転生したら鎧だった〜リビングアーマーになったけど弱すぎるので、ダンジョンをさまよってパーツを集め最強を目指します

三門鉄狼

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第7章 廃棄都市ダンジョン編

240 南へ。

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 どうも、リビングアーマーの俺です。

 神聖大要塞ガルシラを管理下に置くことに成功した俺たち。
 ロロコの魔力で魔族になっていた人たちの多くも元に戻すことができた。

 今は皇帝陛下とガイアンさんがガルシラの各所を回っている。
 事情がわからない人たちに今の状況を説明するためだ。

 で、このガルシラは一旦元あった場所に向かって引き返している。

 ……実は、俺はさっきエドと魔王の居場所をつかんでいた。

 ガルシラの術式システムとロロコの魔力を繋いだときだ。

 このガルシラの術式はもともと都市防衛システムだ。
 そしてそのシステムの一環として、ガルシラは周囲に常に魔力を放っていた。

 ごく微弱な量だが、遠くまで届く波長の魔力だ。
 潜水艦のソナーみたいなものだろう。

 それが俺のアーマーの術式と接続されたことで精度がアップした。
 おかげでエドと魔王が潜んでいる場所がわかったのだ。

 二人は大変動の現場――かつてヴェルターネックの森があった場所にいる。

 そこでなにをしているのかはわからないけど。

 このガルシラの問題を解決した今。
 彼らとの決着をつけなければいけない。

 手っ取り早いのはこのままこのガルシラで二人のところまで向かうことだ。

 ヴェルターネックの森があったところは今陸地がない。
 大変動で大陸が真っ二つに割れて、そこに海から水が流れ込んでいる。

 そこに向かうにはこの空中要塞が最適だろう。

 ただ、ここにいる住民たちを連れていくわけにはいかない。
 そんなわけで一旦元の場所へ戻っているというわけだった。

「おい、なにがどうなっているのじゃ。魔族どもが突然元に戻ったんじゃが」

 俺とロロコがいた部屋――ガルシラの操縦室――にドグラが飛び込んできた。
 俺は今の状況を彼女に説明する。

「……なるほどのう。この短時間でそんなことまでできるとはな。リビタン、おぬしも大概じゃな」

 えっと、褒め言葉として受け取っておくぜ。

「それで? 住人どもを下ろした後はどうするのじゃ。そのままエドと魔王のところへ向かうのか?」

〈ああ〉

 俺は頷く。

 今更迷いはない。
 対策を立てたり時間を置く必要もないだろう。

 ここまでくれば小細工をしてどうこうできる状況でもない。
 とにかくエドの企みを潰す。

 それしかできることはない。

◆◇◆◇◆

 ガルシラを元の土地に一旦着陸させる。

 住民の退去は数時間で完了した。

 ドグラ、皇帝陛下、ライレンシア博士、ガイアンさんも降りた。
 ライレンシア博士は戦いを観察したいようだったけど遠慮してもらった。
 誰かを守ってる余裕がないかもしれないからな。
 皇帝陛下があまりにも心配そうな顔をしていたしね。

 ガルシラに残ったのは俺とロロコ。
 そして6000体のマジカルアーマー軍団。

 みんなと挨拶していこうかと思ったけどそれはやめておいた。
 一緒に行く行かないで揉めそうな気がしたし。

 それに、二度と戻らない覚悟で向かうわけじゃないからな。

 みんなには、ドグラに伝言を頼んだ。

『全て解決して戻ってくる』

 大きく出たな、俺。
 でもなんか、ちゃんとそうできる気がするんだ。

 ……んじゃあ行きますか。

 ガルシラを起動。
 浮上、航行開始。

 南へ進攻だ!
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