35 / 286
第1章 大洞窟ダンジョン編
31 今度こそダンジョンの外へ
しおりを挟む
『リビングアーマー LV.17 名前:なし
HP:576/865(658/923)
MP:316/437(354/598)
物理攻撃力:125(201)
物理防御力:143(197)
魔法攻撃力:3(3)
魔法抵抗力:3(3)
スキル:霊体感覚+1、霊体操作+1
称号:駆け出し冒険者、初級冒険者、魔物討伐者
称号特典:魔力習得率アップLV.1、魔力変換率アップLV.1、恐怖耐性LV.3』
◆◇◆◇◆
どうも、リビングアーマーです。
犬耳っ娘と一緒に蜘蛛集団から逃れ、ようやく鉱山の出口にたどり着きつつあります。
けど、ちょっと休憩。
べつに、出口まで徒歩5分!ってわけでもないみたいだし。
休めるときに休んでおいたほうがいい。
というわけで、ちょっとステータスをチェックしてたんだけど。
〈うーん……〉
「どうしたの」
〈なんか、ステータスが上がってないみたいなんだよね〉
というか、むしろ下がってるよね?
レベルも上がってないし。
フライング・アラクニドにストリング・アラクニド。
けっこう頑張って倒したと思ったんだけど。
それとも、あいつら魔力がすごい低いとか?
この世界、死んだ魔物の魔力が経験値になってレベルが上がるらしいから。
倒すのにどんなに大変でも、魔力が低いともうけが少ないっていうね……。
と思ったら、ロロコに違うと言われた。
「たぶん、あいつらは死んでない」
〈え?〉
「アラクニド種は、高いところから落ちても平気」
〈あー……〉
なるほど。
そういや、あいつらには攻撃を直撃できてない。
みんな、谷底に落ちてっただけだ。
え、マジ!?
じゃああの戦闘で獲得経験値ゼロなの!?
そりゃないよ~。
って嘆いてる間に、各数値が下がっている理由に気づいた。
これあれだ。
鱗状鎧をなくした分だ。
ちくしょう。
なんだか踏んだり蹴ったりだな。
〈スキルの下にある『+1』ってのはなんだ?〉
たしか前はついてなかったよな?
「それは、ごほうび」
〈ごほうび?〉
「そのスキルをたくさん使うと、増えていく」
〈へえ……称号特典のレベルとはどう違うんだ?〉
「ごほうびのほうは、数字が増えると、称号が手に入ったり、スキルが進化したりする」
〈おお、なるほど!〉
「称号特典のほうは、ただ、どのくらいのレベルか示してるだけ」
スキルを使うと、進化したり称号が増える。
称号が増えると、称号特典が増える。
冒険書にこの順番で書いてあるのも意味があったんだな。
で、俺の場合。
霊体感覚だの霊体操作だのは日常的に行ってる。
だから、普通の人間より数値が増えるのは早いんじゃないか?
進化するのか、称号がもらえるのかわからないけど、楽しみだぜ。
〈ところで、ロロコはどんなスキル持ってるんだ?〉
「それは、わからない」
〈え、そうなのか〉
「冒険書がないから」
そうだった。
人犬族が冒険書を持つことは、領主が禁じてるんだっけな。
「スキルっていうのは、その人の魔力の一部が、その能力に特化したってこと」
〈それをこの冒険書が読みとって、表示してくれてるってわけか〉
「そう」
なるほどなー。
それだと、似たタイプのスキルや、自分に合ったスキルを伸ばすと成長が早そうだな。
〈しかし、どんなスキルを持ってるかはわかったほうが便利だろ〉
「でも、あまりスキルを持ってると、冒険者になれちゃうから」
〈……どういうことだ?〉
「スキルポイントが5以上あればギルドに申請して冒険者になれる」
スキルポイントってのは、スキルがいくつあるかを表す数値らしい。
+がなければ0.5、+があればその数字。
俺の場合は、現在のスキルポイントは2ってことだな。
あ、じゃあ俺、まだ冒険者にはなれないんだな……。
〈でも、なんで冒険者になるとダメなんだ?〉
よくわからんが、ギルドに所属すると恩恵があるんじゃないだろうか。
「冒険者が10人いる集団は、自治権がもらえる。領主はそれがいやなんだって」
〈はぁ?〉
「ラッカムさんはそう言ってた」
つまりあれか。
人犬族をこき使いたいから、自治権なんか手に入れられちゃ困る。
だから冒険者ギルドへの申請は禁止。
冒険書でスキルを確認するのも禁止ってわけか。
ひどい領主だ。
そもそも、人犬族を働かせているこの鉱山。
どう考えても安全な環境とは思えない。
モンスターがトロッコ襲ってきたしな。
きっと、普通の人間だとなり手がいないんだろう。
だから人犬族を無理やり働かせてるんだ。
そして、いろいろ禁止事項を設けて縛ってる。
〈……おい、ロロコ〉
「どうしたの?」
〈お前の仲間、絶対逃がしてやろうぜ〉
「?」
ロロコは不思議そうな顔してるな。
俺も、なんで自分が突然そんなこと思ったかわからん。
ただ、その領主がすんげームカついたんでね。
なんか嫌がることをしてやりたくなった。
そんだけだ。
さて、休憩も済んだし、そろそろ出発だ。
ようやくこの洞窟ともおさらばだ!
HP:576/865(658/923)
MP:316/437(354/598)
物理攻撃力:125(201)
物理防御力:143(197)
魔法攻撃力:3(3)
魔法抵抗力:3(3)
スキル:霊体感覚+1、霊体操作+1
称号:駆け出し冒険者、初級冒険者、魔物討伐者
称号特典:魔力習得率アップLV.1、魔力変換率アップLV.1、恐怖耐性LV.3』
◆◇◆◇◆
どうも、リビングアーマーです。
犬耳っ娘と一緒に蜘蛛集団から逃れ、ようやく鉱山の出口にたどり着きつつあります。
けど、ちょっと休憩。
べつに、出口まで徒歩5分!ってわけでもないみたいだし。
休めるときに休んでおいたほうがいい。
というわけで、ちょっとステータスをチェックしてたんだけど。
〈うーん……〉
「どうしたの」
〈なんか、ステータスが上がってないみたいなんだよね〉
というか、むしろ下がってるよね?
レベルも上がってないし。
フライング・アラクニドにストリング・アラクニド。
けっこう頑張って倒したと思ったんだけど。
それとも、あいつら魔力がすごい低いとか?
この世界、死んだ魔物の魔力が経験値になってレベルが上がるらしいから。
倒すのにどんなに大変でも、魔力が低いともうけが少ないっていうね……。
と思ったら、ロロコに違うと言われた。
「たぶん、あいつらは死んでない」
〈え?〉
「アラクニド種は、高いところから落ちても平気」
〈あー……〉
なるほど。
そういや、あいつらには攻撃を直撃できてない。
みんな、谷底に落ちてっただけだ。
え、マジ!?
じゃああの戦闘で獲得経験値ゼロなの!?
そりゃないよ~。
って嘆いてる間に、各数値が下がっている理由に気づいた。
これあれだ。
鱗状鎧をなくした分だ。
ちくしょう。
なんだか踏んだり蹴ったりだな。
〈スキルの下にある『+1』ってのはなんだ?〉
たしか前はついてなかったよな?
「それは、ごほうび」
〈ごほうび?〉
「そのスキルをたくさん使うと、増えていく」
〈へえ……称号特典のレベルとはどう違うんだ?〉
「ごほうびのほうは、数字が増えると、称号が手に入ったり、スキルが進化したりする」
〈おお、なるほど!〉
「称号特典のほうは、ただ、どのくらいのレベルか示してるだけ」
スキルを使うと、進化したり称号が増える。
称号が増えると、称号特典が増える。
冒険書にこの順番で書いてあるのも意味があったんだな。
で、俺の場合。
霊体感覚だの霊体操作だのは日常的に行ってる。
だから、普通の人間より数値が増えるのは早いんじゃないか?
進化するのか、称号がもらえるのかわからないけど、楽しみだぜ。
〈ところで、ロロコはどんなスキル持ってるんだ?〉
「それは、わからない」
〈え、そうなのか〉
「冒険書がないから」
そうだった。
人犬族が冒険書を持つことは、領主が禁じてるんだっけな。
「スキルっていうのは、その人の魔力の一部が、その能力に特化したってこと」
〈それをこの冒険書が読みとって、表示してくれてるってわけか〉
「そう」
なるほどなー。
それだと、似たタイプのスキルや、自分に合ったスキルを伸ばすと成長が早そうだな。
〈しかし、どんなスキルを持ってるかはわかったほうが便利だろ〉
「でも、あまりスキルを持ってると、冒険者になれちゃうから」
〈……どういうことだ?〉
「スキルポイントが5以上あればギルドに申請して冒険者になれる」
スキルポイントってのは、スキルがいくつあるかを表す数値らしい。
+がなければ0.5、+があればその数字。
俺の場合は、現在のスキルポイントは2ってことだな。
あ、じゃあ俺、まだ冒険者にはなれないんだな……。
〈でも、なんで冒険者になるとダメなんだ?〉
よくわからんが、ギルドに所属すると恩恵があるんじゃないだろうか。
「冒険者が10人いる集団は、自治権がもらえる。領主はそれがいやなんだって」
〈はぁ?〉
「ラッカムさんはそう言ってた」
つまりあれか。
人犬族をこき使いたいから、自治権なんか手に入れられちゃ困る。
だから冒険者ギルドへの申請は禁止。
冒険書でスキルを確認するのも禁止ってわけか。
ひどい領主だ。
そもそも、人犬族を働かせているこの鉱山。
どう考えても安全な環境とは思えない。
モンスターがトロッコ襲ってきたしな。
きっと、普通の人間だとなり手がいないんだろう。
だから人犬族を無理やり働かせてるんだ。
そして、いろいろ禁止事項を設けて縛ってる。
〈……おい、ロロコ〉
「どうしたの?」
〈お前の仲間、絶対逃がしてやろうぜ〉
「?」
ロロコは不思議そうな顔してるな。
俺も、なんで自分が突然そんなこと思ったかわからん。
ただ、その領主がすんげームカついたんでね。
なんか嫌がることをしてやりたくなった。
そんだけだ。
さて、休憩も済んだし、そろそろ出発だ。
ようやくこの洞窟ともおさらばだ!
0
お気に入りに追加
76
あなたにおすすめの小説
転生したアラサーオタク女子はチートなPCと通販で異世界でもオタ活します!
ねこ専
ファンタジー
【序盤は説明が多いので進みがゆっくりです】
※プロローグを読むのがめんどくさい人は飛ばしてもらっても大丈夫です。
テンプレ展開でチートをもらって異世界に転生したアラサーオタクOLのリリー。
現代日本と全然違う環境の異世界だからオタ活なんて出来ないと思いきや、神様にもらったチートな「異世界PC」のおかげでオタ活し放題!
日本の商品は通販で買えるし、インターネットでアニメも漫画も見られる…!
彼女は異世界で金髪青目の美少女に生まれ変わり、最高なオタ活を満喫するのであった。
そんなリリーの布教?のかいあって、異世界には日本の商品とオタク文化が広まっていくとかいかないとか…。
※初投稿なので優しい目で見て下さい。
※序盤は説明多めなのでオタ活は後からです。
※誤字脱字の報告大歓迎です。
まったり更新していけたらと思います!
伯爵夫人のお気に入り
つくも茄子
ファンタジー
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。
数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。
喜ぶ伯爵夫人。
伯爵夫人を慕う少女。
静観する伯爵。
三者三様の想いが交差する。
歪な家族の形。
「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」
「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」
「家族?いいえ、貴方は他所の子です」
ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。
「可愛いあの子は、伯爵夫人のお気に入り」から「伯爵夫人のお気に入り」にタイトルを変更します。
チートな王太子は身分をひた隠す〜聖獣の契約者である王子のお忍び冒険者生活〜
はいだ ゆを
ファンタジー
精霊や聖獣が存在し、魔法が主な動力であるこの世界。
とある国のエルフの血を引く王族であるユリウスは王宮を飛び出し、お忍び冒険者生活を送っていた。その生活に付き合っているのは、深紅の英雄と呼ばれる元近衛騎士団団長と、元孤児の騎士。ユリウスと契約している真っ白でふわふわな聖獣、天虎だった。
ある日、いつも通り冒険者として生活している中で、ユリウスたちは魔物たちの異変に気づいた。それは人為的なものの可能性があり――
ユリウスが、冒険者と王族の仮面を使い分け、大切な民や国を守るため奮闘する物語。
『自重』を忘れた者は色々な異世界で無双するそうです。
もみクロ
ファンタジー
主人公はチートです!イケメンです!
そんなイケメンの主人公が竜神王になって7帝竜と呼ばれる竜達や、
精霊に妖精と楽しくしたり、テンプレ入れたりと色々です!
更新は不定期(笑)です!戦闘シーンは苦手ですが頑張ります!
主人公の種族が変わったもしります。
他の方の作品をパクったり真似したり等はしていないので
そういう事に関する批判は感想に書かないで下さい。
面白さや文章の良さに等について気になる方は
第3幕『世界軍事教育高等学校』から読んでください。
王子様を放送します
竹 美津
ファンタジー
竜樹は32歳、家事が得意な事務職。異世界に転移してギフトの御方という地位を得て、王宮住みの自由業となった。異世界に、元の世界の色々なやり方を伝えるだけでいいんだって。皆が、参考にして、色々やってくれるよ。
異世界でもスマホが使えるのは便利。家族とも連絡とれたよ。スマホを参考に、色々な魔道具を作ってくれるって?
母が亡くなり、放置された平民側妃の子、ニリヤ王子(5歳)と出会い、貴族側妃からのイジメをやめさせる。
よし、魔道具で、TVを作ろう。そしてニリヤ王子を放送して、国民のアイドルにしちゃおう。
何だって?ニリヤ王子にオランネージュ王子とネクター王子の異母兄弟、2人もいるって?まとめて面倒みたろうじゃん。仲良く力を合わせてな!
放送事業と日常のごちゃごちゃしたふれあい。出会い。旅もする予定ですが、まだなかなかそこまで話が到達しません。
ニリヤ王子と兄弟王子、3王子でわちゃわちゃ仲良し。孤児の子供達や、獣人の国ワイルドウルフのアルディ王子、車椅子の貴族エフォール君、視力の弱い貴族のピティエ、プレイヤードなど、友達いっぱいできたよ!
教会の孤児達をテレビ電話で繋いだし、なんと転移魔法陣も!皆と会ってお話できるよ!
優しく見守る神様たちに、スマホで使えるいいねをもらいながら、竜樹は異世界で、みんなの頼れるお父さんやししょうになっていく。
小説家になろうでも投稿しています。
なろうが先行していましたが、追いつきました。
黒聖女の成り上がり~髪が黒いだけで国から追放されたので、隣の国で聖女やります~【完結】
小平ニコ
ファンタジー
大学生の黒木真理矢は、ある日突然、聖女として異世界に召喚されてしまう。だが、異世界人たちは真理矢を見て、開口一番「なんだあの黒い髪は」と言い、嫌悪の眼差しを向けてきた。
この国では、黒い髪の人間は忌まわしき存在として嫌われており、真理矢は、婚約者となるはずであった王太子からも徹底的に罵倒され、国を追い出されてしまう。
(勝手に召喚して、髪が黒いから出てけって、ふざけるんじゃないわよ――)
怒りを胸に秘め、真理矢は隣国に向かった。どうやら隣国では、黒髪の人間でも比較的まともな扱いを受けられるそうだからだ。
(元の世界には戻れないみたいだし、こうなったら聖女の力を使って、隣の国で成り上がってやるわ)
真理矢はそう決心し、見慣れぬ世界で生きていく覚悟を固めたのだった。
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
本編完結しました!
時々おまけのお話を更新しています。
異世界で魔法使いとなった俺はネットでお買い物して世界を救う
馬宿
ファンタジー
30歳働き盛り、独身、そろそろ身を固めたいものだが相手もいない
そんな俺が電車の中で疲れすぎて死んじゃった!?
そしてらとある世界の守護者になる為に第2の人生を歩まなくてはいけなくなった!?
農家育ちの素人童貞の俺が世界を守る為に選ばれた!?
10個も願いがかなえられるらしい!
だったら異世界でもネットサーフィンして、お買い物して、農業やって、のんびり暮らしたいものだ
異世界なら何でもありでしょ?
ならのんびり生きたいな
小説家になろう!にも掲載しています
何分、書きなれていないので、ご指摘あれば是非ご意見お願いいたします
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる