英雄は背を向けられない

99万回死んだ猫

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1章:城塞都市フランセーズ編

アリアとリーナの戦後

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 角の生えた兎がコッチを見ると突進してくる。がその前に銃撃を幾つも喰らわせて倒す。
「う~ん、味気ない」
「まあそうですよね」
 だってなあ。
「試練系はどれもAIが専用プログラムを組んでいますから。ルーチンプログラムでしかないMOBじゃあ大抵相手になりませんから」
 喉仏をブスリと突き刺すとまた兎は消える。
「それにしても低級戦技は使えないな」
「上位陣は皆さんスキルが成長しますけどそんなに補正は使いませんからね」
 柄でドンと頭を打ち倒す。うん実に味気ない。
 試しにスラッシュという戦技を使ったのだが体を強制的に動かされている感が半端なくてその上威力補正もしょぼいというか普通に弱点に当てれば一撃で倒せるので今ではもはや作業だ。
「——エネルギーアロー」
「そう言えば魔法の属性は無でしたね」
「無って珍しいのか?」
 形成された矢は普通の矢になっているが威力が跳ね上がっている。無理に圧縮したせいかな?
「ええ。まあ適性で考えるとナニカの影響を受けていると考えるべきですが」
「異能だろうな。判明していない」
 片方の異能は系統樹関連だろうしな。追想付呪メモリアルコネクトにしろ天閉門バベル、終焉焔《メギド》と言い少し都合が良さすぎる。いや考えすぎか。どっちも効果は知らないけど。まあ瞬間付呪インスタンスを十全に発揮させる場合無の魔力が1番適しているからだろう。

「さて、チュートリアルでやれる事は全て終了です。って言ってもスキルレベルが上がるわけでもないのにね」
 ですよね。
「あと多分両異能は系統樹の光・無限の昇華という感じだね」
 所有者に最適な力をもたらして無限の成長を続ける。

【異能 系統樹の光 無限の昇華 を取得しました】
【系統樹の光により他の異能が解放されます】

 …こういうのっていや成長の下地は元々あったわけだし。クロノスドラゴンがそれほど強大な相手だったわけだろう。そうしよう。


最後にステータスを見る。

 PNプレイヤーネーム カオル LV.1
 LP 140  MP 150 ST 150  AP0
 STR 10
 VIT 9
 AGI 10
 WIS 10
 DEX 10
 LCK 9
 スキル SP0
 剣の心得LV.1  銃の心得LV.1 回復魔法LV.1 付加魔法LV.1 無属性魔法LV.1 格闘LV.1 跳躍LV.1 強打LV.1 急所攻撃LV.1 
 異能
 武器百芸 付呪 不屈 共鳴 虚無幻想 系統樹の光 無限の昇華 ?

 あれ?称号は?
「称号とかは向こうに訪れた際に付与されるから。じゃあまたね!」

 えっ、またね?
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