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第4章 フィオンティアーナ編
164 天空塔ダンジョンの異変
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どうも、リビングアーマーの俺です。
フィオンティアーナの領主、ラフィオンさんの屋敷。
その客間に、俺たちは通された。
そこに待っていたのはオークたち。
ええと、ヴェティアンやポローナニアの街を襲っていたオークたちではない。
天空塔ダンジョンの管理者だというオークたち。
地下遺跡を案内してくれたオークたちだ。
状況をちょっと整理しよう。
天空塔ダンジョンは人工的なダンジョンで『管理者』というのが存在する。
管理者はダンジョン内を自由に行き来できる。
ただしダンジョン内にある宝なんかには手を出すことができない。
しかし十年前。
ライレンシアを名乗るヴォルフォニア帝国の研究者が天空塔ダンジョンを訪れた。
彼女はオークたちに案内してもらいダンジョンの最上階へ赴く。
そしてそこにある高純度の魔鉱石に何らかの装置を取り付けていった。
そのときからオークの一部が暴走して周りの街を襲うようになってしまった。
オークたちはその装置を取り外そうとした。
しかし、ときを同じくしてエンシェント・ドラゴンがそこに住み着いてしまった。
そのドラゴンはおそらくドグラの妹のマグラ。
オークは手を出すことができず困っていた……というわけだ。
俺たちはマグラを説得するためドグラを連れ戻そうとしてここに来たわけだけど。
そこに苔モンスター騒ぎが起こってしまったというわけだ。
〈なにかあったのか?〉
俺はオークたちに問いかける。
オークたちは街の人間を驚かすといけないからと遺跡の入り口で待っていたはず。
それになんか、俺たちを案内してくれたときより人数が増えてないか?
「それが……ダンジョンで異変が起こったんです」
とオークの一人。
「ひょっとしてさっきのマースモース騒ぎ……あれはその影響ですか?」
というアルメルの問いにオークは頷く。
「ダンジョンが暴走して、魔物が外に溢れてきたんです。今は仲間がなんとか抑え込んでいますが、あまり長くは保たないかと……」
「原因は?」
「わかりません」
ロロコの問いには首を横に振る。
「もう我々の『管理者』としての力も通用せず……」
まあここまでの流れを考えれば。
ライレンシア博士が設置した装置のせいか。
陣取っているマグラのせいか。
どっちかだろうな。
〈待てよ……管理者としての力が通用しないってことは、最上階までの案内ももうできないってことか?〉
「そうです。それを知らせるためにここまで参ったのです」
オークは申し訳なさそうに頭を下げて、
「最上階にたどり着くにはもはや、普通に天空塔ダンジョンを攻略していただくしかありません。そのための準備をこの街でできたほうがよいと思い、急ぎ知らせに参った次第です」
「げ、天空塔ダンジョンの正規攻略ですか。面倒くさいことになってきましたね」
とアルメル。
そういや前に、冒険者部隊の隊長のリザルドさんが言ってたな。
天空塔ダンジョンは普通に探索する分にはいい。
けど、本格的に攻略しようとすると全ダンジョン中で一番の難関だ、と。
その一番の難関とやらに挑まなきゃならないのか……。
しかし……。
「行こう、リビたん」
ロロコが言ってくる。
「ま、放っておくわけにはいかなさそうですねぇ」
とアルメル。
「あのような危険な魔物が出現する状況を放置はできぬな」
とクラクラ。
「ばか妹に説教してやるのじゃ」
とドグラ。
「なんだか知らないけどあたしも手伝うよっ」
とラファ。
仕方ないな。
あの苔モンスターみたいな危険なやつがたびたび出現されたらかなわん。
冒険するにしてもなんにしても落ち着かないっての。
乗りかかった船ともいうしな。
行きますか、天空塔ダンジョン攻略!
フィオンティアーナの領主、ラフィオンさんの屋敷。
その客間に、俺たちは通された。
そこに待っていたのはオークたち。
ええと、ヴェティアンやポローナニアの街を襲っていたオークたちではない。
天空塔ダンジョンの管理者だというオークたち。
地下遺跡を案内してくれたオークたちだ。
状況をちょっと整理しよう。
天空塔ダンジョンは人工的なダンジョンで『管理者』というのが存在する。
管理者はダンジョン内を自由に行き来できる。
ただしダンジョン内にある宝なんかには手を出すことができない。
しかし十年前。
ライレンシアを名乗るヴォルフォニア帝国の研究者が天空塔ダンジョンを訪れた。
彼女はオークたちに案内してもらいダンジョンの最上階へ赴く。
そしてそこにある高純度の魔鉱石に何らかの装置を取り付けていった。
そのときからオークの一部が暴走して周りの街を襲うようになってしまった。
オークたちはその装置を取り外そうとした。
しかし、ときを同じくしてエンシェント・ドラゴンがそこに住み着いてしまった。
そのドラゴンはおそらくドグラの妹のマグラ。
オークは手を出すことができず困っていた……というわけだ。
俺たちはマグラを説得するためドグラを連れ戻そうとしてここに来たわけだけど。
そこに苔モンスター騒ぎが起こってしまったというわけだ。
〈なにかあったのか?〉
俺はオークたちに問いかける。
オークたちは街の人間を驚かすといけないからと遺跡の入り口で待っていたはず。
それになんか、俺たちを案内してくれたときより人数が増えてないか?
「それが……ダンジョンで異変が起こったんです」
とオークの一人。
「ひょっとしてさっきのマースモース騒ぎ……あれはその影響ですか?」
というアルメルの問いにオークは頷く。
「ダンジョンが暴走して、魔物が外に溢れてきたんです。今は仲間がなんとか抑え込んでいますが、あまり長くは保たないかと……」
「原因は?」
「わかりません」
ロロコの問いには首を横に振る。
「もう我々の『管理者』としての力も通用せず……」
まあここまでの流れを考えれば。
ライレンシア博士が設置した装置のせいか。
陣取っているマグラのせいか。
どっちかだろうな。
〈待てよ……管理者としての力が通用しないってことは、最上階までの案内ももうできないってことか?〉
「そうです。それを知らせるためにここまで参ったのです」
オークは申し訳なさそうに頭を下げて、
「最上階にたどり着くにはもはや、普通に天空塔ダンジョンを攻略していただくしかありません。そのための準備をこの街でできたほうがよいと思い、急ぎ知らせに参った次第です」
「げ、天空塔ダンジョンの正規攻略ですか。面倒くさいことになってきましたね」
とアルメル。
そういや前に、冒険者部隊の隊長のリザルドさんが言ってたな。
天空塔ダンジョンは普通に探索する分にはいい。
けど、本格的に攻略しようとすると全ダンジョン中で一番の難関だ、と。
その一番の難関とやらに挑まなきゃならないのか……。
しかし……。
「行こう、リビたん」
ロロコが言ってくる。
「ま、放っておくわけにはいかなさそうですねぇ」
とアルメル。
「あのような危険な魔物が出現する状況を放置はできぬな」
とクラクラ。
「ばか妹に説教してやるのじゃ」
とドグラ。
「なんだか知らないけどあたしも手伝うよっ」
とラファ。
仕方ないな。
あの苔モンスターみたいな危険なやつがたびたび出現されたらかなわん。
冒険するにしてもなんにしても落ち着かないっての。
乗りかかった船ともいうしな。
行きますか、天空塔ダンジョン攻略!
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