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第3章 絶海の孤島ダンジョン編

103 岩ときどき蛇、ところによりカエル

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 どうも、リビングアーマーの俺です。
 それとゴブリン娘のラファ。

 ――がらがらがらがらがらがら!
 ――シャーーーーーーーーー!

 今のは天井が崩れて落ちる岩と、一緒に落ちる大蛇さんたち。

 なんなんだよもう!

〈ラファ、俺と岩の間に入れ〉
「わかった」

 俺は手と足で岩壁にしがみついて、胴を少し浮かせて岩壁との間に隙間を作る。
 ラファはそこに移動する。

 こうすれば、ラファは安全だろう。

 ゴン、ガン、ゴイン!

 と落下していく岩のいくつかが俺の身体に当たる。
 痛くはないので気にしない。
 まあ鎧は傷つくけど、それはあとで交換すればいいしな。

 ボン、バン、ドスン!

 ついでに蛇もぶつかっていく。
 そっちもまあいいけど、けっこう衝撃が大きい。

 あとお前らわざとぶつかってきてるよな!
 くっそ、あとで見てろよ……。

 とは思うけど、実際どうすりゃいいのかさっぱりわからん。

 天井の崩落は全然治る気配がないし。
 大蛇も後から後から落ちてくる。
 ついでに言うと、岩壁をよじ登って、下からも蛇が迫ってきてる。

 俺もいつまでこうやって掴まってられるかわかったもんじゃない。

 ビタン!

 と蛇の一匹が俺の肩に乗っかってきた。

 おい、やめろよ。
 お前ら結構重たいんだから!
 落っこちちゃうだろうが。

 ビタン!
 ビタンビタンビタン!

 あーーーーーー!
 やめろやめろやめろ!

 大蛇どもがどんどん俺にのしかかってくる。
 ラファが追い払おうとしてくれるけど、体勢が悪くてうまくいかない。

 くそ、どんどん重みを増してって、手が岩壁から外れそう……。

 ――がらがらがらがらっ!

 と、そこでさらに天井が大きく崩れた。

 これまでの比じゃないくらい大量に岩が落っこちて。

 ――ゲコゲコゲコゲコ!

 その中にカエルも混ざっていた。

 …………なんでだよ!

 岩。
 カエル。
 岩、岩、岩。
 カエル。岩。
 岩、カエル、岩、岩、岩。
 岩、岩、岩、岩、岩、岩、岩。
 カエル、岩、岩、カエル、岩、カエル、岩、岩。

 こんな感じ。

「あれはマギ・フロッグ・ノームだね。このダンジョンの上の森に住んでる、土魔法を使うカエルのモンスターだよ」

 マギ・フロッグか。
 前に大洞窟ダンジョンの上の森でも遭遇したな。
 あれはたしか、水魔法を使う種類だった。
 あいつらの毒のせいで俺は一回兜パーツだけになったんだよな……。

 しかし今回のカエルどもは俺たちに構ってる暇はない様子。
 岩と一緒にどんどん落下していく。

 っていうか……これ俺ももうむり……。

 ゴン!

 と頭にぶつかった岩が最後の決め手になった。

 俺の手が岩壁から外れて、俺とラファは『ドラゴンの寝床』の底へ落ちていく。

 うわあああああああ!

 どすん、がしゃん、ごしゃん!

 と派手な音を立てて俺は地面に落ちた。

 くっそー、よく見えないけど背中部分が盛大に凹んだ気がするぞ。
 ラファは俺が腹側に抱えて無事だ。

〈大丈夫か?〉
「うん、なんとか」

 よかった。
 それじゃすぐに逃げないと。

 なにしろ、ここには大蛇と毒ナメクジと魔法カエルがいやがる。
 一種類だけでもやばいモンスターが三種類。

 ひょっとしたらもうどうしようもない状況かもしれないけど。
 それでも諦める気にはなれない。

 しかし。

 ――シャーーーーーーーーー!

 俺たちの正面には大蛇の群れ。

 ――ゲコゲコゲコゲコ!

 右斜め後ろにはカエルの群れ。

 ――にゅにゅにゅべしゃ!

 左斜め後ろにはナメクジの群れ。

 囲まれた!?
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