146 / 286
第3章 絶海の孤島ダンジョン編
124 エンシェント・ドラゴンの過去
しおりを挟む
どうも、リビングアーマーの俺です。
ドラゴンにさらわれたクラクラを助けるためやってきた絶海の孤島ダンジョン。
その〈ドラゴンの巣〉と呼ばれる本島エリア。
ゴーレムを操ってなんとかたどり着いた俺たち。
そこへドラゴンが襲いかかってきた。
ゴーレムで立ち向かう俺!
激しくぶつかり合うドラゴンとゴーレム!
ドカン!
バコン!
そしてゴーレムの一撃がドラゴンにヒット!
と思ったらドラゴンの姿が消えて……。
……代わりにちんまい女の子がその場に倒れていた。
えーと、どういうこと!?
「ドグラ!」
あ、クラクラだ。
……クラクラ!?
城の方からエルフの姫騎士様が駆けてくる。
「クラクラ」
「無事だったんですね!」
ロロコとアルメルが声をかける。
クラクラは二人に微笑みかける。
「二人とも、それにリビタン殿も、助けに来てくれたのか……私のために、すまない」
「無事でよかった」
「ほんとですよおおおおお!」
いつもと変わらない無表情だが、尻尾が嬉しそうにブンブンしているロロコ。
今にも泣き崩れそうなアルメル。
いやぁ、よかったよかった。
「そちらの者たちも同行者か? 感謝する」
と、ラファとリザルドさんたちに頭を下げるクラクラ。
「いやぁ、あたしはもののついでだよ」
「俺たちも、別の用事があったからな」
ひらひらと手を振るラファに、肩を竦めるリザルドさん。
で、だ。
〈クラクラ、この子は……?〉
さっき名前呼んでたっぽいけど。
「ああ……ドグラという。エンシェント・ドラゴンの人間態だ」
はあああああ!?
つまり、あのドラゴンがこの子?
この女の子が、あの巨大ドラゴン!?
「そういや聞いたことがあるな。長い時を生きたドラゴンは、様々な姿に変身できるようになるって」
リザルドさんが言う。
マジか……。
でも、よく見るとたしかにその痕跡はあった。
女の子の肌はところどころ鱗に覆われている。
頭には角があるし、尻尾も生えている。
どれも、あのドラゴンのものとよく似ていた。
マジか……。
いやもう何回でも言うぞ。
マジかよ……!
「ところで……彼女、でいいんですかね? とにかく、このドラゴンの名前を知ってるってことは、クラクラさん、会話をかわしたんですよね? ひょっとして、このドラゴンが言っているライレンシアっていうのが誰のことなのかも聞いたんですか?」
お、そうだそうだ。
それが知りたい。
アルメル 、いいこと訊くね。
「ええと、それはだな……」
クラクラは渋い顔になった。
え、なんで?
「ぐおおおおおお!」
うわ!
ドラゴンが起きた!
咆哮そっくりの声をあげたが、見た目も声も幼女なので全然怖くない。
「むむう……なぜライレンシアがゴーレムの中におる……む!」
と幼女――ドグラはクラクラの姿を見つけると、
「ライレンシア! 城から出てきてはいかんと言うておいたじゃろ! もうそなたをどこにも連れ去らせはしないぞ!」
「くどい! 私はライレンシアではないと何度も……」
「うわーん! 違うわい違うわいライレンシアだわい!」
…………。
ええー。
ドラゴンの声と姿だと威厳と恐怖を振りまいてたけど。
今は変な口調の駄々っ子にしか見えないな。
「なんでじゃーなんでじゃライレンシアー。我と結婚するって言ったじゃろー? 約束したじゃろー。うわーんうわーん!」
ドグラはクラクラの脚にしがみつくみたいに抱きついて泣き出した。
お、おう……。
過去になにがあったかはともかく。
なんでドグラがクラクラをさらったのかは大体わかったな……。
ドラゴンにさらわれたクラクラを助けるためやってきた絶海の孤島ダンジョン。
その〈ドラゴンの巣〉と呼ばれる本島エリア。
ゴーレムを操ってなんとかたどり着いた俺たち。
そこへドラゴンが襲いかかってきた。
ゴーレムで立ち向かう俺!
激しくぶつかり合うドラゴンとゴーレム!
ドカン!
バコン!
そしてゴーレムの一撃がドラゴンにヒット!
と思ったらドラゴンの姿が消えて……。
……代わりにちんまい女の子がその場に倒れていた。
えーと、どういうこと!?
「ドグラ!」
あ、クラクラだ。
……クラクラ!?
城の方からエルフの姫騎士様が駆けてくる。
「クラクラ」
「無事だったんですね!」
ロロコとアルメルが声をかける。
クラクラは二人に微笑みかける。
「二人とも、それにリビタン殿も、助けに来てくれたのか……私のために、すまない」
「無事でよかった」
「ほんとですよおおおおお!」
いつもと変わらない無表情だが、尻尾が嬉しそうにブンブンしているロロコ。
今にも泣き崩れそうなアルメル。
いやぁ、よかったよかった。
「そちらの者たちも同行者か? 感謝する」
と、ラファとリザルドさんたちに頭を下げるクラクラ。
「いやぁ、あたしはもののついでだよ」
「俺たちも、別の用事があったからな」
ひらひらと手を振るラファに、肩を竦めるリザルドさん。
で、だ。
〈クラクラ、この子は……?〉
さっき名前呼んでたっぽいけど。
「ああ……ドグラという。エンシェント・ドラゴンの人間態だ」
