転生したら鎧だった〜リビングアーマーになったけど弱すぎるので、ダンジョンをさまよってパーツを集め最強を目指します

三門鉄狼

文字の大きさ
上 下
144 / 286
第3章 絶海の孤島ダンジョン編

122 上陸! ドラゴンの巣

しおりを挟む
 どうも、リビングアーマーの俺です。
 
 ――ドスーン、ドスーン。

 こっちは人犬族のロロコ。
 それにドワーフ嬢のアルメル。

 ――ザバー、ザバー。

 で、ゴブリン娘のラファ。
 リザルドさんたち冒険者部隊の皆さん。

 ――グオン、グオン。

 んー……。
 なんか合間に変な音が入るな。

 まあ仕方ない。

 俺たちは今、ゴーレムに乗って海を渡っている。
 大量のパーツをどんどん融合させて大きくなった巨大ゴーレムだ。

 もう半端ない大きさ。
 俺たち全員、手のひらに乗れちゃうくらいだからね。

 このゴーレムは今や完全に俺の管理下にあった。
 もう自分の手足のように動かすことができる。

 前に五十四体の鎧を同時に動かしたこともあった。
 あれに比べりゃ全然楽なもんだ。

 ただ、巨体なのがちょっと大変な面もある。
 ちょっと動きを速くしたせいで大波が起こってしまったり。
 ちょっと足の力加減を間違えたせいで海底が削れてしまったり。

 その辺の力加減は気をつけないといけない。

「しかしすげえな。ゴーレムを操れるなんて。リビタン、お前実は凄腕の魔法使いか?」

〈いやあ、ははは……〉

 俺は笑ってごまかすしかない。

「島が見えた」

 ロロコが言って、みんな一斉に前方に目を向けた。

 おお!
 本当だ!

 緑が生い茂った孤島。
 その中央には不釣り合いに立派な城が建っている。

〈あれ?〉

「どうしたの、リビタン」

〈いや……たしか、あの島にはでっかい樹があるんじゃなかったっけ?〉

 たしかアルメルが言っていた。
 ハーレンファラスっていう、雲を突くような大樹がそびえているって。
 けど、ここからはそんなものは見えなかった。

「ハーレンファラスは魔力を帯びていて、島の外からは見えないんです」

〈へー、そうなんだ〉

 妙な樹があるもんだな。

 そういやハーレンファラスの根はダンジョンに張り巡らされているって話だったよな。
 さっきまでゴーレムがさんざんダンジョンを破壊してたけどさ。
 そのせいでハーレンファラスが枯れるなんてことはないよな……。

 ……うん、考えても仕方ないことは考えないでおこう。

 やがて俺たちは島に到達した。

 ゴーレムの手を下させ、海岸の岩場に降り立つ。

 やったーーーーーーーーー!
 ついに到達!

 絶海の孤島ダンジョン、本島エリアにやってきました!

〈うわっでかっ!〉

 でっかい樹が視界に入って俺は思わずひっくり返りそうになる。

 すごい近くにあるように見えたけど、実際には城の背後にその樹はある。
 なのに、城より幅が広い。

 遠近感がめちゃくちゃでおかしくなりそうだ。

 これがハーレンファラスか。
 すごいな……。

〈さて、ここからどうしようか〉

 俺たちの目的はドラゴンにさらわれたクラクラを助けること。

 となれば、まず城に行ってドラゴンとクラクラがいるかどうかを確かめるべきか。

「まずは全員で行動して、ドラゴンがいるかどうかを確認してえな。じゃないと落ち着いて発掘作業もできねえ」

 リザルドさんが言う。
 まあそうだよね。

〈わかりました。それじゃ城に向かいましょう――〉

 と俺が言いかけたところで。

 ――グオオオオオオオオォォォオオオオン。

 げ。
 この鎧にビリビリ響くような声は。

「誰だ、我の島に立ち入る者は」

 ぎゃーーーー!
 やっぱり!

 城からドラゴンが飛んできた!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果

安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。 そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。 煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。 学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。 ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。 ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は…… 基本的には、ほのぼのです。 設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー 不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました 今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います ーーーー 間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です 読んでいただけると嬉しいです 23話で一時終了となります

2回目の人生は異世界で

黒ハット
ファンタジー
増田信也は初めてのデートの待ち合わせ場所に行く途中ペットの子犬を抱いて横断歩道を信号が青で渡っていた時に大型トラックが暴走して来てトラックに跳ね飛ばされて内臓が破裂して即死したはずだが、気が付くとそこは見知らぬ異世界の遺跡の中で、何故かペットの柴犬と異世界に生き返った。2日目の人生は異世界で生きる事になった

47歳のおじさんが異世界に召喚されたら不動明王に化身して感謝力で無双しまくっちゃう件!

のんたろう
ファンタジー
異世界マーラに召喚された凝流(しこる)は、 ハサンと名を変えて異世界で 聖騎士として生きることを決める。 ここでの世界では 感謝の力が有効と知る。 魔王スマターを倒せ! 不動明王へと化身せよ! 聖騎士ハサン伝説の伝承! 略称は「しなおじ」! 年内書籍化予定!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...