転生したら鎧だった〜リビングアーマーになったけど弱すぎるので、ダンジョンをさまよってパーツを集め最強を目指します

三門鉄狼

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第3章 絶海の孤島ダンジョン編

113 冒険者の皆さん

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 どうも、リビングアーマーの俺です。
 こっちはゴブリン娘のラファ。

 そして人犬族のロロコ。
 さらにドワーフ嬢のアルメル。

 ついに!
 二人と合流できました!

 長かったなぁ……。
 しかし、絶海の孤島ダンジョンの本島で落ち合う予定だったんだけど。
 それより早く合流できるとは思わなかったな。

 それもあのゴーレム団子のおかげかな?

 で、そのゴーレム団子なんだけど。

「な、なんなんだこいつ!」
「くそ、手が付けられねえ!」

 落下する俺たちの下方で、騒いでいる声がする。
 どうやら、この穴の底に人がいるっぽい。
 それもそこそこの人数。
 そしてそこに、あのゴーレム団子が突っ込んでってしまったみたいなのだ。

〈なんかヤバそうだな……急ぐぞ〉

 俺は三人に言って、降下させている鎧パーツの速度を少し速めた。

 やがて、穴の底が見えてくる。

 そこでは冒険者たちがゴーレム団子と向かい合っていた。

 十人くらいかな?
 冒険者とわかったのは、全員腕輪をしていたからだ。
 俺のとは違う、新型の冒険書ですね。
 羨ましいですねー。

 それはともかく、その冒険者たちはけっこうな上級者のようだった。
 なにしろあのゴーレム団子を剣で牽制している。

『危険危険危険危険危険』

 相変わらずそう繰り返しながら、ギュイギュイ回転するゴーレム団子。
 それを冒険者たちは剣で弾いたりして近づけないようにしている。

 しかし――。

「くそっ、刃が欠けやがった!」
「当たり前だ。相手はオリハルコンだぞ」
「でもどうすんだよ。このままじゃ押し潰されるぞ」

 やっぱり苦戦してるみたいだ。

 ゴーレム団子はどんどん回転数を上げてってるっぽい。
 放っておくわけにはいかないだろう。

「な、な、な、なんなんですかあれぇ!?」

 アルメルが叫ぶが説明は後だ。
 俺はとりあえず、冒険者たちの背後に降り立つ。

 気づかれないように身体を組み立てて、と。

〈おおい、こっちこっち〉

「あ、なんだぁ?」

 ほかの冒険者に指示を出していた男が声に気付いてくれた。

〈こっちにくぼみがあります。そのゴーレム団子に気づかれないように、一人ずつ逃げてきてください〉

「おう、了解だ」

 俺の言葉に即座に頷いて、彼は仲間に指示していく。

 そして、一人、また一人とこっちに移ってきた。

「ぬお、デカっ」

 と俺を見て驚く者や、

「珍しい組み合わせのパーティだな」

 とロロコやアルメル、ラファを見て驚く者もいた。

 けど、奇異の視線で見てくる者はいなかった。

 全員が使い古した装備を身につけていて、歴戦の冒険者って感じだ。

「隊長、オッケーだ!」
「おう。了解」

 最後に残った男は頷くと、ゴーレム団子になにかを投げつけた。
 とたん、ゴーレム団子を白い煙が覆う。

「あらよっと」

 男もこっちに飛び込んできた。

「いやぁ、助かったぜ。あんたらも冒険者か?」

〈まあ、そんなところです〉

 俺たちはそれぞれ名乗った。

 男は頷くと、名乗りかえしてきた。

「俺はリザルド。この冒険者部隊の隊長をやってる」
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