ゼロからはじめる島津大河誘致

世界の混乱とひだまりの地方議会その5

この一連の地方議会でのやり取りによって、ガチスとデンゲル派は大きな影響を受けました。

それは、議席数が少なくなったことも大きいですがそれだけではありません。



例えば、ガチスやデンゲルの息がかかった地方議員は多くの場合、国会など中央の議員やメディアとつながりがあり、その指示に従っていました。

その代わりに選挙資金や地方の票といった見返りを中央の人々に貢ぐ形を取っていました。



それが、今回の地方選挙の影響でかなり削られることになりました。

それだけではありません。



いままで、役所や公的機関に自分の味方をするメディアが発行した新聞や機関誌や雑誌がありましたが、そうしたものも議員の反対があり、買うことが出来なくなったり大っぴらに宣伝できなくなりました。



さらに大きかったのが、議員たちの支持者の中には持ちつ持たれつの関係の業者や会社が数多くありましたが、彼らの仕事についても当然少なくなります。

そうしたお金の流れが悪くなると、メディアの広告費にも直接影響を及ぼすことになります。



コウメイたちが最も狙いとして定めていたのはまさにこのお金の流れでした。

とりわけコウメイがこの点を意識していたのには理由があります。

彼は自分たちの一連の活動が「戦争」であることを認識していました。



「戦争」というと、飛行機や戦車や銃器が使われる戦場を思い出すかもしれません。

あるいは、今まで説明のあった「情報戦」を意識する方も多いかと思います。

しかし、コウメイの頭の中にあったのはそうした「戦争」を支える「経済力」でした。



古今東西、どんな戦争であれ武器を買うにも組織を維持するにも必要なのは「お金」でした。

それは「貨幣や金貨」などでもあります。



時々、政府がずるをして沢山お金を刷ることもありますが、それはすぐに民間にばれてしまいます。

「戦争における力とはすなわち本物の経済力である」これはコウメイの信念に近い概念でした。



実はコウメイにとってこの地方議会での勝利があるまでは、この戦いはかなり悲観的なものでした。

その理由について次回説明したいと思います。