狗と悪さをしに行った先で、彼の父親に会っての。
祓い屋まがいの事をしていたあ奴に殺されかけたんじゃ」
「静くんのお父さんって、そんなに強かったの?」
「ああ、強かったよ。わしと狗神を同時に相手していたのに涼しい顔をしておった」
「舐めてかかったワシらも悪かったが、あの強さだとそこら辺の大妖怪なんぞ一瞬で
消されるんじゃないか?」
「大妖怪にも強さがあるんですか?」
そう聞いた和正に、狗神は頷いて言った。
「ワシらは上の下くらいかの?ワシらより弱い大妖怪だっているし、敵わない程に
強い奴だっている。人間が決めた妖の分類なんぞ、一つの指標に過ぎんのじゃよ」
「上の下でもかなり強いと思うんですけど・・・」
「それだけお前さんの父親が強かったという事じゃ。・・・じゃが、あ奴は他の
陰陽師や祓い屋よりは優しかったの」
狗神はそう言って、のう?と天狗さんを見る。
「そうじゃな。言い方はムカついたが、条件付きでわしらの命までは取らんかった」
「条件?」
誠がそう言って首を傾げると、天狗さんは野菜を切る手を止め、僕達を見て
言った。
「あ奴はこう言っておった。『死にたくねえなら、もう二度と人間の命を奪わないと
誓え。それと、俺には従うこと!』とな」
「大妖怪相手に従えという人間なんぞ、後にも先にもあの若造だけじゃ」
そう言って狗神は笑う。父さんが天狗さん達に言った言葉を聞いて、僕の知って
いる父さんのイメージと違い過ぎて思わず笑ってしまった。
父さんはそうやって妖との関係を築いていったのか。そんな事を思いながら、僕は
天狗さんの切った野菜を皿に盛りつけた。
―――天春が赤芽と小妖怪達を連れて戻って来た頃に、丁度食事が出来上がった。
食後に赤芽が手土産として持って来た天檎の実で作ったジュースを皆で飲みながら、
色々な話をする。
「何か癖になるな、このジュース」
和正がそう言いながら空になったコップにジュースを注ぐ。
「天檎の実はこの山と静の家の裏にある山にだけ生えてる木の実でね、山に住んでる
妖達は皆好きなんだ~」
天春がそう言って、ね~?と天狗さんを見る。天狗さんは静かに頷いていた。
「ってことは、静くんもこのジュース昔から飲んでたの?」
「いえ、ジュースは初めて飲みました。実も・・・多分、一回しか食べた事が無い
ですね」
誠の問いにそう答えると、天春と赤芽が少しだけ気まずそうな顔をした。
「そっか、静也が天檎の実食べたの、あの日だけだったわね・・・」
「・・・夢なんて見なきゃ、食べた事すら忘れてましたけどね」
赤芽の言葉にボソッと言う。
初めての合同授業で、誠と戦った後に見た夢。やけに鮮明だったあの日の記憶。
思い出す度に、胸がズキリと痛む。
どうも帰省してから気が弱くなっているようで、些細な事にも反応してしまう自分
がいた。
「天狗、さっきの肉柔らかすぎなかったか?」
少し重くなった空気を変えるように、狗神が言う。
「お主の好みには合わせてないわい。人間にはあのくらいで丁度良いんじゃ」
天狗さんがそう言って僕を見てきたので、頷いておいた。確かに、僕には丁度良い
硬さだった。
「天狗さん、あの肉って何肉だったの?」
誠がそう聞くと、天狗さんは一瞬ニヤリと笑って言った。
「妖・・・と言ったらどうする?」
思わず持っていたコップを落とす。空になっていたので零れることはなかったが、
慌てて拾い上げる。誠と赤芽は口をあんぐりと開け天狗さん を凝視していた。
和正はジュースを飲んでいる途中だったのか盛大にむせており、天春が慌てて
背中を擦っていた。
「・・・天狗、嘘を吐く相手は選んだ方が良いぞ」
呆れた顔で狗神が言うと、天狗さんはすまんのと笑う。
「ごめんね、お父さんたまに洒落にならない冗談言うから・・・」
天春がそう言って申し訳なさそうな顔をした。
「普通の熊肉じゃよ。今日ワシが手土産に持って来たんじゃ」
狗神がそう言って、まだ放心状態の誠の頭を撫でる。ハッと気付いた誠は狗神に
