12 / 286
第1章 大洞窟ダンジョン編
11 盾をゲットだぜ!
しおりを挟む
どうも、転生したら鎧になってた俺です。
胴パーツがぶっ壊れたせいで、いまはSDキャラみたいなシルエットになってます。
いや、これはひどい!
すげえ歩きづらい!
上半身が安定しないのだ。
本来あるパーツを省いてるんだから当たり前か。
仕方ないので、上半身をちょっとだけ浮かせたりしてバランスをとってる。
天上から糸で吊って人形を操ってるみたいな感覚だ。
で、いま俺は洞窟の広い空間を歩き回っていた。
もと来た道を確認しておきたいんだけど、見つからない。
よっぽど勢いよく転がってきたんだな……。
あ、冒険書と、コインが入った布袋は無事見つかった。
今度は、なくさないように、首まわりパーツの余ってるベルトに縛りつけておいた。
使うときに不便だけど、なくすよりはマシだろう。
冒険書も、敵と戦ってるときに見るわけじゃないしね。
あ、そうそう。
いつの間にかレベルがまた上がってた。
こんな感じだ。
『リビングアーマー LV.3 名前:なし
HP:398/443(436/543)
MP:260/325(264/331)
物理攻撃力:65(57)
物理防御力:75(63)
魔法攻撃力:3(3)
魔法抵抗力:1(1)
スキル:霊体感覚、霊体操作
称号:駆け出し冒険者
称号特典:なし』
総HPと総MPが減ってるのは、胴パーツがなくなったせいかな。
前は手甲とかが欠けた分、現在HPのほうが減ってたけど。
今回は、これが通常状態とみなされちゃったというわけか……。
いや、俺もいつまでもこんな格好でいたくはないんですけど。
物理攻撃力と物理防御力はちょっと上昇したな。
魔法攻撃力と魔法抵抗力はまったく変化なし。
俺ってば、魔法の才能はあきらめたほうがいいのだろうか。
スキルに霊体操作ってのが増えた。
たぶん、バラバラになったパーツを集めるみたいなやつのことだと思う。
普通の人間の動きとは違う動きを鎧にさせられる感じな。
霊体感覚は霊体が感覚を持つこと。
霊体操作は霊体が操作すること。
そんなイメージ。
で、だ。
そもそも、なんでレベルが上がったん?
という疑問は、モンスター図鑑のページを見るとわかった。
新しいモンスターが追加されてたのだ。
『ベイビー・アラクニド
平均HP:46
平均MP:24
平均物理攻撃力:12
平均物理防御力:32
平均魔法攻撃力:15
平均魔法抵抗力:12
解説:アラクニド種の幼体。主に洞窟に生息。集団でモンスターの死体などに群がり食料を得る。』
これ、あのクモさんたちのことだろう。
俺をここまで運んできやがった大カマキリが、鎌で何匹かぶっ倒していた。
それが俺の経験値ってことになって、レベルアップにつながったんだろう。
巨大ダンゴムシのときといい、経験値が入るシステムも謎だよな。
ここまで俺、まだ一度も自分の手でモンスターを倒してないんだぜ。
……自分で言っててむなしくなるな。
あと、魔法力のふたつ、俺はあのチビグモたちより低いのな。
そんなこんなで歩いていると。
〈ん?〉
なんか落ちてる?
黒い、四角くて平たい鉄板みたいな……。
これ、巨大ダンゴムシの装甲だ!
頭近くに、こんな形のパーツがあったはず。
見ると、そこらに、他の装甲もちらほら落ちている。
で、その中身は綺麗さっぱりなくなっていた。
これ、例のクモさんたちに食われてた死体かな?
にしては距離が離れすぎてるか。
別の個体が死んで、食われたあとかもしれないな。
〈…………〉
そ~。
っと、俺は装甲板を拾ってみる。
……なにも起こらないし、襲ってくるモンスターもいないな。
板の裏にクモさんがびっしり!
なんて気持ち悪いこともないみたいだった。
よし!
俺は手頃なサイズの板を探して、何枚か確保する。
なにをしてるかっていうと、前に言ってたダンゴムシ装甲による補強だ。
できれば、胴パーツを作りたいところだけど、そんな加工技術は俺にはない。
なので、左の肘パーツの出っ張りにはめ込んで、盾みたいにしてみた。
名付けて、ダンゴムシールド!
うわ、だせえ!
よし、じゃあ、こんなのはどうだ!
装甲を横にして首回りパーツの下と、腰パーツの上にそれぞれベルトで固定。
ダンゴムシの装甲同士、似た曲線のパーツが重なるので、上半身が安定した。
お、これはけっこう良さげだな。
ただ、高速で移動しようとすると、上半身がずれてしまうな。
だるま落としみたいになりそう。
うーん、まだけっこう余ってるな。
ほかになんかいい使い道はないかな?
ツンツン。
ん?
なんすか。
いまいいところなんで、邪魔しないでくださいよ。
ツンツンツンツン。
いや、しつこいな。
いったいだれ――だれ!?
俺は振り向いた。
そこには、巨大カマキリの群れがいた。
胴パーツがぶっ壊れたせいで、いまはSDキャラみたいなシルエットになってます。
いや、これはひどい!
すげえ歩きづらい!
上半身が安定しないのだ。
本来あるパーツを省いてるんだから当たり前か。
仕方ないので、上半身をちょっとだけ浮かせたりしてバランスをとってる。
天上から糸で吊って人形を操ってるみたいな感覚だ。
で、いま俺は洞窟の広い空間を歩き回っていた。
もと来た道を確認しておきたいんだけど、見つからない。
よっぽど勢いよく転がってきたんだな……。
あ、冒険書と、コインが入った布袋は無事見つかった。
今度は、なくさないように、首まわりパーツの余ってるベルトに縛りつけておいた。
使うときに不便だけど、なくすよりはマシだろう。
冒険書も、敵と戦ってるときに見るわけじゃないしね。
あ、そうそう。
いつの間にかレベルがまた上がってた。
こんな感じだ。
『リビングアーマー LV.3 名前:なし
HP:398/443(436/543)
MP:260/325(264/331)
物理攻撃力:65(57)
物理防御力:75(63)
魔法攻撃力:3(3)
魔法抵抗力:1(1)
スキル:霊体感覚、霊体操作
称号:駆け出し冒険者
称号特典:なし』
総HPと総MPが減ってるのは、胴パーツがなくなったせいかな。
前は手甲とかが欠けた分、現在HPのほうが減ってたけど。
今回は、これが通常状態とみなされちゃったというわけか……。
いや、俺もいつまでもこんな格好でいたくはないんですけど。
物理攻撃力と物理防御力はちょっと上昇したな。
魔法攻撃力と魔法抵抗力はまったく変化なし。
俺ってば、魔法の才能はあきらめたほうがいいのだろうか。
スキルに霊体操作ってのが増えた。
たぶん、バラバラになったパーツを集めるみたいなやつのことだと思う。
普通の人間の動きとは違う動きを鎧にさせられる感じな。
霊体感覚は霊体が感覚を持つこと。
霊体操作は霊体が操作すること。
そんなイメージ。
で、だ。
そもそも、なんでレベルが上がったん?
という疑問は、モンスター図鑑のページを見るとわかった。
新しいモンスターが追加されてたのだ。
『ベイビー・アラクニド
平均HP:46
平均MP:24
平均物理攻撃力:12
平均物理防御力:32
平均魔法攻撃力:15
平均魔法抵抗力:12
解説:アラクニド種の幼体。主に洞窟に生息。集団でモンスターの死体などに群がり食料を得る。』
これ、あのクモさんたちのことだろう。
俺をここまで運んできやがった大カマキリが、鎌で何匹かぶっ倒していた。
それが俺の経験値ってことになって、レベルアップにつながったんだろう。
巨大ダンゴムシのときといい、経験値が入るシステムも謎だよな。
ここまで俺、まだ一度も自分の手でモンスターを倒してないんだぜ。
……自分で言っててむなしくなるな。
あと、魔法力のふたつ、俺はあのチビグモたちより低いのな。
そんなこんなで歩いていると。
〈ん?〉
なんか落ちてる?
黒い、四角くて平たい鉄板みたいな……。
これ、巨大ダンゴムシの装甲だ!
頭近くに、こんな形のパーツがあったはず。
見ると、そこらに、他の装甲もちらほら落ちている。
で、その中身は綺麗さっぱりなくなっていた。
これ、例のクモさんたちに食われてた死体かな?
にしては距離が離れすぎてるか。
別の個体が死んで、食われたあとかもしれないな。
〈…………〉
そ~。
っと、俺は装甲板を拾ってみる。
……なにも起こらないし、襲ってくるモンスターもいないな。
板の裏にクモさんがびっしり!
なんて気持ち悪いこともないみたいだった。
よし!
俺は手頃なサイズの板を探して、何枚か確保する。
なにをしてるかっていうと、前に言ってたダンゴムシ装甲による補強だ。
できれば、胴パーツを作りたいところだけど、そんな加工技術は俺にはない。
なので、左の肘パーツの出っ張りにはめ込んで、盾みたいにしてみた。
名付けて、ダンゴムシールド!
うわ、だせえ!
よし、じゃあ、こんなのはどうだ!
装甲を横にして首回りパーツの下と、腰パーツの上にそれぞれベルトで固定。
ダンゴムシの装甲同士、似た曲線のパーツが重なるので、上半身が安定した。
お、これはけっこう良さげだな。
ただ、高速で移動しようとすると、上半身がずれてしまうな。
だるま落としみたいになりそう。
うーん、まだけっこう余ってるな。
ほかになんかいい使い道はないかな?
ツンツン。
ん?
なんすか。
いまいいところなんで、邪魔しないでくださいよ。
ツンツンツンツン。
いや、しつこいな。
いったいだれ――だれ!?
