転生したら鎧だった〜リビングアーマーになったけど弱すぎるので、ダンジョンをさまよってパーツを集め最強を目指します

三門鉄狼

文字の大きさ
上 下
258 / 286
第6章 ガルアシラ・ヴォルフォンシアガルド編

218 最深部へ

しおりを挟む
〈失せろ〉

 洞窟をびっしり埋め尽くすくらい群がって飛んできたコウモリ。
 それを業火で燃やし尽くす。

 大量の巨大な蜂みたいなモンスター。
 洪水を生み出して一掃した。

 進路を塞ぐスライムの群れ。
 土属性魔法で天井を落として押し潰した。

 もぞもぞと湧き出る大量の巨大ムカデ。
 風属性魔法で全て吹き飛ばした。

 モンスターは後から後から湧いて出てくる。
 しかし俺の魔力も尽きることはない。

 魔法発動に必要な術式も、自分の身体の一部のように扱える。
 だから、意識することなく自然と発動できる。

 やっていることは、ゴミを見つけて一つ一つ拾っていくのと同じようなもの。
 単純作業で難しくはないけど、ひたすらに面倒臭い。

 いや、これはマズい。
 自分でそう感じる。

 現れるモンスターは実際のところかなり強いのがわかる。
 天空塔ダンジョン攻略時の俺なら勝てなかったかもしれない。

 それを、まるで普通の虫でも潰すみたいに倒していってる。
 それだけ俺のレベルが上昇してるってことだ。

 一応今でも冒険書は鎧の中に持ってるんだけど。
 どんな数値になってるのか想像もつかない。
 怖くてあまり見たくないな。
 表示が全部バグってたりしたら嫌だし。

 魔力がすごい勢いで流れ込んでくるのがわかる。
 この鎧に刻まれている術式が高度なのでそれが可能なのもあるけど。
 それ以上に、俺が強引に吸収していってる。

 周囲の魔力濃度がすごい勢いで低下してってる。
 これ、もうすごい強いモンスターとか高位の魔法使いってレベルじゃない。
 気象現象というか、災害みたいなもんだろ。

 めちゃくちゃマズい状況だってことはわかってる。
 なのに止められない。

 とにかく一刻も早くロロコを見つけて助けないと。
 そんな気持ちばかりが先走ってる。

 ロロコがどこにいるのかはわかる。
 魔力の流れを追うことができるのだ。

 扇風機を回してる部屋に小麦粉をまくと風の流れが見えるように。
 空気中に筋のように、魔力の流れが見えていた。

 ただ、これは時間がたつと消えてしまうだろう。
 だから急がなきゃいけない。

◆◇◆◇◆

 やがて、俺は『そこ』に辿り着いた。

 前に大洞窟ダンジョンから脱出するのに歩いたのより遥かに長い距離。
 しかし時間にすればあっという間だった。

 そこは大きな広間のような空間だ。
 奥に、玉座を置く場所のように一段高くなった場所があって。
 そこに、いた。

〈ロロコ!〉

 腹を槍のような触手に貫かれ、ぐったりとしているロロコ。

 そしてその触手を辿っていくと、巨大な肉塊に行き着く。
 天を突くような巨大生物の心臓を取り出したらこんな感じじゃないか?
 肉塊はそんなグロテスクさで脈動している。

 そんな肉塊の足元(?)に。
 肉塊に背を預けて立つ男がいた。

「やあ、お待ちしておりました」

〈エド……!〉
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜

シュガーコクーン
ファンタジー
 女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。  その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!  「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。  素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯ 旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」  現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

家出したとある辺境夫人の話

あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』 これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。 ※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。 ※他サイトでも掲載します。

処理中です...