母は魔王に囚われる

rikacchi

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「バカなことは言わないで。でもありがとう、わかってもらえるなら母さんはすごくありがたい。」

 最後に息子をぎゅっと抱きしめてから、立ち上がりパンと顔を叩いた。

「さあ、母さんは家のことしないと。あんたはもう寝るの?」
「うん、今日は疲れちゃった。羽柴がサークルに来ないと僕がまとめ役になるから大変なんだ。」

 ギクっ!あの腹黒魔王がいなかったのは母のせいです。あなたが大変だっと時にあの魔王は母を貪り食ってたよ。ごめんなさい。

「お腹すいてないの?」
「うーん、すいてるけど、食べるのもめんどくさいからもういいや。おやすみ、母」
「そう、おやすみ。朝にはシャワーだけでもしなさいよ。」
「は~い」
 我が家のK Yは部屋に戻っていく。

 シーンと家の中がなる。

 泣いていても仕方がない。これがお互いの人生の岐路だったんだ。
明日からはいつもの生活に戻るだけ。
旦那もここのところ家に居なかったからあまり変わりがないし。

 さあ片付けをして寝よう!今日は魔王に散々やられたからくたくただった。

 キッチンに行くと携帯が鳴った。手に取ると蒼からだった。

 出るべきか、出ないべきか。迷う。
 よし出よう。なぜだか蒼の声が聞きたかった。
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