転生したら鎧だった〜リビングアーマーになったけど弱すぎるので、ダンジョンをさまよってパーツを集め最強を目指します

三門鉄狼

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第6章 ガルアシラ・ヴォルフォンシアガルド編

217 本気の片鱗

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「リビたん……逃げ……っ」

 そこまで言ったところでロロコは口から血を吐いた。

 ロロコの腹に突き刺さった触手。
 それがロロコの身体を持ち上げる。

「うっ……ぐぅう!」

〈ロロコ!〉

 そのまま触手はあっという間にロロコを洞窟の奥へと連れ去っていった。

 な……。
 なんなんだよ今の!?

 クーネアさんからは事前に、洞窟で出現するモンスターを教えてもらっていた。
 その中に、あんな触手はいなかったぞ。

 エドが従えているモンスターにクーネアさんが把握してない奴がいるってことか?

 ごちゃごちゃ考えてる場合じゃない。
 早く助けにいかないと。

 ――グルルルルル……。

 あ?
 お前ら、まだいたのかよ。
 邪魔なんだけど。

〈どけよ〉

 俺の腕から炎が放出される。
 火属性魔法の攻撃だ。

 現れた狼たちが何属性に強くて何属性に弱いかなんて知らない。
 だが、調べる必要はないとわかった。

 なにしろ――。

 ――ぼっ!

 と俺の攻撃は一瞬で10体近くの狼たちを燃え上がらせた。
 そして声ひとつ上げさせることなく消し炭に変えた。

 驚きはない。
 むしろ納得があった。

 これが今の俺だ。

 天空塔ダンジョンの術式と接続して。
 世界中の魔力を操れるようになって。
 この大陸の全てを一度は把握したリビングアーマー。

 今は6000体のマジカルアーマーを操っているが。
 本来なら、そんなもの指先を少し曲げる程度の作業に等しい。

 同じく、たとえ相手が火属性に耐性があろうがなんだろうが。
 そんなの無視して倒すことができる。
 それだけ高密度の魔力を魔法として現出させることができる。

 人によっては、神にも等しい力だと言うだろう。
 だが――。

 ロロコ一人助けられなければ。
 俺にとってそんな力は無意味だ。

〈待ってろ、ロロコ〉

 俺は洞窟の奥へ急いだ。
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