257 / 286
第6章 ガルアシラ・ヴォルフォンシアガルド編
217 本気の片鱗
しおりを挟む
「リビたん……逃げ……っ」
そこまで言ったところでロロコは口から血を吐いた。
ロロコの腹に突き刺さった触手。
それがロロコの身体を持ち上げる。
「うっ……ぐぅう!」
〈ロロコ!〉
そのまま触手はあっという間にロロコを洞窟の奥へと連れ去っていった。
な……。
なんなんだよ今の!?
クーネアさんからは事前に、洞窟で出現するモンスターを教えてもらっていた。
その中に、あんな触手はいなかったぞ。
エドが従えているモンスターにクーネアさんが把握してない奴がいるってことか?
ごちゃごちゃ考えてる場合じゃない。
早く助けにいかないと。
――グルルルルル……。
あ?
お前ら、まだいたのかよ。
邪魔なんだけど。
〈どけよ〉
俺の腕から炎が放出される。
火属性魔法の攻撃だ。
現れた狼たちが何属性に強くて何属性に弱いかなんて知らない。
だが、調べる必要はないとわかった。
なにしろ――。
――ぼっ!
と俺の攻撃は一瞬で10体近くの狼たちを燃え上がらせた。
そして声ひとつ上げさせることなく消し炭に変えた。
驚きはない。
むしろ納得があった。
これが今の俺だ。
天空塔ダンジョンの術式と接続して。
世界中の魔力を操れるようになって。
この大陸の全てを一度は把握したリビングアーマー。
今は6000体のマジカルアーマーを操っているが。
本来なら、そんなもの指先を少し曲げる程度の作業に等しい。
同じく、たとえ相手が火属性に耐性があろうがなんだろうが。
そんなの無視して倒すことができる。
それだけ高密度の魔力を魔法として現出させることができる。
人によっては、神にも等しい力だと言うだろう。
だが――。
ロロコ一人助けられなければ。
俺にとってそんな力は無意味だ。
〈待ってろ、ロロコ〉
俺は洞窟の奥へ急いだ。
そこまで言ったところでロロコは口から血を吐いた。
ロロコの腹に突き刺さった触手。
それがロロコの身体を持ち上げる。
「うっ……ぐぅう!」
〈ロロコ!〉
そのまま触手はあっという間にロロコを洞窟の奥へと連れ去っていった。
な……。
なんなんだよ今の!?
クーネアさんからは事前に、洞窟で出現するモンスターを教えてもらっていた。
その中に、あんな触手はいなかったぞ。
エドが従えているモンスターにクーネアさんが把握してない奴がいるってことか?
ごちゃごちゃ考えてる場合じゃない。
早く助けにいかないと。
――グルルルルル……。
あ?
お前ら、まだいたのかよ。
邪魔なんだけど。
〈どけよ〉
俺の腕から炎が放出される。
火属性魔法の攻撃だ。
現れた狼たちが何属性に強くて何属性に弱いかなんて知らない。
だが、調べる必要はないとわかった。
なにしろ――。
――ぼっ!
と俺の攻撃は一瞬で10体近くの狼たちを燃え上がらせた。
そして声ひとつ上げさせることなく消し炭に変えた。
驚きはない。
むしろ納得があった。
これが今の俺だ。
天空塔ダンジョンの術式と接続して。
世界中の魔力を操れるようになって。
この大陸の全てを一度は把握したリビングアーマー。
今は6000体のマジカルアーマーを操っているが。
本来なら、そんなもの指先を少し曲げる程度の作業に等しい。
同じく、たとえ相手が火属性に耐性があろうがなんだろうが。
そんなの無視して倒すことができる。
それだけ高密度の魔力を魔法として現出させることができる。
人によっては、神にも等しい力だと言うだろう。
だが――。
ロロコ一人助けられなければ。
俺にとってそんな力は無意味だ。
〈待ってろ、ロロコ〉
俺は洞窟の奥へ急いだ。
0
お気に入りに追加
76
あなたにおすすめの小説



生活魔法は万能です
浜柔
ファンタジー
生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。
それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。
――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・

公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
スキル【僕だけの農場】はチートでした~辺境領地を世界で一番住みやすい国にします~
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
旧題:スキル【僕だけの農場】はチートでした なのでお父様の領地を改造していきます!!
僕は異世界転生してしまう
大好きな農場ゲームで、やっと大好きな女の子と結婚まで行ったら過労で死んでしまった
仕事とゲームで過労になってしまったようだ
とても可哀そうだと神様が僕だけの農場というスキル、チートを授けてくれた
転生先は貴族と恵まれていると思ったら砂漠と海の領地で作物も育たないダメな領地だった
住民はとてもいい人達で両親もいい人、僕はこの領地をチートの力で一番にしてみせる
◇
HOTランキング一位獲得!
皆さま本当にありがとうございます!
無事に書籍化となり絶賛発売中です
よかったら手に取っていただけると嬉しいです
これからも日々勉強していきたいと思います
◇
僕だけの農場二巻発売ということで少しだけウィンたちが前へと進むこととなりました
毎日投稿とはいきませんが少しずつ進んでいきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる