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第4章 フィオンティアーナ編
163 苔ドラゴン爆誕!
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どうも、リビングアーマーの俺です。
フィオンティアーナの街を襲っていた苔モンスター。
……を俺の魔法ビームが一撃で倒してしまった。
まさかこんな簡単に解決するとは思わなかった。
すでに苔モンスターは完全に駆除されたっぽい。
一応街の自警団が滞在していた魔法使いと一緒に各所をチェックしている。
けどもう心配はなさそうだ。
魔法ビームで巨大なクレーターができてしまった場所に俺たちはいる。
そこに避難していた市民たちも集まってきていた。
「すごい……」
「オレたちじゃどうにもできなかったのに……」
「救世主だ……」
「さすがドグラ様!」
「ドグラ様万歳!」
そう。
苔モンスターを倒したのは俺じゃなくてドグラということになっていた。
ちょっと前に(ゲロで)悪徳商人を懲らしめた彼女。
すっかりフィオンティアーナの守り神扱いなのだ。
苔モンスターが消滅した場所に彼女がいれば、当然彼女が倒したと思われる。
まあ俺としては変に騒がれるよりいい。
あんまり注目されて、この鎧の中身がないとバレると面倒だし。
で、そのドグラなんだが。
「なんなのじゃこれはー!!!!」
なんか緑っぽくなっていた。
さっきまで苔モンスターを吸い込んでしまって苦しんでいた彼女。
しかし俺が魔法ビームを撃っている間に治ってきたらしい。
いつの間にか人間態に戻っていた。
しかし前と違う。
髪が緑色だし、身につけている服も全体的に緑がかっている。
なんか2Pキャラみたいだ。
「たぶん、体内に入ったマースモースの増殖を防ぐために、全身の魔力が変質しているんじゃないでしょうか。マースモースは自分の仲間からは魔力を奪えないので、擬態して誤魔化しているとか……」
アルメルが言う。
なるほど。
苔モンスターが魔力を奪ってくるから苦しくなってしまう。
なのでドグラは自分の魔力を苔モンスターっぽくしてしまったのだ。
苔モンスターはドグラの魔力を自分の仲間だと勘違いする。
そうすればそれ以上魔力を奪ってこなくなる。
〈それでなんとなく苔っぽい見た目になったのか〉
「苔とか言うな!」
不機嫌っぽいドグラだが、住人の歓呼の声は止まらない。
「さすドグ!」
「さすドグ!」
あっちこっちからそんなコールが聞こえてくる。
と、そこへ。
「ああ、皆さん。よくぞご無事で」
ラフィオンさんがやってきた。
「ドグラ様……またしてもフィオンティアーナをお救いくださりありがとうございます。このお礼は街の復興がなった暁に改めて……」
「ふ、ふん、そう畏まるな。まあ我がんばったけどな!」
ちらっちらっとクラクラのほうを見るドグラ。
しかしクラクラは街の自警団みたいな人と話をしていて気づいてない。
おーい、ドグラが人間の味方なのあんたがいるからなんだからな!
ちゃんと褒めてあげて!
「ところで……」
とラフィオンさんが言ってくる。
「なにやらオークが我が屋敷に現れまして、皆さんに御用だと行っているのですが」
オーク?
……あ!
そうだ。
そもそもその用事でフィオンティアーナにドグラを迎えにきたんだった。
フィオンティアーナの街を襲っていた苔モンスター。
……を俺の魔法ビームが一撃で倒してしまった。
まさかこんな簡単に解決するとは思わなかった。
すでに苔モンスターは完全に駆除されたっぽい。
一応街の自警団が滞在していた魔法使いと一緒に各所をチェックしている。
けどもう心配はなさそうだ。
魔法ビームで巨大なクレーターができてしまった場所に俺たちはいる。
そこに避難していた市民たちも集まってきていた。
「すごい……」
「オレたちじゃどうにもできなかったのに……」
「救世主だ……」
「さすがドグラ様!」
「ドグラ様万歳!」
そう。
苔モンスターを倒したのは俺じゃなくてドグラということになっていた。
ちょっと前に(ゲロで)悪徳商人を懲らしめた彼女。
すっかりフィオンティアーナの守り神扱いなのだ。
苔モンスターが消滅した場所に彼女がいれば、当然彼女が倒したと思われる。
まあ俺としては変に騒がれるよりいい。
あんまり注目されて、この鎧の中身がないとバレると面倒だし。
で、そのドグラなんだが。
「なんなのじゃこれはー!!!!」
なんか緑っぽくなっていた。
さっきまで苔モンスターを吸い込んでしまって苦しんでいた彼女。
しかし俺が魔法ビームを撃っている間に治ってきたらしい。
いつの間にか人間態に戻っていた。
しかし前と違う。
髪が緑色だし、身につけている服も全体的に緑がかっている。
なんか2Pキャラみたいだ。
「たぶん、体内に入ったマースモースの増殖を防ぐために、全身の魔力が変質しているんじゃないでしょうか。マースモースは自分の仲間からは魔力を奪えないので、擬態して誤魔化しているとか……」
アルメルが言う。
なるほど。
苔モンスターが魔力を奪ってくるから苦しくなってしまう。
なのでドグラは自分の魔力を苔モンスターっぽくしてしまったのだ。
苔モンスターはドグラの魔力を自分の仲間だと勘違いする。
そうすればそれ以上魔力を奪ってこなくなる。
〈それでなんとなく苔っぽい見た目になったのか〉
「苔とか言うな!」
不機嫌っぽいドグラだが、住人の歓呼の声は止まらない。
「さすドグ!」
「さすドグ!」
あっちこっちからそんなコールが聞こえてくる。
と、そこへ。
「ああ、皆さん。よくぞご無事で」
ラフィオンさんがやってきた。
「ドグラ様……またしてもフィオンティアーナをお救いくださりありがとうございます。このお礼は街の復興がなった暁に改めて……」
「ふ、ふん、そう畏まるな。まあ我がんばったけどな!」
ちらっちらっとクラクラのほうを見るドグラ。
しかしクラクラは街の自警団みたいな人と話をしていて気づいてない。
おーい、ドグラが人間の味方なのあんたがいるからなんだからな!
ちゃんと褒めてあげて!
「ところで……」
とラフィオンさんが言ってくる。
「なにやらオークが我が屋敷に現れまして、皆さんに御用だと行っているのですが」
オーク?
……あ!
そうだ。
そもそもその用事でフィオンティアーナにドグラを迎えにきたんだった。
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