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第4章 フィオンティアーナ編

141 オーク襲来!

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 どうも、リビングアーマーの俺です。
 こっちは人犬族のロロコ。
 それにエルフのクラクラ。
 それとドワーフ嬢のアルメル。
 そしてドラゴン娘のドグラ。
 ついでに忍者のヒナワ。
 さらにお腹を空かせたオークさん。

 うわああああああ!

 オークは壁を打ち破って建物の中から現れた。

 どうなってんだ!
 街を襲撃してきたばかりだろ!
 なんでもうこんなところにいるんだよ!

「ハラ、ヘッタアアア!」

 うお!
 あぶね!

 オークが斧を振り下ろしてくる。
 俺はそれをなんとかかわした。

 いや、べつに痛いわけじゃないし。
 そうそう傷がついたりはしないと思うけどね。

 オークさん、すげえ馬鹿力なんだもん。
 万が一ってことはありそう。

 なにしろ、オークはその斧で石造りの壁を破壊してるのだ。

「クイモノオオオ!」

 あ、また。

 ――ドガラアアアアン!

 オークが斧を振るたびにそれがぶつかって、建物がどんどん破壊されていく。

「と、とりあえず逃げましょうよう」

 アルメルが言ってくる。

 その通りだな。

 オークは俺たちを狙ってるわけじゃない。
 標的にされる前にさっさと立ち去っちまおう。

 と思ったら、オークがこっちを見てきた。

 正確にはクラクラを見てる。

 ヤバいぞ。
 オークはエルフから派生した種族って話だ。

 俺の世界のフィクションじゃ、醜いオークはエルフに激しい憎しみを抱いている。
 このオークの攻撃目標がクラクラに向かうかもしれない。

「……チッ、エルフハ、アイカワラズ、ミテラレナイクライ、ミニクイ、ナ」

 舌打ちして視線を逸らすオーク。

 お前いきなり流暢になったな!?

 っていうかなに、この世界のオークはエルフに対してそんな感じなの?

 ……まあでも、そもそも、オークはエルフと外見が違いすぎる。
 大昔はエルフと同じ種族だったかもしれんけどさ。
 だからって、子孫まで憎み続けるなんてことはないのかもしれない。

 オークから見れば、エルフが醜く見える。
 そもそも美の基準が違う。
 ありそうな話だ。

〈と、とにかく逃げよう。チャンスだ〉

 オークがこっちに興味を失ってる今がチャンスだ。

「か、カッコいい……っ!」

〈クラクラ!?〉

 エルフの側からはそんな感じなのかよ!

「クラクラさん、出てかないほうがいいですよ!」

 フラフラ~とオークの方に行きそうになるクラクラをアルメルが慌てて止める。

 そこまで!?

「チッ、コッチクンナ、ウットオシイゾ、エルフノメスメ」

 すげえな。
 俺の世界のフィクションとまるで立場が逆だ。

 なにはともあれチャンスだ。
 俺たちはオークから離れる。

 まずはどこか落ち着ける場所を探したいな。
 街の住人たちはどこに行ったんだ?

「おおい、あんたら、こっちだこっち」

 お、誰ぞ俺たちを呼んどる。

 見れば、お城みたいな高い壁に小さな扉がついていた。
 そこから顔を出した男の人が俺たちを手招いていた。

「早くここに入れ」

 どうやらあそこは避難所らしい。
 助かった。

 俺たちはそこに走っていった。
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