俺は振り向いた。
そこには、巨大カマキリの群れがいた。
0
お気に入りに追加
76
あなたにおすすめの小説
所詮、わたしは壁の花 〜なのに辺境伯様が溺愛してくるのは何故ですか?〜
しがわか
ファンタジー
刺繍を愛してやまないローゼリアは父から行き遅れと罵られていた。
高貴な相手に見初められるために、とむりやり夜会へ送り込まれる日々。
しかし父は知らないのだ。
ローゼリアが夜会で”壁の花”と罵られていることを。
そんなローゼリアが参加した辺境伯様の夜会はいつもと雰囲気が違っていた。
それもそのはず、それは辺境伯様の婚約者を決める集まりだったのだ。
けれど所詮”壁の花”の自分には関係がない、といつものように会場の隅で目立たないようにしているローゼリアは不意に手を握られる。
その相手はなんと辺境伯様で——。
なぜ、辺境伯様は自分を溺愛してくれるのか。
彼の過去を知り、やがてその理由を悟ることとなる。
それでも——いや、だからこそ辺境伯様の力になりたいと誓ったローゼリアには特別な力があった。
天啓<ギフト>として女神様から賜った『魔力を象るチカラ』は想像を創造できる万能な能力だった。
壁の花としての自重をやめたローゼリアは天啓を自在に操り、大好きな人達を守り導いていく。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
適正異世界
sazakiri
ファンタジー
ある日教室に突然現れた謎の男
「今から君たちには異世界に行ってもらう」
そんなこと急に言われても…
しかし良いこともあるらしい!
その世界で「あること」をすると……
「とりあいず帰る方法を探すか」
まぁそんな上手くいくとは思いませんけど
幼馴染を守る為に死んだ黒騎士は、あの約束を守る為に、転生する
竹桜
ファンタジー
幼馴染を守る為に死んでしまったエドリックは、記憶が無くしたまま、別の世界に転生した。
だが、別の世界に住んでいた記憶が無いエドリックは、クラスメイト共に元々居た世界に勇者召喚されてしまう。
そこで記憶を取り戻し、幼馴染との約束を守る為にエドリックは、幼馴染と約束した場所に向かうのだった。
*タイトルを変更しました。
旧タイトル、生まれ変わっても君との約束を守るよ
新タイトル、幼馴染を守る為に死んだ黒騎士は、あの約束を守る為に、転生する
倒したモンスターをカード化!~二重取りスキルで報酬倍増! デミゴッドが行く異世界旅~
乃神レンガ
ファンタジー
謎の白い空間で、神から異世界に送られることになった主人公。
二重取りの神授スキルを与えられ、その効果により追加でカード召喚術の神授スキルを手に入れる。
更にキャラクターメイキングのポイントも、二重取りによって他の人よりも倍手に入れることができた。
それにより主人公は、本来ポイント不足で選択できないデミゴッドの種族を選び、ジンという名前で異世界へと降り立つ。
異世界でジンは倒したモンスターをカード化して、最強の軍団を作ることを目標に、世界を放浪し始めた。
しかし次第に世界のルールを知り、争いへと巻き込まれていく。
国境門が数カ月に一度ランダムに他国と繋がる世界で、ジンは様々な選択を迫られるのであった。
果たしてジンの行きつく先は魔王か神か、それとも別の何かであろうか。
現在毎日更新中。
※この作品は『カクヨム』『ノベルアップ+』にも投稿されています。
親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました
空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが当たり前になった世界。風間は平凡な会社員として日々を暮らしていたが、ある日見に覚えのないミスを犯し会社をクビになってしまう。その上親友だった男も彼女を奪われ婚約破棄までされてしまった。世の中が嫌になった風間は自暴自棄になり山に向かうがそこで誰からも見捨てられた放置ダンジョンを見つけてしまう。どことなく親近感を覚えた風間はダンジョンで暮らしてみることにするが、そこにはとても可愛らしいモンスターが隠れ住んでいた。ひょんなことでモンスターに懐かれた風間は様々なモンスターと暮らしダンジョン内でのスローライフを満喫していくことになるのだった。
侵略のポップコーン
進常椀富
ファンタジー
夏休みの中学生、鈴木翔夢は今日も知人の進常椀富が書いた自作小説を読まされた。
と、その場に風変わりな少女が現れる。
少女はメリコと名乗り、地球を侵略するという。
それは進常の書いた小説そっくりの事態だったが……。
カオスの遺子
浜口耕平
ファンタジー
魔神カオスが生みだした魔物と人間が長い間争っている世界で白髪の少年ロードは義兄のリードと共に人里離れた廃村で仲良く幸せに暮らしていた。
だが、ロードが森で出会った友人と游んでいると、魔物に友人が殺されてしまった。
ロードは襲いかかる魔物との死闘でなんとか魔物を倒すことができた。
しかし、友人の死体を前に、友人を守れなかったことに後悔していると、そこにリードが現れ、魔物から人々を守る組織・魔法軍について聞かされたロードは、人々を魔物の脅威から守るため、入隊試験を受けるためリードと共に王都へと向かう。
兵士となったロードは人々を魔物の脅威から守れるのか?
これは、ロードが仲間と共に世界を守る物語である!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる