ゼロからはじめる島津大河誘致

郭隗の馬の骨

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世界の混乱とひだまりの地方議会その9

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地方における行政府の予算に関して、問題点はある程度はっきりしました。

環境、人権、教育、広報、そうした分野の中に問題があることは確かです。

しかし、表向きは立派な看板でありうかつに手を出すのは得策ではないとコウメイは考えました。



では、このままにしておくのでしょうか?

それも「断じて否」です。

地方から中央に流れる資金を断つことが出来れば、中央におけるガチス、デンゲル派の力を削ぐことになります。



ゆえにどうしてもやらなければならない、それがコウメイの考えでした。

彼は少し考えた後、一つのアイデアを出します。

「予算案の審議の際にお題目については反対せず、組織の人事や組織そのものを新しい形にこしらえて彼らの影響力を削ぐのはどうか」



この提案のポイントは、敵の牙城ともいえる組織やプロジェクトに対して表向きには反対をしないことにあります。

なぜ、そのような回りくどいことをするのでしょうか。

予算を決める時に邪魔なものは否決する方が効率的ではないか?



そんな声も若手官僚や地方議員側から出ましたが、コウメイはこう説明します。

「耳障りの良いキャッチフレーズの組織を潰すのは、大衆を敵に回す可能性が高いと思います」



「おそらく、メディアも総力を挙げてその非道を追及してくるでしょう」

「孫子にもある通り、追い込まれ必死になった敵ほど恐ろしいものはありません」

「ここは無理をせず、じっくりと勢力を拡大し、人事権と予算に対する発言権を得るように努力する方が得策ではないかと思います」



実の所、地方議会における駆け引きというのはひだまり側の議員たちにとってあまり自信があることではありませんでした。

心の中に引っ掛かるものがある人々もいましたが、コウメイが結びにこう発言します。



「ガチスは明らかに動乱を迎えています、ここで無理をしなくてもその動乱が激しくなれば地方議会における彼らの仲間たちも必ず大きな隙を見せるでしょう」

「その大きな流れを確認してからでも大胆な策を施すのは遅くはないのでは?」



こうして、地方議会の今後の方針がほぼ固まりました。

そんな中、世界はさらに動きます。

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