400 / 639
テレビ放映戦国大名総選挙その56 織田信長
しおりを挟む
織田信長の朝廷に対する態度については、時代ごとに様々な見解がなされてきました。
例えば、尊王の志が熱く、皇室を中心に日本をまとめるため、自分は働いているという認識が主流の時代がありました。
これは、明治から昭和のある時期まで日本国民のコンセンサスであり、当たり前の常識みたいなものでした。
なので当然信長もそうである、という空気の元、疑われることなく語られてきました。
しかし、昭和も終わりのころバブルによる日本の国力の上昇とそれに伴う自信により信長像についても新たな見解が見られるようになりました。
それは自らを「神」という存在に高めたという説です。
この根拠となるのは宣教師ルイス・フロイスの記録を引用したものでした。
皇室に対する疑いのない姿勢から、自信に満ち溢れた信長像ということでこの見解は一定の支持を受けることになります。
この変化には2つポイントがあり、一つは日本の国民が海外に対してあるいは自分自身に対して自信を深め、以前の天皇を崇める姿勢から自由な考えに変わったこと。
そして、先ほど述べたルイス・フロイスの資料による推測があったことです。
そして、信長の能力が高く評価され革新的な人物としてもてはやされたのもこの時期でした。
以前話した、楽市楽座、兵農分離、鉄砲による新戦術についてあたかも信長が始めたかのような、あるいは超人的なアイデアを駆使したかのようにもてはやされたのもこの時期です。
話を朝廷に戻しますが、今の時点ではこのルイス・フロイスの資料は他に裏付けがないということで、信憑性に疑問が多くあるようです。
この場合の疑問は資料が偽物という意味ではなくルイス・フロイスが話を盛っているというニュアンスのようです。
今の時点では織田信長が朝廷をないがしろにしたという明確な証拠はないようです。
ただ、天皇の退位問題などでもめた可能性については指摘されていますが、これも学者さんや扱う資料によって結論が違っているので本人に聞かないと分からないかもしれません。
一つ確実なのは、織田信長は朝廷に弓を引いたことはないことと、朝廷をうまく利用して官位などで権威付けをおこなったり、自分が不利な戦争の時に停戦を斡旋してもらったりして友好的なままでいたということです。
織田信長が亡くなる前に朝廷から「征夷大将軍、太政大臣、関白大臣」のいずれかについての就任の打診があったとされていますが、彼がどのような対応をしたのか、それは永遠の謎です。
織田信長の朝廷に対する敬意や友好関係があったのかどうかの答えはこの永遠の謎の答えかもしれませんね。
次は室町幕府との関係についてお話したいと思います。
例えば、尊王の志が熱く、皇室を中心に日本をまとめるため、自分は働いているという認識が主流の時代がありました。
これは、明治から昭和のある時期まで日本国民のコンセンサスであり、当たり前の常識みたいなものでした。
なので当然信長もそうである、という空気の元、疑われることなく語られてきました。
しかし、昭和も終わりのころバブルによる日本の国力の上昇とそれに伴う自信により信長像についても新たな見解が見られるようになりました。
それは自らを「神」という存在に高めたという説です。
この根拠となるのは宣教師ルイス・フロイスの記録を引用したものでした。
皇室に対する疑いのない姿勢から、自信に満ち溢れた信長像ということでこの見解は一定の支持を受けることになります。
この変化には2つポイントがあり、一つは日本の国民が海外に対してあるいは自分自身に対して自信を深め、以前の天皇を崇める姿勢から自由な考えに変わったこと。
そして、先ほど述べたルイス・フロイスの資料による推測があったことです。
そして、信長の能力が高く評価され革新的な人物としてもてはやされたのもこの時期でした。
以前話した、楽市楽座、兵農分離、鉄砲による新戦術についてあたかも信長が始めたかのような、あるいは超人的なアイデアを駆使したかのようにもてはやされたのもこの時期です。
話を朝廷に戻しますが、今の時点ではこのルイス・フロイスの資料は他に裏付けがないということで、信憑性に疑問が多くあるようです。
この場合の疑問は資料が偽物という意味ではなくルイス・フロイスが話を盛っているというニュアンスのようです。
今の時点では織田信長が朝廷をないがしろにしたという明確な証拠はないようです。
ただ、天皇の退位問題などでもめた可能性については指摘されていますが、これも学者さんや扱う資料によって結論が違っているので本人に聞かないと分からないかもしれません。
一つ確実なのは、織田信長は朝廷に弓を引いたことはないことと、朝廷をうまく利用して官位などで権威付けをおこなったり、自分が不利な戦争の時に停戦を斡旋してもらったりして友好的なままでいたということです。
織田信長が亡くなる前に朝廷から「征夷大将軍、太政大臣、関白大臣」のいずれかについての就任の打診があったとされていますが、彼がどのような対応をしたのか、それは永遠の謎です。
織田信長の朝廷に対する敬意や友好関係があったのかどうかの答えはこの永遠の謎の答えかもしれませんね。
次は室町幕府との関係についてお話したいと思います。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説



ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
七絃──キンのコト雑記
国香
エッセイ・ノンフィクション
琴をキンと読めないあなた!
コトとごっちゃにしているあなた!
小説『七絃灌頂血脉』シリーズを読んで、意味不明だったという方も、こちらへどうぞ。
本編『七絃灌頂血脉──琴の琴ものがたり』の虎の巻です。
小説中の難解な楽器や音楽等について、解説しています。
これを読めば、本編の???が少しは解消するかもしれません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる