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第2章 バリガンガルド編

49 水中大決戦!

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〈ロロコ! 息を吸え!〉
「……!(すううううぅ)」

 俺の呼びかけに頷きながら、ロロコは息を吸う。

〈よし、行くぞ!〉
「……!(こくこく)」

 そして、俺たちはふたたび水の中へ。

 ふー。
 あぶねえあぶねえ。

 洞窟のなかで洪水に巻き込まれて。
 なんとか息を吸えそうな場所を見つけて。
 やっと顔を出したと思ったら、そこはモンスターだらけときた。

 あいつらも洪水から避難してたのかな?

 ま、トカゲみたいな奴らだったし、水に潜れば追ってはこないだろう……

 ――バシャンバシャンバシャン!

 ぎゃー!
 追ってきたー!

 よく見りゃあいつら、背中や尻尾にヒレみたいのついてんじゃん!
 足の指もなんか水かき装備だし!

 トカゲなの?
 サカナなの?
 はっきりしろ!

 しかしまずいな。
 さっきより流れが弱まってきたっぽいけど、俺たちは水中じゃ動きづらい。

 しかも、俺は壊れかけの腕だけだし。
 ロロコは火魔法しか使えない。
 水の中じゃ戦いようがない。

〈って、ロロコ!?〉

 ロロコが、俺を左手に持ち替えて、右手でナイフを抜いた。
 ここで戦う気か?

 まあ、他に手はないんだけど……。

「……っ!」

 モンスター――仮にトカゲウオと呼ぼう――が突っ込んできた。
 それを、ナイフで受けるロロコ。

 ――ざしゅ!

 パアッと赤黒い血が散る。

 やった!
 こいつら、防御力はそんな高くないな。

 ――ボロボロボロボロ!

 ってなんか変な声を出すトカゲウオ(仮)たち。
 仲間をやられて怒ってる?

 ――びゅお!

 うおっ!
 手足を身体にぴったりつけて、すごい勢いで突っ込んできやがった。

 運良くかわせたけど、あれ喰らったらきついんじゃないか?

 ――ボロボロボロボロ!
 ――ボロボロボロボロ!
 ――ボロボロボロボロ!

 げ。
 俺たちが、今の攻撃をかわすのが苦手だとバレたっぽい。
 周りじゅうのトカゲウオが手足をぴったりさせて突っ込む体勢だ。

 ――びゅお!
 のわっ! 

 ――びゅお!
 ひょわっ!

 ――びゅお!
 おぅわぁ!

 いまのは危なかった。
 ……って前にもこんなことしてなかったかな。

 ロロコはナイフで突っ込んできたトカゲウオに斬り付けようとするけど、かわされる。
 水中じゃ、奴らが有利すぎる。

 それに、ロロコの息もそう長くは保たないぞ。

 この激流いつまで続くんだよ……!

 ガゴンガゴン!

 また俺のパーツが壁にぶつかった。
 と思ったら、また水の勢いが増してきたな?

 違う……。
 これ、洞窟が下向きになったんだ。

 ウォータースライダーみたいに、水が流れてってる!

〈うおおおおおお!〉

 一気に加速!
 しかも、トカゲウオは気にせず俺たちを攻撃してこようとする。

 くそ、かわしきれねえ!
 こうなったら……。

 ぐるぐるぐるぐるぐるぐる~~!!

 必殺! 水中大車輪!

 ――ボロボロボロボロ!

 突然妙な動きを始めた俺に、トカゲウオたちは警戒する。

 ふっふっふ。
 ……実は、気にせず突っ込んでこられたらどうしようかと思ってたんだ。

 多分、俺簡単に壊れるからね。
 でも、うまくいったっぽい。

 トカゲウオたちは俺たちから距離をとって様子見してる。

 よーし。

 ぐるぐるぐるぐるぐるぐる~~!!

 俺はさらに回転を速める。
 下りの激流に加えて、スクリューの効果で俺たちはさらに加速。

 警戒するトカゲウオたちを一気に引き離す。

〈おおおおお!〉
「……!」

 さらに水の勢いが増す。
 そして……。

 バシャアアアアアアア!

 俺たちは広い空間に飛び出した。
 そのまま水の滑り台を滑るように落下。

 バシャアアアアアアアン!

 池に着水した。

 あー。
 やっと抜け出せたぜ!
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