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狗神家編
訪問
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―――天春の服に掴まり目を閉じて10秒。かなりの風圧を感じながら浮遊感を
楽しむ。
「はい、到着!」
天春の声に目を開けると、目の前には立派な日本家屋が建っていた。
「凄い速かったね!」
「風圧で潰れるかと思った・・・」
楽しそうな誠と疲労気味の和正を見て笑っている天春にお礼を言う。
「ありがとうございました、天春」
「どういたしまして!・・・静に友達ができてて、安心した」
「僕も、人間の友達ができるなんて思ってもみませんでした」
「・・・ちゃんと、人間にも頼るんだよ?」
「・・・はい、分かってます」
僕がそう言うと、天春はよし!と言って僕の頭を撫でた。恥ずかしいからやめて
くれ。
「じゃあ、僕はそろそろ帰るね!お父さんが待ってるから!」
天春が誠と和正に向けて言う。
「またね~!」
「じゃーな~!」
二人と手を振り合った天春は僕の方を向いて小さな声で言う。
「静、落ち着いたら帰っておいで。僕達、待ってるから」
僕が頷くと、再度頭を撫でる。そして小妖怪達を手招きすると、帰ろうと言った。
「エー、静也ト一緒ニイルー」
「君達、あそこにいたら祓われちゃうよ?それに、静の迷惑になっちゃうでしょ?」
「ウー・・・分カッタ」
駄々を捏ねようとした小妖怪達は天春の言葉に渋々引き下がる。
「ありがとうございます。こいつらのことお願いしますね」
そう僕が言うと、任せといて!と親指を立て、天春は小妖怪達を抱えて飛び
去った。
―――天春の姿が完全に見えなくなると、誠が口を開く。
「・・・よし、行こうか!」
僕と和正は誠に連れられて、玄関へ向かった。
「ようこそ、ボクの家へ!」
「お邪魔します」
家に入ると、奥から女性が出て来た。ぱっと見、人間だろう。
「あらっ、お帰りなさい。帰って来るなら、電話くれればいいのに・・・」
「お母さん、ただいま!いや~、居るか分からなかったから・・・。・・・あっ、
紹介するね!和くんと静くん!僕の友達だよ!」
「こんにちは!」
「誠くんにはお世話になっています」
和正と僕はそう言って頭を下げる。
「お、お友達・・・?誠の??」
「うん!」
誠の母親は、少しの間フリーズしていた。・・・そして、奥に向かって叫ぶ。
「あっ、あなた!大変よ!!ま、誠が!」
すると奥から、男性が出て来た。誠が成長したらこうなるのだろうか?そう思う
くらいには誠に似ている。犬耳は生えていないけど。
「どうしたんだ、朱美?・・・あ、誠じゃないか。お帰り」
「うん、ただいま、お父さん!」
「・・・その子達は?」
首を傾げる誠の父親に、母親が震える声で伝える。
「お友達、ですって」
「ふうん・・・って、ええ?!」
どうした、誠の両親よ。二人して驚かれると困るんだが。
「・・・山霧 静也といいます」
「ひ、日野 和正です」
とりあえず自己紹介して頭を下げると誠の両親もペコリと頭を下げる。
そしてすぐに見つめ合い、コソコソ話を始めた。
「誠に、友達が・・・?」
「あの、誠に・・・?」
「・・・いちゃ、悪い?」
不機嫌そうな誠の声に二人は慌てて言う。
「いえっ、違うのよ?いちゃ悪いとかじゃなくて・・・」
「ただ、驚いただけで・・・」
・・・そういえば、誠の友達って、僕と和正と彩音だけだったか。
そりゃ驚くな。・・・納得。
楽しむ。
「はい、到着!」
天春の声に目を開けると、目の前には立派な日本家屋が建っていた。
「凄い速かったね!」
「風圧で潰れるかと思った・・・」
楽しそうな誠と疲労気味の和正を見て笑っている天春にお礼を言う。
「ありがとうございました、天春」
「どういたしまして!・・・静に友達ができてて、安心した」
「僕も、人間の友達ができるなんて思ってもみませんでした」
「・・・ちゃんと、人間にも頼るんだよ?」
「・・・はい、分かってます」
僕がそう言うと、天春はよし!と言って僕の頭を撫でた。恥ずかしいからやめて
くれ。
「じゃあ、僕はそろそろ帰るね!お父さんが待ってるから!」
天春が誠と和正に向けて言う。
「またね~!」
「じゃーな~!」
二人と手を振り合った天春は僕の方を向いて小さな声で言う。
「静、落ち着いたら帰っておいで。僕達、待ってるから」
僕が頷くと、再度頭を撫でる。そして小妖怪達を手招きすると、帰ろうと言った。
「エー、静也ト一緒ニイルー」
「君達、あそこにいたら祓われちゃうよ?それに、静の迷惑になっちゃうでしょ?」
「ウー・・・分カッタ」
駄々を捏ねようとした小妖怪達は天春の言葉に渋々引き下がる。
「ありがとうございます。こいつらのことお願いしますね」
そう僕が言うと、任せといて!と親指を立て、天春は小妖怪達を抱えて飛び
去った。
―――天春の姿が完全に見えなくなると、誠が口を開く。
「・・・よし、行こうか!」
僕と和正は誠に連れられて、玄関へ向かった。
「ようこそ、ボクの家へ!」
「お邪魔します」
家に入ると、奥から女性が出て来た。ぱっと見、人間だろう。
「あらっ、お帰りなさい。帰って来るなら、電話くれればいいのに・・・」
「お母さん、ただいま!いや~、居るか分からなかったから・・・。・・・あっ、
紹介するね!和くんと静くん!僕の友達だよ!」
「こんにちは!」
「誠くんにはお世話になっています」
和正と僕はそう言って頭を下げる。
「お、お友達・・・?誠の??」
「うん!」
誠の母親は、少しの間フリーズしていた。・・・そして、奥に向かって叫ぶ。
「あっ、あなた!大変よ!!ま、誠が!」
すると奥から、男性が出て来た。誠が成長したらこうなるのだろうか?そう思う
くらいには誠に似ている。犬耳は生えていないけど。
「どうしたんだ、朱美?・・・あ、誠じゃないか。お帰り」
「うん、ただいま、お父さん!」
「・・・その子達は?」
首を傾げる誠の父親に、母親が震える声で伝える。
「お友達、ですって」
「ふうん・・・って、ええ?!」
どうした、誠の両親よ。二人して驚かれると困るんだが。
「・・・山霧 静也といいます」
「ひ、日野 和正です」
とりあえず自己紹介して頭を下げると誠の両親もペコリと頭を下げる。
そしてすぐに見つめ合い、コソコソ話を始めた。
「誠に、友達が・・・?」
「あの、誠に・・・?」
「・・・いちゃ、悪い?」
不機嫌そうな誠の声に二人は慌てて言う。
「いえっ、違うのよ?いちゃ悪いとかじゃなくて・・・」
「ただ、驚いただけで・・・」
・・・そういえば、誠の友達って、僕と和正と彩音だけだったか。
そりゃ驚くな。・・・納得。
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