167 / 286
第4章 フィオンティアーナ編
141 オーク襲来!
しおりを挟む
どうも、リビングアーマーの俺です。
こっちは人犬族のロロコ。
それにエルフのクラクラ。
それとドワーフ嬢のアルメル。
そしてドラゴン娘のドグラ。
ついでに忍者のヒナワ。
さらにお腹を空かせたオークさん。
うわああああああ!
オークは壁を打ち破って建物の中から現れた。
どうなってんだ!
街を襲撃してきたばかりだろ!
なんでもうこんなところにいるんだよ!
「ハラ、ヘッタアアア!」
うお!
あぶね!
オークが斧を振り下ろしてくる。
俺はそれをなんとかかわした。
いや、べつに痛いわけじゃないし。
そうそう傷がついたりはしないと思うけどね。
オークさん、すげえ馬鹿力なんだもん。
万が一ってことはありそう。
なにしろ、オークはその斧で石造りの壁を破壊してるのだ。
「クイモノオオオ!」
あ、また。
――ドガラアアアアン!
オークが斧を振るたびにそれがぶつかって、建物がどんどん破壊されていく。
「と、とりあえず逃げましょうよう」
アルメルが言ってくる。
その通りだな。
オークは俺たちを狙ってるわけじゃない。
標的にされる前にさっさと立ち去っちまおう。
と思ったら、オークがこっちを見てきた。
正確にはクラクラを見てる。
ヤバいぞ。
オークはエルフから派生した種族って話だ。
俺の世界のフィクションじゃ、醜いオークはエルフに激しい憎しみを抱いている。
このオークの攻撃目標がクラクラに向かうかもしれない。
「……チッ、エルフハ、アイカワラズ、ミテラレナイクライ、ミニクイ、ナ」
舌打ちして視線を逸らすオーク。
お前いきなり流暢になったな!?
っていうかなに、この世界のオークはエルフに対してそんな感じなの?
……まあでも、そもそも、オークはエルフと外見が違いすぎる。
大昔はエルフと同じ種族だったかもしれんけどさ。
だからって、子孫まで憎み続けるなんてことはないのかもしれない。
オークから見れば、エルフが醜く見える。
そもそも美の基準が違う。
ありそうな話だ。
〈と、とにかく逃げよう。チャンスだ〉
オークがこっちに興味を失ってる今がチャンスだ。
「か、カッコいい……っ!」
〈クラクラ!?〉
エルフの側からはそんな感じなのかよ!
「クラクラさん、出てかないほうがいいですよ!」
フラフラ~とオークの方に行きそうになるクラクラをアルメルが慌てて止める。
そこまで!?
「チッ、コッチクンナ、ウットオシイゾ、エルフノメスメ」
すげえな。
俺の世界のフィクションとまるで立場が逆だ。
なにはともあれチャンスだ。
俺たちはオークから離れる。
まずはどこか落ち着ける場所を探したいな。
街の住人たちはどこに行ったんだ?
「おおい、あんたら、こっちだこっち」
お、誰ぞ俺たちを呼んどる。
見れば、お城みたいな高い壁に小さな扉がついていた。
そこから顔を出した男の人が俺たちを手招いていた。
「早くここに入れ」
どうやらあそこは避難所らしい。
助かった。
俺たちはそこに走っていった。
こっちは人犬族のロロコ。
それにエルフのクラクラ。
それとドワーフ嬢のアルメル。
そしてドラゴン娘のドグラ。
ついでに忍者のヒナワ。
さらにお腹を空かせたオークさん。
うわああああああ!
オークは壁を打ち破って建物の中から現れた。
どうなってんだ!
街を襲撃してきたばかりだろ!
なんでもうこんなところにいるんだよ!
「ハラ、ヘッタアアア!」
うお!
あぶね!
オークが斧を振り下ろしてくる。
俺はそれをなんとかかわした。
いや、べつに痛いわけじゃないし。
そうそう傷がついたりはしないと思うけどね。
オークさん、すげえ馬鹿力なんだもん。
万が一ってことはありそう。
なにしろ、オークはその斧で石造りの壁を破壊してるのだ。
「クイモノオオオ!」
あ、また。
――ドガラアアアアン!
オークが斧を振るたびにそれがぶつかって、建物がどんどん破壊されていく。
「と、とりあえず逃げましょうよう」
アルメルが言ってくる。
その通りだな。
オークは俺たちを狙ってるわけじゃない。
標的にされる前にさっさと立ち去っちまおう。
と思ったら、オークがこっちを見てきた。
正確にはクラクラを見てる。
ヤバいぞ。
オークはエルフから派生した種族って話だ。
俺の世界のフィクションじゃ、醜いオークはエルフに激しい憎しみを抱いている。
このオークの攻撃目標がクラクラに向かうかもしれない。
「……チッ、エルフハ、アイカワラズ、ミテラレナイクライ、ミニクイ、ナ」
舌打ちして視線を逸らすオーク。
お前いきなり流暢になったな!?
っていうかなに、この世界のオークはエルフに対してそんな感じなの?
……まあでも、そもそも、オークはエルフと外見が違いすぎる。
大昔はエルフと同じ種族だったかもしれんけどさ。
だからって、子孫まで憎み続けるなんてことはないのかもしれない。
オークから見れば、エルフが醜く見える。
そもそも美の基準が違う。
ありそうな話だ。
〈と、とにかく逃げよう。チャンスだ〉
オークがこっちに興味を失ってる今がチャンスだ。
「か、カッコいい……っ!」
〈クラクラ!?〉
エルフの側からはそんな感じなのかよ!
「クラクラさん、出てかないほうがいいですよ!」
フラフラ~とオークの方に行きそうになるクラクラをアルメルが慌てて止める。
そこまで!?
「チッ、コッチクンナ、ウットオシイゾ、エルフノメスメ」
すげえな。
俺の世界のフィクションとまるで立場が逆だ。
なにはともあれチャンスだ。
俺たちはオークから離れる。
まずはどこか落ち着ける場所を探したいな。
街の住人たちはどこに行ったんだ?
「おおい、あんたら、こっちだこっち」
お、誰ぞ俺たちを呼んどる。
見れば、お城みたいな高い壁に小さな扉がついていた。
そこから顔を出した男の人が俺たちを手招いていた。
「早くここに入れ」
どうやらあそこは避難所らしい。
助かった。
俺たちはそこに走っていった。
0
お気に入りに追加
76
あなたにおすすめの小説
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる