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テレビ放映戦国大名総選挙その60 織田信長
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さて、織田信長が約300万石、自身が家督を継いで受け継いだ領地の約10倍の地域を支配、整備しようと意気込んでいたころ、足利幕府はどのような状態だったのか、これがまず第一のキーポイントになります。
元々将軍家が不在の期間が長く、いてもあくまで過去の権威のみで兵力や経済力がほとんどなかったので足利義昭自身も出来ることが限られていました。
そんな中、下剋上が起こり、各地で家督争いや領地紛争が頻発していました。
つまり、幕府の仕事というのはそうしためんどくさい問題の調停が主なものだったようです。
えらい将軍様を持ち上げるのには心理的抵抗がなく、官職や名誉が与えられれば武士たちは喜びます。
足利義昭の呼びかけに対して、多くの大名が賛同したのはそんな気持ちからでした。
しかし、これが領土の話になるとまるで態度が変わります。
将軍の調停といっても別に法の専門家というわけでもないので、何となく提案するわけでその提案を聞いてめんどくさい武士たちが納得するかというとこれが全然しないわけです。
そこで、力のある織田家に調停の仕事の力添えを要請しますが、信長からすればただでさえ忙しいのにそんな面倒なことはしたくないわけです。
というか前提として自分の管轄外の仕事は本社がやるのが当たり前で、どうして自分がそこまでしなきゃならんのだ、というわけです。
しかも、領地争いに介入すれば恨みを買うのは必定であり武力制圧したからと言って仲介料が出て儲かるというものでもないでしょう。
信長としてはこの面倒に巻き込まれたくはなかったかもしれませんが、足利方からどうしてもということでどうも折れたようです。
副将軍を断った信長でしたが、「准官領」という形で幕府の政治に参加することにしました。
蛇足ですが、この形式は鎌倉時代の「執権」と「連署」を思い出します。
代表は執権ですが、必ず連署の同意が必要という形式と似ているかなと思いました。
ただし、自分が参加するのだからキチンと自分の意見を聞くようにと足利方に釘を刺していたようです。
こうして見ると、野心あふれる信長が将軍家をないがしろにしたというよりも、幕府がのび太君で信長がドラえもんのような感じがします。
まとめると、本社が無能だったために仕方なく支社長の信長が本社のNO2になる、その代わり問題解決を迅速にしたいから本社の人間は自分の指示に従いなさい
そんな空気だったと思われます。
少し、雲行きが怪しくなってきましたがまだお互い信頼し協力する姿勢をくずしていません。
その後の成り行きは次章で紹介します。
元々将軍家が不在の期間が長く、いてもあくまで過去の権威のみで兵力や経済力がほとんどなかったので足利義昭自身も出来ることが限られていました。
そんな中、下剋上が起こり、各地で家督争いや領地紛争が頻発していました。
つまり、幕府の仕事というのはそうしためんどくさい問題の調停が主なものだったようです。
えらい将軍様を持ち上げるのには心理的抵抗がなく、官職や名誉が与えられれば武士たちは喜びます。
足利義昭の呼びかけに対して、多くの大名が賛同したのはそんな気持ちからでした。
しかし、これが領土の話になるとまるで態度が変わります。
将軍の調停といっても別に法の専門家というわけでもないので、何となく提案するわけでその提案を聞いてめんどくさい武士たちが納得するかというとこれが全然しないわけです。
そこで、力のある織田家に調停の仕事の力添えを要請しますが、信長からすればただでさえ忙しいのにそんな面倒なことはしたくないわけです。
というか前提として自分の管轄外の仕事は本社がやるのが当たり前で、どうして自分がそこまでしなきゃならんのだ、というわけです。
しかも、領地争いに介入すれば恨みを買うのは必定であり武力制圧したからと言って仲介料が出て儲かるというものでもないでしょう。
信長としてはこの面倒に巻き込まれたくはなかったかもしれませんが、足利方からどうしてもということでどうも折れたようです。
副将軍を断った信長でしたが、「准官領」という形で幕府の政治に参加することにしました。
蛇足ですが、この形式は鎌倉時代の「執権」と「連署」を思い出します。
代表は執権ですが、必ず連署の同意が必要という形式と似ているかなと思いました。
ただし、自分が参加するのだからキチンと自分の意見を聞くようにと足利方に釘を刺していたようです。
こうして見ると、野心あふれる信長が将軍家をないがしろにしたというよりも、幕府がのび太君で信長がドラえもんのような感じがします。
まとめると、本社が無能だったために仕方なく支社長の信長が本社のNO2になる、その代わり問題解決を迅速にしたいから本社の人間は自分の指示に従いなさい
そんな空気だったと思われます。
少し、雲行きが怪しくなってきましたがまだお互い信頼し協力する姿勢をくずしていません。
その後の成り行きは次章で紹介します。
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