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第一部
救護
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―――冬休みの終わり、たまには遠出してみようとそこそこ大きな街へ出た。
家は田舎ということもあり、御鈴と令と共に近くの商店街では売っていないような
珍しい物を見て回る。
ふと寒気を感じ、人目を忍ぶように路地裏へ向かう。案の定襲撃で、すぐさま応戦
した。襲撃者は糸繰ではなかったが、糸繰のように言葉を話すタイプの奴だった。
苦戦しながらもどうにか倒し、安堵する。
「いってえー・・・」
そう呟きながら、頭を抱えて座り込んだ。
狭い通路で柏木を振り回すなんてできないし、先日御鈴から下った命令が無ければ
おそらく死んでいたと思う。
「蒼汰、やっぱり御鈴様の命令があると人間離れした動きができるんだな」
御鈴に痛みを消してもらっていると、令がそう言って俺の足元に擦り寄る。
「戦ってる間だけ自分の体じゃなくなるというか・・・何か変な感じなんだよな。
自分の意思があるようでないような感じでさ」
「まあ、蒼汰が人間であるうちはそうじゃろうな。妾の基準・・・言ってしまえば、
妖の基準で動いてもらっているからの」
俺の言葉に御鈴が言う。そうなのか?と首を傾げると、御鈴は頷いて言った。
「殆どの人間は、人間や人間に近しい生物を殺すことに抵抗を覚えるじゃろう?
しかし殆どの妖は、家族や友人などの自分に近しい者以外は妖であろうと人間で
あろうと、殺すことに抵抗を覚えないんじゃ。《強い者に弱い者が従う》その
縛りが人間よりもかなり強い代わりに、他人の命は軽いんじゃよ。まあ中には
お人好しのような妖もおるが、そういう奴らは早死にするか相当強いかの二択
じゃ」
蒼汰は、襲撃者を殺すことに抵抗を覚えておるか?そう御鈴が問う。
言われてみれば、いくら正当防衛とはいえ命を奪っているんだよな。最初は人間と
かけ離れた意味の分からない奴から御鈴を守ろうと殺していたが、それを踏まえて
考えてみると罪悪感を覚える。
「考えちゃいけないやつだこれ・・・」
そう呟いて、溜息を吐く。
もしかして祓い屋って倫理観ぶっ飛んでたりするのかな・・・なんて思っている
と、令が首を傾げて言った。
「なあ蒼汰、いつになったらその血止まるんだ?治るの遅くないか?」
その言葉に先程まで頭を触っていた手を見ると、べったりと血が付いていた。
御鈴に痛みを消してもらって気付いていなかったが、どうやら頭から出血している
らしい。自覚とは恐ろしいもので、血に気付いてから意識が朦朧とし始める。
「普通・・・人間は、すぐに・・・治んねえんだよ・・・」
そう言いながら、バタリと倒れる。薄れゆく意識の中、誰かの足音が聞こえた。
―――目が覚めると、目に映ったのは見知らぬ天井。自分の家でも病院でもない。
寝起きのフワフワとした頭で寝かされていた布団から起き上がり、辺りを見回す。
和室だ・・・なんて思っていると、襖が開いて焦げ茶色の髪をした若い男性が部屋に
入ってきた。
「良かった、目が覚めたんだね」
男性はそう言って、安心したような顔で俺の横に座る。
「あの、どちら様ですか・・・?」
俺が聞くと、男性は穏やかな笑みを浮かべて言った。
「俺は狗神 真悟、狗神の息子って言ったら伝わるかな?」
「狗神って、狼昂の主の・・・?」
俺の言葉に、男性・・・真悟さんは頷く。狗神とは明らかに見た目が違うのだが、
本当に息子なんだろうか。
「街へ買い出しに出ていたら、血のニオイがしてね。路地裏を覗いたら倒れている
君を見つけたから、家まで運ばせてもらったんだ」
一緒に居た彼女達にも来てもらった。そう言った真悟さんは、痛い所はない?と
聞く。
「大丈夫です。・・・あの、失礼なこと聞いても良いですか?」
「ん?」
「俺が前会った狗神とは、かなり姿が違うんですが・・・」
えっと、その・・・と俺が言い淀んでいると、真悟さんは苦笑いを浮かべて
言った。
「普段は人間に化けているからね」
ほら、証拠。そう言って、真悟さんは頭をポンポンと叩く。
すると、真悟さんの頭に彼の髪色と同じ焦げ茶色の犬耳が生えた。
「え、凄っ・・・」
思わずそう呟く。真悟さんは犬耳を消すと、立ち上がって言った。
「蒼汰くん、で合ってるかな。君のことは御鈴さんから聞いたよ。君のこと凄く心配
してたから、動けるようなら行ってあげて。俺は仕事に戻るけど、何かあったら
呼んでね」
「仕事って、何を・・・?」
在宅ワークか何かだろうか。そう思いながら、部屋を出て行こうとした真悟さんに
聞く。真悟さんはキョトンとした後、優しい笑みを浮かべて言った。
「神主の仕事だよ」
―――真悟さんが部屋を出ていった後、俺も布団から出て立ち上がる。頭に触れると
血は止まっており、何処から出血したのか分からないほど全く違和感がなかった。
心の中で御鈴の名を呼び、感じた気配に向かって歩き出す。
静也さんが神社のない神様なら従者がいるかもと言っていた気がするが、真悟さんが
神主の仕事と言っていたことを考えると狗神は神社がある神様なのか。そんなことを
考えながら、御鈴の気配がする部屋の襖を開ける。
「蒼汰!!」
御鈴が安心したような顔で俺を見る。その隣で令と戯れていた狗神が、俺を見て
言った。
「目が覚めたか」
「あのな蒼汰、狗神がお主の怪我を治してくれたんじゃぞ!」
御鈴がそう言いながら俺に抱き着いてくる。
「ありがとうございます」
そう言って狗神に頭を下げると、狗神は笑って言った。
「気にするな。ワシは真悟に頼まれたから治しただけじゃ」
「・・・とか言って、自分も心配してたくせに」
令がそう言うと、狗神は令の頭をグリグリする。痛いっ痛いって!とジタバタする
令を見ていると、御鈴が言った。
「妾は痛みを消すことはできても、怪我を治すことはできぬからな・・・。狗神が
助けてくれなかったら、蒼汰を死なせてしまうところじゃった・・・」
本当にすまぬ。そう言った御鈴は泣きそうな顔をしており、見ているこっちまで
悲しくなってきた。
俺はしゃがんで御鈴と目線を合わせ、優しく笑いかける。
「大丈夫、心配掛けてごめんな。死なないように、俺もっと頑張るから」
そう言って御鈴の頭を撫でると、御鈴はコクリと頷く。それを見ていた狗神が、
令をポンポンと撫でながら言った。
「頑張ると言っても、結局は実戦経験をどれだけ積んだかじゃろう。お主の戦い方は
知らんが、襲われたとき以外でも誰かと戦ってみてはどうじゃ?」
「模擬戦って事ですか?」
俺がそう聞くと、狗神は頷く。
模擬戦をしてくれる人なんているだろうか?そう思っていると、御鈴が狗神を見て
言った。
「そう言うからには、蒼汰と戦ってくれそうな相手を知っているんじゃろうな?」
「お主の従者がどう戦うかによるが、紹介はしてやる」
狗神がそう言うと、御鈴は俺を見る。見せてやれと言いたげな目に俺は頷くと、
立ち上がり手を横に突き出して言った。
『柏木』
現れた柏木を掴み、狗神にこれですと見せる。
「柏木か・・・棒術で使う棒じゃな。それなら、山霧の・・・いや、今は神宮か。
あ奴にやらせれば良いじゃろう」
「えっと・・・もしかして、静也さんの事ですか?」
狗神の言葉にそう聞くと、狗神は頷いた。
「あ奴は刀を使うからの、棒術とも相性が良い。それに・・・」
狗神は何とも言えない顔をした後、苦笑いを浮かべる。
「ワシが知っている人間の中では、あ奴が一番強いからの。妖よりも妖っぽい、
