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第7章 廃棄都市ダンジョン編
236 中枢へ
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どうも、リビングアーマーの俺です。
神聖大要塞ガルシラを攻略中の俺、ロロコ、ドグラ、皇帝陛下。
アンデッド系モンスターを従えた魔族の見張りがいたんだけど。
ロロコが焔狼族の力を使って普通の人間に戻すことができた。
できたはいいけど、ここに放置していくわけにもいかない。
どうしようかと考えていたところに現れたのが、
「ガイアン、無事だったか!」
元ヴォルフォニア帝国の騎士団長だった。
「陛下こそ、よくぞご無事で……」
ガイアンさんは陛下の前までくると見事な臣下の礼をした。
おお、忠義一筋って感じの人だな……。
「この者たちは……?」
と問うガイアンさんに皇帝陛下が簡単に紹介をしてくれる。
「なるほど……それならばなんとかなるかもしれませぬな」
俺がヘルメスの知識を受け継ぎ、原初魔法を含めた術式を扱えること。
ロロコが魔族を人間に戻す焔狼族の力を使えること。
ドグラが最強のエンシェントドラゴンであること。
それを聞くとガイアンさんは納得したように頷いた。
「でしたら、ここから先は私が案内しましょう。陛下はどこか安全なところに……」
「いや、ダメだ。私もライレンシアのところへ行く」
ガイアンの言葉に陛下は毅然とした態度で告げる。
「しかし陛下……」
「行かせてくれガイアン。ライレンシアと向き合うのは私でなければいけないのだ」
「…………」
しばし考え込むガイアンさん。
なんだか陛下とライレンシア博士はただの主従って感じじゃなさそうだな。
少なくとも皇帝陛下は彼女のことをずいぶんと特別に思っているようだ。
やがてガイアンさんは小さく息をついて頷いた。
「……承知いたしました」
というわけで先へ進むことになった。
なるべく見張りと行き合わないように気をつける。
が、どうしても対面せざるを得ないときもあった。
そんなときはロロコや俺が対処する。
通常モンスターが現れたときはドグラやガイアンさんが倒してくれた。
そうこうしているうちに普通の市民の同行者が増えていった。
魔族を浄化してったからな。
どうやら彼らの記憶の残り方には個人差があるみたいだ。
なので魔族だったときの記憶がのこっている者もいた。
移動中にその人たちに記憶がない人たちへの解説をお願いした。
みんな素直に受け入れられたとは言い難い。
なにしろ自分たちのこれまでの常識が全部崩れ去るような事態だもんな。
それでも今俺たちから離れて単独行動するのほうが危険だとは判断できる。
それに皇帝陛下の存在も大きかった。
ヴォルフォニア帝国がいい国だったかどうかはわからないけど。
それでも皇帝という権威には意味があったってわけだな。
そんなこんなで俺たちはガルシラの中心部にたどり着いた。
神聖大要塞ガルシラを攻略中の俺、ロロコ、ドグラ、皇帝陛下。
アンデッド系モンスターを従えた魔族の見張りがいたんだけど。
ロロコが焔狼族の力を使って普通の人間に戻すことができた。
できたはいいけど、ここに放置していくわけにもいかない。
どうしようかと考えていたところに現れたのが、
「ガイアン、無事だったか!」
元ヴォルフォニア帝国の騎士団長だった。
「陛下こそ、よくぞご無事で……」
ガイアンさんは陛下の前までくると見事な臣下の礼をした。
おお、忠義一筋って感じの人だな……。
「この者たちは……?」
と問うガイアンさんに皇帝陛下が簡単に紹介をしてくれる。
「なるほど……それならばなんとかなるかもしれませぬな」
俺がヘルメスの知識を受け継ぎ、原初魔法を含めた術式を扱えること。
ロロコが魔族を人間に戻す焔狼族の力を使えること。
ドグラが最強のエンシェントドラゴンであること。
それを聞くとガイアンさんは納得したように頷いた。
「でしたら、ここから先は私が案内しましょう。陛下はどこか安全なところに……」
「いや、ダメだ。私もライレンシアのところへ行く」
ガイアンの言葉に陛下は毅然とした態度で告げる。
「しかし陛下……」
「行かせてくれガイアン。ライレンシアと向き合うのは私でなければいけないのだ」
「…………」
しばし考え込むガイアンさん。
なんだか陛下とライレンシア博士はただの主従って感じじゃなさそうだな。
少なくとも皇帝陛下は彼女のことをずいぶんと特別に思っているようだ。
やがてガイアンさんは小さく息をついて頷いた。
「……承知いたしました」
というわけで先へ進むことになった。
なるべく見張りと行き合わないように気をつける。
が、どうしても対面せざるを得ないときもあった。
そんなときはロロコや俺が対処する。
通常モンスターが現れたときはドグラやガイアンさんが倒してくれた。
そうこうしているうちに普通の市民の同行者が増えていった。
魔族を浄化してったからな。
どうやら彼らの記憶の残り方には個人差があるみたいだ。
なので魔族だったときの記憶がのこっている者もいた。
移動中にその人たちに記憶がない人たちへの解説をお願いした。
みんな素直に受け入れられたとは言い難い。
なにしろ自分たちのこれまでの常識が全部崩れ去るような事態だもんな。
それでも今俺たちから離れて単独行動するのほうが危険だとは判断できる。
それに皇帝陛下の存在も大きかった。
ヴォルフォニア帝国がいい国だったかどうかはわからないけど。
それでも皇帝という権威には意味があったってわけだな。
そんなこんなで俺たちはガルシラの中心部にたどり着いた。
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