転生したら鎧だった〜リビングアーマーになったけど弱すぎるので、ダンジョンをさまよってパーツを集め最強を目指します

三門鉄狼

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第7章 廃棄都市ダンジョン編

235 焔狼族の力

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 どうも、リビングアーマーの俺です。

 神聖大要塞ガルシラの一角。
 アンデッド系モンスターを率いた魔族の見張りがいて身を隠してます。

 どうしたもんかと考えているとロロコが、

「わたしがなんとかできるかも」

 とのこと。
 マジで?

「わからないけど、大丈夫」

 いやほんとに大丈夫それ?

 しかし、そういえば魔王になったクーネアさん。
 彼女は焔狼族の姿になったロロコに警戒心を抱いていた。

 焔狼族は魔族や魔王への対抗手段を持っているのかもしれない。
 そして先祖返りしたロロコにその記憶が蘇りつつあるのかも。

〈よし……じゃあ、あそこにいる数が少なめの集団で試してみよう。なんかあったらすぐに援護する〉

「わかった」

 ロロコは頷くと目を閉じた。

 やがてロロコの周囲で魔力が渦を巻き始める。
 それがチリチリと焦げ付くような音を立て炎に変質する。

 その炎はロロコの身を燃やすことはない。
 ロロコ自身も熱そうな様子はなく、むしろ心地よさそうな顔をしている。

 やがて炎がロロコを包み込んで姿を隠す。

 炎がパッと拡散すると、そこには狼の姿があった。

「誰だっ!」

 今の炎で気づいたのか、魔族たちがこちらへ向かってくる。

 ロロコは物陰から出ると、そいつらに向かって前脚を一振り。

 ごぉっ!と炎が地面を走り、魔族に激突!
 大炎上!
 ぎゃーーーー!

〈お、おいロロコ!?〉

 死ぬじゃんあれ!
 殺しちゃダメじゃん!

「よく見て」

 え?

 炎は魔族を包み込んだが燃やすことはせず、そのままたち消えていった。
 そして残った魔族は、

「え、オレ何して……うわ、なんだこいつら!?」

 普通の人間に戻った!?

 闇色の肌が普通の色に戻り、髪や目の色も変化していた。

 そして周りにいるモンスターたちは獲物を見つけたと言わんばかりの態度。
 今にも彼に飛びかかりそうだ。

 俺はとっさに飛び出した。

 えーと。
 アンデッド系モンスターは物理攻撃も魔法攻撃も効かないんだよな。
 じゃあどうすれば?

「リビたん、原初魔法」

 あ、そうか。
 魔法と言っても原初魔法はちょっと質が違う。

 魔力を高濃度に圧縮して放出するみたいなもの。
 なので霊体が魔力に置き換わったっていうアンデッドには……。

 ――ヒュゴッ……!

「おおおお……!」
「うああああ……!」

 効果てきめん!

 原初魔法ビームを浴びたアンデッドたちは成仏するみたいに消えていった。
 成仏かな?
 昇天かな?
 わからないけど、とにかくなんとかなったようだ。

 俺たちは人間に戻った男性のところへ駆け寄る。
 ロロコはもう人間態に戻っていた。

「大丈夫か?」
「こ、皇帝陛下!? これは一体……」

 どうやら魔族になっていた間の記憶はないみたいだ。

 ってことは大陸がえらいことになってることとかも知らないのか。

 それを全部説明してる時間はさすがにない。
 かといってこの辺に適当に放置してくのも危険だし。

 どうしようかと思っていると、声がかかった。

「陛下っ!」

 見れば軽装鎧を身にまとった偉丈夫がこちらに駆けてくる。
 え、だれ?

「ガイアン、無事だったか!」

 あ、この人が騎士団長のガイアンさん!?
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