恐ろしい男じゃ」
狗神の言葉に、あの人が・・・?なんて思う。
妖よりも妖っぽい祓い屋って何だよと思いながら、なるほどと頷いた。
家は田舎ということもあり、御鈴と令と共に近くの商店街では売っていないような
珍しい物を見て回る。
ふと寒気を感じ、人目を忍ぶように路地裏へ向かう。案の定襲撃で、すぐさま応戦
した。襲撃者は糸繰ではなかったが、糸繰のように言葉を話すタイプの奴だった。
苦戦しながらもどうにか倒し、安堵する。
「いってえー・・・」
そう呟きながら、頭を抱えて座り込んだ。
狭い通路で柏木を振り回すなんてできないし、先日御鈴から下った命令が無ければ
おそらく死んでいたと思う。
「蒼汰、やっぱり御鈴様の命令があると人間離れした動きができるんだな」
御鈴に痛みを消してもらっていると、令がそう言って俺の足元に擦り寄る。
「戦ってる間だけ自分の体じゃなくなるというか・・・何か変な感じなんだよな。
自分の意思があるようでないような感じでさ」
「まあ、蒼汰が人間であるうちはそうじゃろうな。妾の基準・・・言ってしまえば、
妖の基準で動いてもらっているからの」
俺の言葉に御鈴が言う。そうなのか?と首を傾げると、御鈴は頷いて言った。
「殆どの人間は、人間や人間に近しい生物を殺すことに抵抗を覚えるじゃろう?
しかし殆どの妖は、家族や友人などの自分に近しい者以外は妖であろうと人間で
あろうと、殺すことに抵抗を覚えないんじゃ。《強い者に弱い者が従う》その
縛りが人間よりもかなり強い代わりに、他人の命は軽いんじゃよ。まあ中には
お人好しのような妖もおるが、そういう奴らは早死にするか相当強いかの二択
じゃ」
蒼汰は、襲撃者を殺すことに抵抗を覚えておるか?そう御鈴が問う。
言われてみれば、いくら正当防衛とはいえ命を奪っているんだよな。最初は人間と
かけ離れた意味の分からない奴から御鈴を守ろうと殺していたが、それを踏まえて
考えてみると罪悪感を覚える。
「考えちゃいけないやつだこれ・・・」
そう呟いて、溜息を吐く。
もしかして祓い屋って倫理観ぶっ飛んでたりするのかな・・・なんて思っている
と、令が首を傾げて言った。
「なあ蒼汰、いつになったらその血止まるんだ?治るの遅くないか?」
その言葉に先程まで頭を触っていた手を見ると、べったりと血が付いていた。
御鈴に痛みを消してもらって気付いていなかったが、どうやら頭から出血している
らしい。自覚とは恐ろしいもので、血に気付いてから意識が朦朧とし始める。
「普通・・・人間は、すぐに・・・治んねえんだよ・・・」
そう言いながら、バタリと倒れる。薄れゆく意識の中、誰かの足音が聞こえた。
―――目が覚めると、目に映ったのは見知らぬ天井。自分の家でも病院でもない。
寝起きのフワフワとした頭で寝かされていた布団から起き上がり、辺りを見回す。
和室だ・・・なんて思っていると、襖が開いて焦げ茶色の髪をした若い男性が部屋に
入ってきた。
「良かった、目が覚めたんだね」
男性はそう言って、安心したような顔で俺の横に座る。
「あの、どちら様ですか・・・?」
俺が聞くと、男性は穏やかな笑みを浮かべて言った。
「俺は狗神 真悟、狗神の息子って言ったら伝わるかな?」
「狗神って、狼昂の主の・・・?」
俺の言葉に、男性・・・真悟さんは頷く。狗神とは明らかに見た目が違うのだが、
本当に息子なんだろうか。
「街へ買い出しに出ていたら、血のニオイがしてね。路地裏を覗いたら倒れている
君を見つけたから、家まで運ばせてもらったんだ」
一緒に居た彼女達にも来てもらった。そう言った真悟さんは、痛い所はない?と
聞く。
「大丈夫です。・・・あの、失礼なこと聞いても良いですか?」
「ん?」
「俺が前会った狗神とは、かなり姿が違うんですが・・・」
えっと、その・・・と俺が言い淀んでいると、真悟さんは苦笑いを浮かべて
言った。
「普段は人間に化けているからね」
ほら、証拠。そう言って、真悟さんは頭をポンポンと叩く。
すると、真悟さんの頭に彼の髪色と同じ焦げ茶色の犬耳が生えた。
「え、凄っ・・・」
思わずそう呟く。真悟さんは犬耳を消すと、立ち上がって言った。
「蒼汰くん、で合ってるかな。君のことは御鈴さんから聞いたよ。君のこと凄く心配
してたから、動けるようなら行ってあげて。俺は仕事に戻るけど、何かあったら
呼んでね」
「仕事って、何を・・・?」
在宅ワークか何かだろうか。そう思いながら、部屋を出て行こうとした真悟さんに
聞く。真悟さんはキョトンとした後、優しい笑みを浮かべて言った。
「神主の仕事だよ」
―――真悟さんが部屋を出ていった後、俺も布団から出て立ち上がる。頭に触れると
血は止まっており、何処から出血したのか分からないほど全く違和感がなかった。
心の中で御鈴の名を呼び、感じた気配に向かって歩き出す。
静也さんが神社のない神様なら従者がいるかもと言っていた気がするが、真悟さんが
神主の仕事と言っていたことを考えると狗神は神社がある神様なのか。そんなことを
考えながら、御鈴の気配がする部屋の襖を開ける。
「蒼汰!!」
御鈴が安心したような顔で俺を見る。その隣で令と戯れていた狗神が、俺を見て
言った。
「目が覚めたか」
「あのな蒼汰、狗神がお主の怪我を治してくれたんじゃぞ!」
御鈴がそう言いながら俺に抱き着いてくる。
「ありがとうございます」
そう言って狗神に頭を下げると、狗神は笑って言った。
「気にするな。ワシは真悟に頼まれたから治しただけじゃ」
「・・・とか言って、自分も心配してたくせに」
令がそう言うと、狗神は令の頭をグリグリする。痛いっ痛いって!とジタバタする
令を見ていると、御鈴が言った。
「妾は痛みを消すことはできても、怪我を治すことはできぬからな・・・。狗神が
助けてくれなかったら、蒼汰を死なせてしまうところじゃった・・・」
本当にすまぬ。そう言った御鈴は泣きそうな顔をしており、見ているこっちまで
悲しくなってきた。
俺はしゃがんで御鈴と目線を合わせ、優しく笑いかける。
「大丈夫、心配掛けてごめんな。死なないように、俺もっと頑張るから」
そう言って御鈴の頭を撫でると、御鈴はコクリと頷く。それを見ていた狗神が、
令をポンポンと撫でながら言った。
「頑張ると言っても、結局は実戦経験をどれだけ積んだかじゃろう。お主の戦い方は
知らんが、襲われたとき以外でも誰かと戦ってみてはどうじゃ?」
「模擬戦って事ですか?」
俺がそう聞くと、狗神は頷く。
模擬戦をしてくれる人なんているだろうか?そう思っていると、御鈴が狗神を見て
言った。
「そう言うからには、蒼汰と戦ってくれそうな相手を知っているんじゃろうな?」
「お主の従者がどう戦うかによるが、紹介はしてやる」
狗神がそう言うと、御鈴は俺を見る。見せてやれと言いたげな目に俺は頷くと、
立ち上がり手を横に突き出して言った。
『柏木』
現れた柏木を掴み、狗神にこれですと見せる。
「柏木か・・・棒術で使う棒じゃな。それなら、山霧の・・・いや、今は神宮か。
あ奴にやらせれば良いじゃろう」
「えっと・・・もしかして、静也さんの事ですか?」
狗神の言葉にそう聞くと、狗神は頷いた。
「あ奴は刀を使うからの、棒術とも相性が良い。それに・・・」
狗神は何とも言えない顔をした後、苦笑いを浮かべる。
「ワシが知っている人間の中では、あ奴が一番強いからの。妖よりも妖っぽい、
恐ろしい男じゃ」
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