異能力と妖と

彩茸

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入学編

同室

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―――今日の授業が全て終わり、放課後。部活動は入らなくても良いらしいので、
僕は一人でブラブラしていた。ちなみに和正くんは美術部なのだそうだ。見た目
的には体育会系なんだけどな・・・。人を見た目で判断しちゃいけないな。

この学園には寮があって、生徒の大半はその寮に住んでいる。僕もそのつもりだ。
ルームメイトが一人いるらしいのだが、誰だろう・・・。
自分に割り当てられた部屋のドアを開けると、見覚えのある少年がいた。

「あ・・・」

「やっほー静くん!昼休みぶりだね!!」

「ルームメイトって、誠くんだったんですか」

「うん!昼に言い忘れてたけど、改めてよろしくね!!」

 そこにいたのは、とても元気な誠くんだった。

「よろしくお願いします」

 僕はそう答えて部屋に入った。続けて小妖怪達も入る。

「ヤッホー」

「ヨロシク、ヨロシク!」

「君たちもよろしくね!・・・あ、そういえば和くんが言ってたんだけど、静くん
 って和くんと同い年なの?」

「多分そうですね。あ、僕は15歳です」

 そう答えると、誠くんはポンと手を叩いて言った。

「あ、じゃあ静くんは和くんと同い年で合ってるんだね!さっき和くんが、そう
 いえば~って言ってたからさ」

「そうだったんですか。・・・え、さっき??」

「うん。美術部の部室の前を通った時にね、和くんが呟いているのが聞こえたんだ。
 僕、耳と鼻は良いから」

 さすが狗神の孫だ。素晴らしきかな犬の能力。そういえば、狗神ってどんな神なん
 だろうか。少し気になる。

「・・・そういえば、誠くんは何歳なんですか?」

 狗神のことを聞く前に、昼休みの時から気になっていた、誠くんの年齢を聞いて
 みた。童顔だから幼く見えるけど、実は・・・みたいな?

「ボクはね、12歳だよ!」

 あ、意外と普通だった。でも、思ってたよりも年は上だったな。
 ・・・さて、狗神の事について聞いてみますか。

「あの、ちょっと聞いてもいいですか?」

「何々~?何でも聞いてよ!」

「誠くんのお祖父さんの狗神さんって、どんな人なんですか?」

「ん~っとね、とっても優しい人だよ!自由奔放なところもあるけど、強いんだ~」

「そうなんですか。会ってみたいですね」

 嬉しそうな顔で答えてくれた彼を見てそう呟くと、思いがけない言葉が返って
 きた。

「じゃあ、今度会いに行く?」

「えっ?良いんですか?」

「うん!じゃあ、来月の休みにでも和くんも連れて三人で行こうよ!!」

 クラスメートと仲良くなって、狗神に会いに行けることにもなって・・・。
 転校初日に色々と凄いな、この学園生活。

 
―――その後は特に何もなく・・・一日目が終わった。何故だろう、凄く疲れた。
ベットに入ると、すぐに眠気が襲ってくる。
眠気に抗うこともなく、僕は静かに目を閉じた。
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