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第4章 フィオンティアーナ編
140 オークとエルフ、あとゴブリン
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どうも、リビングアーマーの俺です。
一緒にいるのは、人犬族のロロコ。
エルフのクラクラ。
ドワーフ嬢のアルメル。
ドラゴン娘のドグラ。
そして忍者のヒナワだ。
俺たちが今いるのは、水の都ヴェティアン。
そして、ヴェティアンは今、オークの群れに襲撃を受けていた。
ええと、そもそもなにがどうなってこんなことに巻き込まれたんだっけ?
まず、ゴブリン娘のラファが倒れたんだ。
それはどうやら、左腕についているゴーレムパーツのせいらしい。
魔力の体内循環が活性化しすぎる『魔力過活性症』という症状だ。
ラファを治すため、医者のいるフィオンティアーナへやってきた俺たち。
医者の言うことには、ゴーレムパーツを手術で取り外す必要があるらしい。
そしてその手術には、高純度の魔鉱石が必要とのこと。
で、俺たちは高純度の魔鉱石を持っているチェインハルト商会のところに行った。
商会では、ある実験にその魔鉱石を使っている最中だとのこと。
実験を中止するには多大な資金が無駄になる。
俺たちにその埋め合わせができるわけもない。
そこで、商会の代表のエドは提案をしてきた。
商会の施設から逃げ出した忍を捕えてきたら、魔鉱石を貸そうと言うのだ。
俺たちは忍を追ってこのヴェティアンにやってきた。
そしてようやく追い詰めて、ヒナワを捕まえた。
しかし、ヒナワはとんでもない秘密を明かした。
エドはあの実験施設に魔王を保管しているというのだ。
驚愕する俺たち。
そこへ響き渡る地響き。
俺たちが地上へ出てみると、街の住人たちが叫んでいた。
「オークだ! オークの群れが襲ってきたぞぉ!」
…………。
……いや、オークここまでの流れと全然関係ないじゃん!
なんなんだよ!
俺たちこれから、エドの味方をしていいのかどうか悩むターンだったと思うんだけど。
それどころじゃなくなっちゃったじゃん!
空気読んで!
そもそもオークって、あのオーク?
魔王も、なんかストレートな魔族の王とかじゃないみたいだし。
ちょっと疑い深くなってしまう。
〈オークっていうと……?〉
「オークっていったらあのオークしかないでしょう!」
アルメルが悲鳴を上げるみたいに叫ぶ。
「豚だか人間だかわからない、短気で暴力的で、言葉は通じるのに話が通じない、食料に困ったら近くの街を襲えばいいと思っているけだものですよ!」
……おう。
「ラッカムさんが言ってた。もともとエルフとオークは同じ種族だった。でもあるとき悪いことをしたエルフが神様に罰を受けて違う姿に変えられたのがオークなんだって」
……なるほど。
子供向けの教訓話っぽくはあるけど。
俺がいた世界のフィクションでも、オークとエルフはそういう関係だった気がする。
「ちなみに、罰を受けたべつの者の子孫がゴブリンだと言われてますね」
とアルメル。
〈ちなみにドワーフは今の話だとどうなるんだ?〉
「ドワーフはこの話とは無関係です。エルフとは別種族ですから」
……あまりつつくと、人種問題とか絡んできて厄介そうだな。
まあとにかく、オークがあのオークだってことはわかった。
〈じゃあとりあえず逃げたほうがいいのか?〉
「でしょうね、巻き込まれたくないですし」
「あなたも一緒に逃げよう」
「え、でも」
ロロコに言われて戸惑うヒナワ。
まあそりゃさっきまで敵対してたわけだしな。
でも今はそんな場合じゃない気もする。
〈一時休戦ってことにしないか? とりあえずオークの脅威が去るまでの間。そのあとあんたの詳しい事情も聞きたい〉
「……いいだろう」
ヒナワはうなずいた。
よし。
決まりだな。
さて、そうなると、差し当たり今どう行動するか決めないとな……
――ドガゴオオオオン!
うおおおお!?
目の前の建物の壁がいきなりぶっ飛んだ!
「メシ、ドコダアア!」
うわああああ!
オーク出たあああああああ!
一緒にいるのは、人犬族のロロコ。
エルフのクラクラ。
ドワーフ嬢のアルメル。
ドラゴン娘のドグラ。
そして忍者のヒナワだ。
俺たちが今いるのは、水の都ヴェティアン。
そして、ヴェティアンは今、オークの群れに襲撃を受けていた。
ええと、そもそもなにがどうなってこんなことに巻き込まれたんだっけ?
まず、ゴブリン娘のラファが倒れたんだ。
それはどうやら、左腕についているゴーレムパーツのせいらしい。
魔力の体内循環が活性化しすぎる『魔力過活性症』という症状だ。
ラファを治すため、医者のいるフィオンティアーナへやってきた俺たち。
医者の言うことには、ゴーレムパーツを手術で取り外す必要があるらしい。
そしてその手術には、高純度の魔鉱石が必要とのこと。
で、俺たちは高純度の魔鉱石を持っているチェインハルト商会のところに行った。
商会では、ある実験にその魔鉱石を使っている最中だとのこと。
実験を中止するには多大な資金が無駄になる。
俺たちにその埋め合わせができるわけもない。
そこで、商会の代表のエドは提案をしてきた。
商会の施設から逃げ出した忍を捕えてきたら、魔鉱石を貸そうと言うのだ。
俺たちは忍を追ってこのヴェティアンにやってきた。
そしてようやく追い詰めて、ヒナワを捕まえた。
しかし、ヒナワはとんでもない秘密を明かした。
エドはあの実験施設に魔王を保管しているというのだ。
驚愕する俺たち。
そこへ響き渡る地響き。
俺たちが地上へ出てみると、街の住人たちが叫んでいた。
「オークだ! オークの群れが襲ってきたぞぉ!」
…………。
……いや、オークここまでの流れと全然関係ないじゃん!
なんなんだよ!
俺たちこれから、エドの味方をしていいのかどうか悩むターンだったと思うんだけど。
それどころじゃなくなっちゃったじゃん!
空気読んで!
そもそもオークって、あのオーク?
魔王も、なんかストレートな魔族の王とかじゃないみたいだし。
ちょっと疑い深くなってしまう。
〈オークっていうと……?〉
「オークっていったらあのオークしかないでしょう!」
アルメルが悲鳴を上げるみたいに叫ぶ。
「豚だか人間だかわからない、短気で暴力的で、言葉は通じるのに話が通じない、食料に困ったら近くの街を襲えばいいと思っているけだものですよ!」
……おう。
「ラッカムさんが言ってた。もともとエルフとオークは同じ種族だった。でもあるとき悪いことをしたエルフが神様に罰を受けて違う姿に変えられたのがオークなんだって」
……なるほど。
子供向けの教訓話っぽくはあるけど。
俺がいた世界のフィクションでも、オークとエルフはそういう関係だった気がする。
「ちなみに、罰を受けたべつの者の子孫がゴブリンだと言われてますね」
とアルメル。
〈ちなみにドワーフは今の話だとどうなるんだ?〉
「ドワーフはこの話とは無関係です。エルフとは別種族ですから」
……あまりつつくと、人種問題とか絡んできて厄介そうだな。
まあとにかく、オークがあのオークだってことはわかった。
〈じゃあとりあえず逃げたほうがいいのか?〉
「でしょうね、巻き込まれたくないですし」
「あなたも一緒に逃げよう」
「え、でも」
ロロコに言われて戸惑うヒナワ。
まあそりゃさっきまで敵対してたわけだしな。
でも今はそんな場合じゃない気もする。
〈一時休戦ってことにしないか? とりあえずオークの脅威が去るまでの間。そのあとあんたの詳しい事情も聞きたい〉
「……いいだろう」
ヒナワはうなずいた。
よし。
決まりだな。
さて、そうなると、差し当たり今どう行動するか決めないとな……
――ドガゴオオオオン!
うおおおお!?
目の前の建物の壁がいきなりぶっ飛んだ!
「メシ、ドコダアア!」
うわああああ!
オーク出たあああああああ!
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