転生したら鎧だった〜リビングアーマーになったけど弱すぎるので、ダンジョンをさまよってパーツを集め最強を目指します

三門鉄狼

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第7章 廃棄都市ダンジョン編

244 転生したら魔王だった!?

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 どうも、リビングアーマーの俺です。

 エドとクーネアさんを元の世界に転移させた俺とロロコ。
 ガルシラをロボットから要塞形態に戻して元の土地へと帰還した。

 降りた先ではみんなが待っていてくれた。

 エルフのクラクラ。
 ドワーフ嬢のアルメル。
 ゴブリンお姉さんのラファ。
 ドラゴン姉妹のドグラとマグラ。
 クノイチのヒナワ。

 他にも大勢の人が集まってきていた。

 俺とロロコはガルシラから出てみんなのところへ向かおうとする。

 ……と思ったら。

 あれ?
 なんか身体が急に重くなって。
 視界が暗くなって。

 魔響震のときみたいな感じだ。

 おかしいな。
 この鎧は魔響震対策が施されてるはずなんだけど。

 ぐっ……?

◆◇◆◇◆

 膨大な記憶が流れ込んでくる。

 天空塔ダンジョンと接続したときによく似てる。
 けど、それとは比べ物にならない情報量だ。

 この大陸の――いや、この星の。
 あらゆる場所における記憶。
 それが蓄積された魔力が俺に流れ込んでくる。

 物質が形を変えて世界中を巡るように。
 魔力もこの世界の隅々まで巡っている。

 長い時をかけて。
 その『もの』の歴史と、『人々』の歴史は流れていく。

 それが全部俺に押し寄せてくる。

 ああ、そうか。

 焔狼族の魔力で『浄化』した魔族の魔力。
 それは消え去るわけじゃないんだ。

 放出され、拡散し、世界に散っていく。
 けれど、今回は量が多かった。
 そして魔王の魔力はあまりにも『濃く』て『重かった』。

 その魔力は簡単に拡散されなかった。
 強い魔力と高密度の術式を蓄える俺に引き寄せられた。

 魔力が有していた記憶と共に。

 これはつまり……。
 どうなるかというと……。

◆◇◆◇◆

「リビたん!?」

 動きを止めていたのはごく短い時間だったみたいだ。

 横にいたロロコが驚きの声をあげる。
 え、なになに?

 近くまできていたみんなも驚きの表情で俺を見ている。

 めっちゃ気になるんですけど……。

 俺は近くにいたマジカルアーマーの一体に視界を移す。
 そしてみんなが驚いている俺の姿を見る。

 なんじゃこりゃあああ!?

 そこに立っていたのは、ついさっきまでとはまるで別人――いや、別鎧だった。

 全体が真っ黒に染まっていて、エッチングの模様もなにやら禍々しい。
 トゲとかツノとかがあちこちから生えている。

 なんというか。
『魔王が身につける鎧ってこんな感じだよな』っていうイメージそのまま。

 これはもう完全にアレだな。

 ――俺、魔王になってる!
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