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第3章 絶海の孤島ダンジョン編

109 ゴーレム・イン・ザ・ダンジョン

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 どうも、リビングアーマーの俺です。
 こっちはゴブリン娘のラファ。

 二人で、トカゲウオの狩場に降りてきたところ。
 元・狩場って言うべきかな。

 なにしろラファのビーム砲連射で原型を留めてないからな。
 岩は崩れて、水場は蒸発し、トカゲウオは焼きトカゲウオになっている。

「うわー! いい香り。美味しそう! 食料食料!」

 ラファはルンルンなノリでその焼きトカゲウオを集めている。
 俺はものを食べられないのでいまいちノれない。
 いいなー……。

 まあ、俺は俺で目当てがあるからいいけどさ。

 片足でビョンビョン飛び跳ねながら、目的の場所に到着。
 邪魔な岩を退ける。
 ビームで崩れたので、片腕でもなんとかなった。

 お、出てきた出てきた。
 ……けど、これ、トカゲウオに取られた俺のパーツじゃないな。

 さっきトカゲウオから逃げるとき、俺は左腕パーツと右脚パーツを奪われた。
 その奪われたパーツが落ちてるのかと思ったんだけど。

 そこにあったのは、アルメル謹製の俺の鎧とは別物だった。

〈これ、ゴーレムのパーツだよな……〉

 現在、俺の頭パーツと右腕パーツはゴーレムのパーツになっている。
 そこに埋まっていたのは、それらと同じような材質のパーツだった。

〈えっと、これが腕か? こっちは胴体か? ん、また腕?〉

 右と左ってわけでもないな。
 あれ?
 また腕が出てきた?

 次は脚。
 胴体。
 胴体。
 脚。
 脚。
 腕。
 頭。
 頭。

 なんだこれ!
 どんどん出てくる!

〈なんだこれ……〉

 俺はいったん発掘を止めて辺りを見回す。
 今俺が掘り進めたところだけでも、山のようにゴーレムのパーツが埋まっている。

 ここはなんだ?
 ゴーレムの製造工場か?
 あるいは倉庫か。
 ゴミ捨て場か。

 なんにしろ、ちょっと掘ったくらいじゃ掘りきれないくらいのパーツがある。

「どうかしたリビタン? ……うわ! なにこれ!?」

 ラファもトカゲウオ集めを中断して見にきた。

「すごーい。これならリビタンの鎧がどんなに壊れても交換し放題じゃん」

 ……うん。
 まあそうだけど。
 そんなに壊れたくないです。

 でも、失ったパーツを補充できるのはありがたい。

 俺は目につくパーツの中から比較的綺麗な左腕と右脚を引っ張り出した。

〈えーと、起動すればいいんだっけ〉

 前は、たしかこうやって……。

 ガイン! とぶん殴る。
 すると、

『起動します』

 お、うまくいった。

『自動補助機能が作動しています。左腕、及び右脚を補助します』

 ギュイン! とゴーレムパーツが動いて俺の身体に接続した。

「どう?」
〈おお、いい感じだ〉

 違和感は特にない。
 じゃっかん重くなった感じはあるけど、逆にスムーズに動くようになった気もする。

 ゴーレムはオリハルコン製だ。
 数値としてはさらに丈夫になったと言えるだろう。

〈よし、それじゃ先に進もう〉
「待って、もうちょっと食料を確保しておきたい」
〈あ、そうか。オッケー〉

 なんて言葉を交わしていると、

『起動します』

 ――ん?

『起動します』
『起動します』
『起動します』
『起動します』『起動します』『起動します』『起動します』『起動します』『起動します』『起動します』『起動します』『起動します』『起動します』『起動します』『起動します』『起動します』『起動します』『起動します』

 ――んんんんん?

 そこら中の地面の下から声が響く。
 そして、どばしゃ! と岩や土砂を突き破って大量のゴーレムパーツが浮き上がった。

 のわーーーーーー!?
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