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第3章 絶海の孤島ダンジョン編
122 上陸! ドラゴンの巣
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どうも、リビングアーマーの俺です。
――ドスーン、ドスーン。
こっちは人犬族のロロコ。
それにドワーフ嬢のアルメル。
――ザバー、ザバー。
で、ゴブリン娘のラファ。
リザルドさんたち冒険者部隊の皆さん。
――グオン、グオン。
んー……。
なんか合間に変な音が入るな。
まあ仕方ない。
俺たちは今、ゴーレムに乗って海を渡っている。
大量のパーツをどんどん融合させて大きくなった巨大ゴーレムだ。
もう半端ない大きさ。
俺たち全員、手のひらに乗れちゃうくらいだからね。
このゴーレムは今や完全に俺の管理下にあった。
もう自分の手足のように動かすことができる。
前に五十四体の鎧を同時に動かしたこともあった。
あれに比べりゃ全然楽なもんだ。
ただ、巨体なのがちょっと大変な面もある。
ちょっと動きを速くしたせいで大波が起こってしまったり。
ちょっと足の力加減を間違えたせいで海底が削れてしまったり。
その辺の力加減は気をつけないといけない。
「しかしすげえな。ゴーレムを操れるなんて。リビタン、お前実は凄腕の魔法使いか?」
〈いやあ、ははは……〉
俺は笑ってごまかすしかない。
「島が見えた」
ロロコが言って、みんな一斉に前方に目を向けた。
おお!
本当だ!
緑が生い茂った孤島。
その中央には不釣り合いに立派な城が建っている。
〈あれ?〉
「どうしたの、リビタン」
〈いや……たしか、あの島にはでっかい樹があるんじゃなかったっけ?〉
たしかアルメルが言っていた。
ハーレンファラスっていう、雲を突くような大樹がそびえているって。
けど、ここからはそんなものは見えなかった。
「ハーレンファラスは魔力を帯びていて、島の外からは見えないんです」
〈へー、そうなんだ〉
妙な樹があるもんだな。
そういやハーレンファラスの根はダンジョンに張り巡らされているって話だったよな。
さっきまでゴーレムがさんざんダンジョンを破壊してたけどさ。
そのせいでハーレンファラスが枯れるなんてことはないよな……。
……うん、考えても仕方ないことは考えないでおこう。
やがて俺たちは島に到達した。
ゴーレムの手を下させ、海岸の岩場に降り立つ。
やったーーーーーーーーー!
ついに到達!
絶海の孤島ダンジョン、本島エリアにやってきました!
〈うわっでかっ!〉
でっかい樹が視界に入って俺は思わずひっくり返りそうになる。
すごい近くにあるように見えたけど、実際には城の背後にその樹はある。
なのに、城より幅が広い。
遠近感がめちゃくちゃでおかしくなりそうだ。
これがハーレンファラスか。
すごいな……。
〈さて、ここからどうしようか〉
俺たちの目的はドラゴンにさらわれたクラクラを助けること。
となれば、まず城に行ってドラゴンとクラクラがいるかどうかを確かめるべきか。
「まずは全員で行動して、ドラゴンがいるかどうかを確認してえな。じゃないと落ち着いて発掘作業もできねえ」
リザルドさんが言う。
まあそうだよね。
〈わかりました。それじゃ城に向かいましょう――〉
と俺が言いかけたところで。
――グオオオオオオオオォォォオオオオン。
げ。
この鎧にビリビリ響くような声は。
「誰だ、我の島に立ち入る者は」
ぎゃーーーー!
やっぱり!
城からドラゴンが飛んできた!
――ドスーン、ドスーン。
こっちは人犬族のロロコ。
それにドワーフ嬢のアルメル。
――ザバー、ザバー。
で、ゴブリン娘のラファ。
リザルドさんたち冒険者部隊の皆さん。
――グオン、グオン。
んー……。
なんか合間に変な音が入るな。
まあ仕方ない。
俺たちは今、ゴーレムに乗って海を渡っている。
大量のパーツをどんどん融合させて大きくなった巨大ゴーレムだ。
もう半端ない大きさ。
俺たち全員、手のひらに乗れちゃうくらいだからね。
このゴーレムは今や完全に俺の管理下にあった。
もう自分の手足のように動かすことができる。
前に五十四体の鎧を同時に動かしたこともあった。
あれに比べりゃ全然楽なもんだ。
ただ、巨体なのがちょっと大変な面もある。
ちょっと動きを速くしたせいで大波が起こってしまったり。
ちょっと足の力加減を間違えたせいで海底が削れてしまったり。
その辺の力加減は気をつけないといけない。
「しかしすげえな。ゴーレムを操れるなんて。リビタン、お前実は凄腕の魔法使いか?」
〈いやあ、ははは……〉
俺は笑ってごまかすしかない。
「島が見えた」
ロロコが言って、みんな一斉に前方に目を向けた。
おお!
本当だ!
緑が生い茂った孤島。
その中央には不釣り合いに立派な城が建っている。
〈あれ?〉
「どうしたの、リビタン」
〈いや……たしか、あの島にはでっかい樹があるんじゃなかったっけ?〉
たしかアルメルが言っていた。
ハーレンファラスっていう、雲を突くような大樹がそびえているって。
けど、ここからはそんなものは見えなかった。
「ハーレンファラスは魔力を帯びていて、島の外からは見えないんです」
〈へー、そうなんだ〉
妙な樹があるもんだな。
そういやハーレンファラスの根はダンジョンに張り巡らされているって話だったよな。
さっきまでゴーレムがさんざんダンジョンを破壊してたけどさ。
そのせいでハーレンファラスが枯れるなんてことはないよな……。
……うん、考えても仕方ないことは考えないでおこう。
やがて俺たちは島に到達した。
ゴーレムの手を下させ、海岸の岩場に降り立つ。
やったーーーーーーーーー!
ついに到達!
絶海の孤島ダンジョン、本島エリアにやってきました!
〈うわっでかっ!〉
でっかい樹が視界に入って俺は思わずひっくり返りそうになる。
すごい近くにあるように見えたけど、実際には城の背後にその樹はある。
なのに、城より幅が広い。
遠近感がめちゃくちゃでおかしくなりそうだ。
これがハーレンファラスか。
すごいな……。
〈さて、ここからどうしようか〉
俺たちの目的はドラゴンにさらわれたクラクラを助けること。
となれば、まず城に行ってドラゴンとクラクラがいるかどうかを確かめるべきか。
「まずは全員で行動して、ドラゴンがいるかどうかを確認してえな。じゃないと落ち着いて発掘作業もできねえ」
リザルドさんが言う。
まあそうだよね。
〈わかりました。それじゃ城に向かいましょう――〉
と俺が言いかけたところで。
――グオオオオオオオオォォォオオオオン。
げ。
この鎧にビリビリ響くような声は。
「誰だ、我の島に立ち入る者は」
ぎゃーーーー!
やっぱり!
城からドラゴンが飛んできた!
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