抱き着き、ムスッとした顔で天狗さんを見た。
「熊肉もそんなに食べることないですけどね・・・」
僕がそう言うと、そうなのか?と狗神は首を傾げる。和正がうんうんと強く頷いて
いた。
言われた僕達は、天春に赤芽と小妖怪達を迎えに行かせ、食事作りの手伝いを
していた。
「・・・お主は帰らんのか」
天狗さんが、何もせずゴロゴロとしている狗神に言う。
「明日は朝一で稲荷んとこのに油揚げをたかりに行くんじゃ。一々家に戻るよりも
ここから飛んだ方が早いんじゃい」
「お祖父ちゃん、お母さんにはちゃんと言った?」
誠の言葉に狗神は頭を掻くと、後で言うと小さく呟いた。
「すぐ言いなよ、また怒られちゃうよ?」
「・・・お主、孫に諭されるくらい自堕落なんじゃの」
呆れた顔で天狗さんが言うと、狗神は面倒くさそうに懐に手を突っ込む。そして、
親指ほどの大きさの小さな石を取り出した。
「ワン公、仕事じゃ。朱美さんに、泊まるから飯は要らんと伝えてこい」
狗神がその石に向かって言うと、石から煙が立ち上る。煙はだんだんと形を成し、
狛犬のような姿になった。
「主様、わたくしはワン公という名ではありませぬ。ちゃんと名を呼んでください
ませ」
狛犬が不服そうに狗神に言う。だが狗神は嫌そうな顔をして言った。
「ワン公はワン公じゃ。良いから早く行ってこい」
「・・・承知しました」
狛犬は不満ありげな表情でそう言うと、煙となって消えていった。
―――煙が完全に消えた後、狗神はボソッと呟く。
「名なぞ呼んだら、人間食い殺すじゃろうが・・・」
「え、どういうことですか?」
思わずそう聞くと、狗神は石を懐に仕舞いながら言った。
「ワン公はの、まだワシが大して力の無いひよっこじゃった頃から仕えている妖なん
じゃ。ワシの力を少し分け与える代わりにワシに名を預け、力をワシの思うがまま
にふるわせる。そういう契約じゃった」
狗神は懐かしそうに目を細めると、話を続ける。
「婆さん・・・誠の祖母じゃな。彼女に出会うまで、ワシは人間が大嫌いじゃった。
それこそ、ワシを信仰していない人間は見境なく殺すくらいにはの。だから、
ワン公は知っておるんじゃ・・・人間の味を」
そう言ってクスリと笑う狗神を見て、背筋が凍る。
狗神も人間の味を知っているのかなんて、怖くて聞けなかった。
「ワシが人間を殺すのをやめてから、一度だけワン公の名を呼んだことがある。
その時、ワン公はワシが指示していないのに目の前にいた人間を食い殺したん
じゃ。肉を食らうワン公の顔は、とても恍惚としておったよ。・・・それから、
ワシはワン公の名を呼ぶのをやめたんじゃ」
分かったかの?と僕を見た狗神は、僕の隣でプルプルと震えている和正と誠に
気付き、苦笑いを浮かべる。
「まあ、神のくせにあそこまで人間を殺めておったのは狗神くらいじゃがの」
天狗さんが野菜を切る手を止めずに言うと、狗神が口を尖らせて言った。
「なんじゃ、天狗こそワシと一緒にノリノリで殺しておったくせに」
驚いて天狗さんの顔を見ると、天狗さんは表情を変えずに言う。
「・・・過去の話じゃ」
「そういえば天狗さんって、どうして人間に友好的になったの?」
誠がそう聞いた瞬間、天狗さんだけでなく狗神までもが凄く嫌そうな顔をする。
不思議に思っていると、天狗さんと狗神は口を揃えて言った。
「山霧のクソガキに殺されかけたからじゃ」
思わず手に持っていた食器を落としそうになる。誠と和正が驚いた顔で僕を見て
きたので、慌てて首を横に振った。
「静也くんじゃないわい。彼の父親のことじゃよ」
天狗さんがそう言うと、狗神が頷いて言った。
「誠には前に話したかの。天狗と悪さをしに行った先で、彼の父親に会っての。
祓い屋まがいの事をしていたあ奴に殺されかけたんじゃ」
「静くんのお父さんって、そんなに強かったの?」
「ああ、強かったよ。わしと狗神を同時に相手していたのに涼しい顔をしておった」
「舐めてかかったワシらも悪かったが、あの強さだとそこら辺の大妖怪なんぞ一瞬で
消されるんじゃないか?」
「大妖怪にも強さがあるんですか?」
そう聞いた和正に、狗神は頷いて言った。
「ワシらは上の下くらいかの?ワシらより弱い大妖怪だっているし、敵わない程に
強い奴だっている。人間が決めた妖の分類なんぞ、一つの指標に過ぎんのじゃよ」
「上の下でもかなり強いと思うんですけど・・・」
「それだけお前さんの父親が強かったという事じゃ。・・・じゃが、あ奴は他の
陰陽師や祓い屋よりは優しかったの」
狗神はそう言って、のう?と天狗さんを見る。
「そうじゃな。言い方はムカついたが、条件付きでわしらの命までは取らんかった」
「条件?」
誠がそう言って首を傾げると、天狗さんは野菜を切る手を止め、僕達を見て
言った。
「あ奴はこう言っておった。『死にたくねえなら、もう二度と人間の命を奪わないと
誓え。それと、俺には従うこと!』とな」
「大妖怪相手に従えという人間なんぞ、後にも先にもあの若造だけじゃ」
そう言って狗神は笑う。父さんが天狗さん達に言った言葉を聞いて、僕の知って
いる父さんのイメージと違い過ぎて思わず笑ってしまった。
父さんはそうやって妖との関係を築いていったのか。そんな事を思いながら、僕は
天狗さんの切った野菜を皿に盛りつけた。
―――天春が赤芽と小妖怪達を連れて戻って来た頃に、丁度食事が出来上がった。
食後に赤芽が手土産として持って来た天檎の実で作ったジュースを皆で飲みながら、
色々な話をする。
「何か癖になるな、このジュース」
和正がそう言いながら空になったコップにジュースを注ぐ。
「天檎の実はこの山と静の家の裏にある山にだけ生えてる木の実でね、山に住んでる
妖達は皆好きなんだ~」
天春がそう言って、ね~?と天狗さんを見る。天狗さんは静かに頷いていた。
「ってことは、静くんもこのジュース昔から飲んでたの?」
「いえ、ジュースは初めて飲みました。実も・・・多分、一回しか食べた事が無い
ですね」
誠の問いにそう答えると、天春と赤芽が少しだけ気まずそうな顔をした。
「そっか、静也が天檎の実食べたの、あの日だけだったわね・・・」
「・・・夢なんて見なきゃ、食べた事すら忘れてましたけどね」
赤芽の言葉にボソッと言う。
初めての合同授業で、誠と戦った後に見た夢。やけに鮮明だったあの日の記憶。
思い出す度に、胸がズキリと痛む。
どうも帰省してから気が弱くなっているようで、些細な事にも反応してしまう自分
がいた。
「天狗、さっきの肉柔らかすぎなかったか?」
少し重くなった空気を変えるように、狗神が言う。
「お主の好みには合わせてないわい。人間にはあのくらいで丁度良いんじゃ」
天狗さんがそう言って僕を見てきたので、頷いておいた。確かに、僕には丁度良い
硬さだった。
「天狗さん、あの肉って何肉だったの?」
誠がそう聞くと、天狗さんは一瞬ニヤリと笑って言った。
「妖・・・と言ったらどうする?」
思わず持っていたコップを落とす。空になっていたので零れることはなかったが、
慌てて拾い上げる。誠と赤芽は口をあんぐりと開け天狗さん を凝視していた。
和正はジュースを飲んでいる途中だったのか盛大にむせており、天春が慌てて
背中を擦っていた。
「・・・天狗、嘘を吐く相手は選んだ方が良いぞ」
呆れた顔で狗神が言うと、天狗さんはすまんのと笑う。
「ごめんね、お父さんたまに洒落にならない冗談言うから・・・」
天春がそう言って申し訳なさそうな顔をした。
「普通の熊肉じゃよ。今日ワシが手土産に持って来たんじゃ」
狗神がそう言って、まだ放心状態の誠の頭を撫でる。ハッと気付いた誠は狗神に
抱き着き、ムスッとした顔で天狗さんを見た。
「熊肉もそんなに食べることないですけどね・・・」
僕がそう言うと、そうなのか?と狗神は首を傾げる。和正がうんうんと強く頷いて
いた。
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