ゼロからはじめる島津大河誘致

郭隗の馬の骨

文字の大きさ
上 下
569 / 639

破竹の勢いその3

しおりを挟む
杜預(とよ)の時代晋に人口はどのくらいいたのでしょうか。

ざっくり500万人以上はいたのではと思います。

そんな中、晋の武帝、司馬炎(しばえん)の知る範囲で呉の討伐に積極的だったのは彼を入れて3人しかいなかったという話だそうです。



そして、彼の父の代からの悲願、というか皇帝になれば誰しもが切望する天下統一を望む家臣がそれだけしかいなかったというのは寂しいことだったかも知れません。

しかも、杜預の上司が病で亡くなり、残り2名となりました。



実はここに一つポイントが隠れています。

杜預の上司は武帝の意を理解していたのか、呉討伐の準備を着々と進めていました。

この時、彼は自分の部下に命じて船を造らせたそうです。



ポイントというのはその部下が益州という元蜀があった地域だったということです。

過去の呉征伐の時には軍船は魏の領土で用意されたと思われ、当然呉としてはあらかじめそれを知ることが出来たはずです。



そうすると、軍事的に水軍の準備をすることもできるし、時間がありある程度準備ができるので寝返りや埋伏の毒などの計略を用意することが出来ます。

しかし、魏が蜀を併合したのちには魏もその後の晋も呉に大規模な戦をしていなかったため呉の防御体制はかなりガバガバだったと推測できます。



要は油断した状態だったということです。

さて、上司は無くなりましたが、部下であった杜預はその後を継ぐことになります。

つまり軍船や呉攻略の作戦案も引き継いだと考えられます。



これも大きなポイントです。

あの曹操が赤壁で破れた要因として、準備不足だったことが挙げられます。

長年呉討伐を進言し、却下されていたとはいえ、恐らく念入りに訓練と装備の充実を図る時間が与えられたはずです。



さて、簡単にまとめてみましょう。

呉に気づかれないように、準備をしたことで呉に軍備や謀略を行う隙を与えなかったこと。



そして、長年の計画により味方は十分な準備が出来たこと、この二つが呉征伐を目指す杜預の前に置かれた状況でした。

さて、さらに話をすすめていきます。
しおりを挟む
感想 27

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

探さないでください。旦那様は私がお嫌いでしょう?

雪塚 ゆず
恋愛
結婚してから早一年。 最強の魔術師と呼ばれる旦那様と結婚しましたが、まったく私を愛してくれません。 ある日、女性とのやりとりであろう手紙まで見つけてしまいました。 もう限界です。 探さないでください、と書いて、私は家を飛び出しました。

頬杖をつく女 2017.5.23 〜

鏡子 (きょうこ)
エッセイ・ノンフィクション
フェルメール絵画『眠る女』が目覚める時、それは今 ~ ※今まで書いていた、ブログを小説風にまとめます。 フェルメール絵画に『眠る女』という絵画が存在します。 『眠る女』は眠っていません。 恋しい人を想い、メランコリックに頬杖をついている女性の絵です。 何百年の時を経て 『眠る女』は、今目覚めます。 ※ 一時期【前世からの誘い】というタイトルで、でブログを書いていました。そちらをアレンジして、こちらに投稿します。

百物語 厄災

嵐山ノキ
ホラー
怪談の百物語です。一話一話は長くありませんのでお好きなときにお読みください。渾身の仕掛けも盛り込んでおり、最後まで読むと驚くべき何かが提示されます。 小説家になろう、エブリスタにも投稿しています。

人生戦略〈億り人〉日記

坂崎文明
エッセイ・ノンフィクション
とりあえず、定年までに億り人を目指す 今年、55歳になった作者が定年の60歳ぐらいまでに【億り人】を目指す日記。  なんですが、50歳ぐらいから56歳(2024年)まで真面目に株式投資と仮想通貨してたら億り人になれたことに気づき愕然としてます。  今の株式相場の世界って米国株長期投資で利回り30%超えてて、これってインデックスファンド買って寝てれば、数十年で資産が一億になる世界です。  陰謀論が真実で日本が近年に滅びるとしても、億り人なら海外拠点に一時移住して、節税できて、それを避けれたのにね。  科学データで事実を言っても、世の中の八割はそれを事実だとは思わない世の中ですし。  ちょっと後悔してますが、まあ、頑張りましょう。

第13回恋愛小説大賞エントリー作品を集計してみた

スケキヨ
エッセイ・ノンフィクション
※2/29、大賞ランキング1ヶ月分の順位推移グラフをアップしました。 2020年2月に開催されているアルファポリス主催「第13回恋愛小説大賞」。全応募作品のタイトルから、今年の恋愛小説大賞の流行や傾向、対策(?)について考えてみたいと思います。期間中の順位の推移なども記録していきます。 章ごとのテーマに合わせてまとめているため、更新順と目次の並び順が違う場合があります。わかりにくくて申し訳ありません。どこからでも興味のある章から読んでいただければ幸いです。

鬼面の忍者 遠江国掛川城死闘篇

九情承太郎
歴史・時代
織田信長の天下統一寸前。 信長から接待を受ける旅の途上にある徳川軍団の重鎮たちは、歴史オタクの接待係に請われて「最も苦労した戦は何か?」について語り始める。 三方ヶ原や一向一揆が挙げられる中、服部半蔵は、遠江国掛川城での攻城戦を語り始める。 「あの戦は、徳川・武田・今川・北条が、四つ巴で戦う死地だった。最も危ない立場にあったのは、実は徳川だ」 今川家最後の攻防に関わる遠江国戦記は、一人のマイナー武将の意外な活躍を露出させる。 米津常春。 徳川家の主戦場全てに参加した此の武将の真価が、明かされるなう。 ※カクヨムでの重複投稿をしています。 表紙は、画像生成AIで出力したイラストです。

処理中です...