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第1章 大洞窟ダンジョン編
34 鳥だ! 飛行機だ! いや、リビングアーマーだ!
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〈うわあああああ!〉
バシャバシャバシャバシャ――。
――じゅううううう!
〈ぎゃあああああ!〉
どうも、リビングアーマーです。
いったいなにをしてるところかわかるかな?
正解は――。
犬耳っ娘を抱えて、大量のカエルから逃げ回り、毒の沼を走っています!
カエルの毒液と沼の毒で鎧のところどころが煙を吹いて溶けかけてます!
やばいやばいやばい!
そこまで深い沼じゃないのがせめてもの救い。
水面は、膝の少し上くらいだ。
ロロコは念のため両腕を持ちあげて抱えてるので、毒液がかかることはないはず。
――びよん、びよん!
――びよん、びよん!
くそ、周りをカエルたちが追ってくる。
こいつらは、平気な顔して沼に入ってるな。
どういうことだよ!
「たぶん、水魔法で水の膜を作って、それで身体を覆ってる」
なるほどな!
わかりやすい解説ありがとう!
くそっ。
モンスターのくせに頭がいいな。
というよりも、自然とそういう習性になったのかもな。
多数で獲物を追い込んで、毒の沼に誘い込む。
自分たちは水魔法で安全確保した上で、獲物が行動不能になるまで溶かす。
そして美味しく頂くわけだ!
なんか前にも同じような扱いされたことがあったな!
コウモリのときだ!
基本、俺もロロコもちっこいからな。
手頃な獲物に見えるんだろう。
ちくしょうめ!
――じゅうううう!
くそ!
いいかげん沼から脱出しないと溶けちまう。
しかし、カエルの包囲網はどんどん縮まってる。
下手に動くと、毒液吐かれるし。
どうしたもんか。
「ねえ」
〈なんだ!〉
「トロッコのときも思ったんだけど」
〈ん?〉
「なんで飛んで逃げないの」
〈…………………………おお!〉
言われてみれば!
俺飛べるじゃん!
〈おりゃーーーーーー!〉
ふわっ――。
浮いた!
いけるぞ!
考えてみたら、本体をまとまった状態で飛ばすのは初めてだ。
けど、そう苦もなくできるな。
〈よし、ロロコ。背中に移動してくれ〉
「こう?」
〈そうそう〉
よし。
いい感じだ。
俺は両腕を前に伸ばして、宙を滑るように飛ぶ。
気分はアメコミヒーローだ。
ちょっと、身長が足りないけどな。
よし、このまま上昇して――あれ?
「どうしたの」
〈いや、これ以上高く飛べないっぽい〉
くそ、マジかよ。
沼の水面からせいぜい1メートルくらいの高さだ。
これじゃ普通にカエルから攻撃されるじゃん!
――ゲコゲコゲコゲコゲコ!
おわ!?
なんか、俺らが逃げようとしたので怒ってるっぽい。
――ビヨォン!
うへぇ!
なんか舌を伸ばしてきた。
――ブシャ!
ロロコがナイフを抜いて、それを弾く!
舌をちょっと切られ、カエルはすぐにそれを引っ込めた。
ふぅ……。
しかし、このままじゃマズいぞ。
いくらロロコだって、この数に同時にこられたら対処できないだろう。
一斉に毒液を吐かれでもしたら、二人ともヤバい。
なんとかしなきゃ――ん?
なんだあいつ。
1匹、俺らを追う群れから外れて、草の陰に行ったぞ。
あ。
身体表面の水魔法を解除してる。
なんか、ちょっと休憩みたいな雰囲気だな。
休憩ねえ。
魔法を使い続けるのがきついのかな?
……いや。
待てよ。
こいつら、カエルだもんな。
地球のカエルと同じってわけじゃないけど。
でも、今のやつの様子を見るに……。
〈なあ、ロロコ。もしかして――〉
ごにょごにょごにょごにょ。
「うん。それはあると思う」
よっしゃ!
だったら試してみるか!
バシャバシャバシャバシャ――。
――じゅううううう!
〈ぎゃあああああ!〉
どうも、リビングアーマーです。
いったいなにをしてるところかわかるかな?
正解は――。
犬耳っ娘を抱えて、大量のカエルから逃げ回り、毒の沼を走っています!
カエルの毒液と沼の毒で鎧のところどころが煙を吹いて溶けかけてます!
やばいやばいやばい!
そこまで深い沼じゃないのがせめてもの救い。
水面は、膝の少し上くらいだ。
ロロコは念のため両腕を持ちあげて抱えてるので、毒液がかかることはないはず。
――びよん、びよん!
――びよん、びよん!
くそ、周りをカエルたちが追ってくる。
こいつらは、平気な顔して沼に入ってるな。
どういうことだよ!
「たぶん、水魔法で水の膜を作って、それで身体を覆ってる」
なるほどな!
わかりやすい解説ありがとう!
くそっ。
モンスターのくせに頭がいいな。
というよりも、自然とそういう習性になったのかもな。
多数で獲物を追い込んで、毒の沼に誘い込む。
自分たちは水魔法で安全確保した上で、獲物が行動不能になるまで溶かす。
そして美味しく頂くわけだ!
なんか前にも同じような扱いされたことがあったな!
コウモリのときだ!
基本、俺もロロコもちっこいからな。
手頃な獲物に見えるんだろう。
ちくしょうめ!
――じゅうううう!
くそ!
いいかげん沼から脱出しないと溶けちまう。
しかし、カエルの包囲網はどんどん縮まってる。
下手に動くと、毒液吐かれるし。
どうしたもんか。
「ねえ」
〈なんだ!〉
「トロッコのときも思ったんだけど」
〈ん?〉
「なんで飛んで逃げないの」
〈…………………………おお!〉
言われてみれば!
俺飛べるじゃん!
〈おりゃーーーーーー!〉
ふわっ――。
浮いた!
いけるぞ!
考えてみたら、本体をまとまった状態で飛ばすのは初めてだ。
けど、そう苦もなくできるな。
〈よし、ロロコ。背中に移動してくれ〉
「こう?」
〈そうそう〉
よし。
いい感じだ。
俺は両腕を前に伸ばして、宙を滑るように飛ぶ。
気分はアメコミヒーローだ。
ちょっと、身長が足りないけどな。
よし、このまま上昇して――あれ?
「どうしたの」
〈いや、これ以上高く飛べないっぽい〉
くそ、マジかよ。
沼の水面からせいぜい1メートルくらいの高さだ。
これじゃ普通にカエルから攻撃されるじゃん!
――ゲコゲコゲコゲコゲコ!
おわ!?
なんか、俺らが逃げようとしたので怒ってるっぽい。
――ビヨォン!
うへぇ!
なんか舌を伸ばしてきた。
――ブシャ!
ロロコがナイフを抜いて、それを弾く!
舌をちょっと切られ、カエルはすぐにそれを引っ込めた。
ふぅ……。
しかし、このままじゃマズいぞ。
いくらロロコだって、この数に同時にこられたら対処できないだろう。
一斉に毒液を吐かれでもしたら、二人ともヤバい。
なんとかしなきゃ――ん?
なんだあいつ。
1匹、俺らを追う群れから外れて、草の陰に行ったぞ。
あ。
身体表面の水魔法を解除してる。
なんか、ちょっと休憩みたいな雰囲気だな。
休憩ねえ。
魔法を使い続けるのがきついのかな?
……いや。
待てよ。
こいつら、カエルだもんな。
地球のカエルと同じってわけじゃないけど。
でも、今のやつの様子を見るに……。
〈なあ、ロロコ。もしかして――〉
ごにょごにょごにょごにょ。
「うん。それはあると思う」
よっしゃ!
だったら試してみるか!
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