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第3章 絶海の孤島ダンジョン編
124 エンシェント・ドラゴンの過去
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どうも、リビングアーマーの俺です。
ドラゴンにさらわれたクラクラを助けるためやってきた絶海の孤島ダンジョン。
その〈ドラゴンの巣〉と呼ばれる本島エリア。
ゴーレムを操ってなんとかたどり着いた俺たち。
そこへドラゴンが襲いかかってきた。
ゴーレムで立ち向かう俺!
激しくぶつかり合うドラゴンとゴーレム!
ドカン!
バコン!
そしてゴーレムの一撃がドラゴンにヒット!
と思ったらドラゴンの姿が消えて……。
……代わりにちんまい女の子がその場に倒れていた。
えーと、どういうこと!?
「ドグラ!」
あ、クラクラだ。
……クラクラ!?
城の方からエルフの姫騎士様が駆けてくる。
「クラクラ」
「無事だったんですね!」
ロロコとアルメルが声をかける。
クラクラは二人に微笑みかける。
「二人とも、それにリビタン殿も、助けに来てくれたのか……私のために、すまない」
「無事でよかった」
「ほんとですよおおおおお!」
いつもと変わらない無表情だが、尻尾が嬉しそうにブンブンしているロロコ。
今にも泣き崩れそうなアルメル。
いやぁ、よかったよかった。
「そちらの者たちも同行者か? 感謝する」
と、ラファとリザルドさんたちに頭を下げるクラクラ。
「いやぁ、あたしはもののついでだよ」
「俺たちも、別の用事があったからな」
ひらひらと手を振るラファに、肩を竦めるリザルドさん。
で、だ。
〈クラクラ、この子は……?〉
さっき名前呼んでたっぽいけど。
「ああ……ドグラという。エンシェント・ドラゴンの人間態だ」
はあああああ!?
つまり、あのドラゴンがこの子?
この女の子が、あの巨大ドラゴン!?
「そういや聞いたことがあるな。長い時を生きたドラゴンは、様々な姿に変身できるようになるって」
リザルドさんが言う。
マジか……。
でも、よく見るとたしかにその痕跡はあった。
女の子の肌はところどころ鱗に覆われている。
頭には角があるし、尻尾も生えている。
どれも、あのドラゴンのものとよく似ていた。
マジか……。
いやもう何回でも言うぞ。
マジかよ……!
「ところで……彼女、でいいんですかね? とにかく、このドラゴンの名前を知ってるってことは、クラクラさん、会話をかわしたんですよね? ひょっとして、このドラゴンが言っているライレンシアっていうのが誰のことなのかも聞いたんですか?」
お、そうだそうだ。
それが知りたい。
アルメル 、いいこと訊くね。
「ええと、それはだな……」
クラクラは渋い顔になった。
え、なんで?
「ぐおおおおおお!」
うわ!
ドラゴンが起きた!
咆哮そっくりの声をあげたが、見た目も声も幼女なので全然怖くない。
「むむう……なぜライレンシアがゴーレムの中におる……む!」
と幼女――ドグラはクラクラの姿を見つけると、
「ライレンシア! 城から出てきてはいかんと言うておいたじゃろ! もうそなたをどこにも連れ去らせはしないぞ!」
「くどい! 私はライレンシアではないと何度も……」
「うわーん! 違うわい違うわいライレンシアだわい!」
…………。
ええー。
ドラゴンの声と姿だと威厳と恐怖を振りまいてたけど。
今は変な口調の駄々っ子にしか見えないな。
「なんでじゃーなんでじゃライレンシアー。我と結婚するって言ったじゃろー? 約束したじゃろー。うわーんうわーん!」
ドグラはクラクラの脚にしがみつくみたいに抱きついて泣き出した。
お、おう……。
過去になにがあったかはともかく。
なんでドグラがクラクラをさらったのかは大体わかったな……。
ドラゴンにさらわれたクラクラを助けるためやってきた絶海の孤島ダンジョン。
その〈ドラゴンの巣〉と呼ばれる本島エリア。
ゴーレムを操ってなんとかたどり着いた俺たち。
そこへドラゴンが襲いかかってきた。
ゴーレムで立ち向かう俺!
激しくぶつかり合うドラゴンとゴーレム!
ドカン!
バコン!
そしてゴーレムの一撃がドラゴンにヒット!
と思ったらドラゴンの姿が消えて……。
……代わりにちんまい女の子がその場に倒れていた。
えーと、どういうこと!?
「ドグラ!」
あ、クラクラだ。
……クラクラ!?
城の方からエルフの姫騎士様が駆けてくる。
「クラクラ」
「無事だったんですね!」
ロロコとアルメルが声をかける。
クラクラは二人に微笑みかける。
「二人とも、それにリビタン殿も、助けに来てくれたのか……私のために、すまない」
「無事でよかった」
「ほんとですよおおおおお!」
いつもと変わらない無表情だが、尻尾が嬉しそうにブンブンしているロロコ。
今にも泣き崩れそうなアルメル。
いやぁ、よかったよかった。
「そちらの者たちも同行者か? 感謝する」
と、ラファとリザルドさんたちに頭を下げるクラクラ。
「いやぁ、あたしはもののついでだよ」
「俺たちも、別の用事があったからな」
ひらひらと手を振るラファに、肩を竦めるリザルドさん。
で、だ。
〈クラクラ、この子は……?〉
さっき名前呼んでたっぽいけど。
「ああ……ドグラという。エンシェント・ドラゴンの人間態だ」
はあああああ!?
つまり、あのドラゴンがこの子?
この女の子が、あの巨大ドラゴン!?
「そういや聞いたことがあるな。長い時を生きたドラゴンは、様々な姿に変身できるようになるって」
リザルドさんが言う。
マジか……。
でも、よく見るとたしかにその痕跡はあった。
女の子の肌はところどころ鱗に覆われている。
頭には角があるし、尻尾も生えている。
どれも、あのドラゴンのものとよく似ていた。
マジか……。
いやもう何回でも言うぞ。
マジかよ……!
「ところで……彼女、でいいんですかね? とにかく、このドラゴンの名前を知ってるってことは、クラクラさん、会話をかわしたんですよね? ひょっとして、このドラゴンが言っているライレンシアっていうのが誰のことなのかも聞いたんですか?」
お、そうだそうだ。
それが知りたい。
アルメル 、いいこと訊くね。
「ええと、それはだな……」
クラクラは渋い顔になった。
え、なんで?
「ぐおおおおおお!」
うわ!
ドラゴンが起きた!
咆哮そっくりの声をあげたが、見た目も声も幼女なので全然怖くない。
「むむう……なぜライレンシアがゴーレムの中におる……む!」
と幼女――ドグラはクラクラの姿を見つけると、
「ライレンシア! 城から出てきてはいかんと言うておいたじゃろ! もうそなたをどこにも連れ去らせはしないぞ!」
「くどい! 私はライレンシアではないと何度も……」
「うわーん! 違うわい違うわいライレンシアだわい!」
…………。
ええー。
ドラゴンの声と姿だと威厳と恐怖を振りまいてたけど。
今は変な口調の駄々っ子にしか見えないな。
「なんでじゃーなんでじゃライレンシアー。我と結婚するって言ったじゃろー? 約束したじゃろー。うわーんうわーん!」
ドグラはクラクラの脚にしがみつくみたいに抱きついて泣き出した。
お、おう……。
過去になにがあったかはともかく。
なんでドグラがクラクラをさらったのかは大体わかったな……。
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