はあああああ!?
つまり、あのドラゴンがこの子?
この女の子が、あの巨大ドラゴン!?
「そういや聞いたことがあるな。長い時を生きたドラゴンは、様々な姿に変身できるようになるって」
リザルドさんが言う。
マジか……。
でも、よく見るとたしかにその痕跡はあった。
女の子の肌はところどころ鱗に覆われている。
頭には角があるし、尻尾も生えている。
どれも、あのドラゴンのものとよく似ていた。
マジか……。
いやもう何回でも言うぞ。
マジかよ……!
「ところで……彼女、でいいんですかね? とにかく、このドラゴンの名前を知ってるってことは、クラクラさん、会話をかわしたんですよね? ひょっとして、このドラゴンが言っているライレンシアっていうのが誰のことなのかも聞いたんですか?」
お、そうだそうだ。
それが知りたい。
アルメル 、いいこと訊くね。
「ええと、それはだな……」
クラクラは渋い顔になった。
え、なんで?
「ぐおおおおおお!」
うわ!
ドラゴンが起きた!
咆哮そっくりの声をあげたが、見た目も声も幼女なので全然怖くない。
「むむう……なぜライレンシアがゴーレムの中におる……む!」
と幼女――ドグラはクラクラの姿を見つけると、
「ライレンシア! 城から出てきてはいかんと言うておいたじゃろ! もうそなたをどこにも連れ去らせはしないぞ!」
「くどい! 私はライレンシアではないと何度も……」
「うわーん! 違うわい違うわいライレンシアだわい!」
…………。
ええー。
ドラゴンの声と姿だと威厳と恐怖を振りまいてたけど。
今は変な口調の駄々っ子にしか見えないな。
「なんでじゃーなんでじゃライレンシアー。我と結婚するって言ったじゃろー? 約束したじゃろー。うわーんうわーん!」
ドグラはクラクラの脚にしがみつくみたいに抱きついて泣き出した。
お、おう……。
過去になにがあったかはともかく。
なんでドグラがクラクラをさらったのかは大体わかったな……。
0
お気に入りに追加
76
あなたにおすすめの小説

貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。

ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果
安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。
そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。
煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。
学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。
ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。
ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は……
基本的には、ほのぼのです。
設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。
悪役令嬢の追放エンド………修道院が無いじゃない!(はっ!?ここを楽園にしましょう♪
naturalsoft
ファンタジー
シオン・アクエリアス公爵令嬢は転生者であった。そして、同じく転生者であるヒロインに負けて、北方にある辺境の国内で1番厳しいと呼ばれる修道院へ送られる事となった。
「きぃーーーー!!!!!私は負けておりませんわ!イベントの強制力に負けたのですわ!覚えてらっしゃいーーーー!!!!!」
そして、目的地まで運ばれて着いてみると………
「はて?修道院がありませんわ?」
why!?
えっ、領主が修道院や孤児院が無いのにあると言って、不正に補助金を着服しているって?
どこの現代社会でもある不正をしてんのよーーーーー!!!!!!
※ジャンルをファンタジーに変更しました。

俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー
不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました
今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った
まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います
ーーーー
間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします
アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です
読んでいただけると嬉しいです
23話で一時終了となります

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる