376 / 639
テレビ放映戦国大名総選挙その32 武田信玄
しおりを挟む
武田信玄にとってある意味最大の敵となった父信虎との謀略戦、20歳をすぎたまだ若い時に決着がつきました。
信虎は隣の駿河に預かりの身となり、信玄が武田家の当主となります。
この戦いは大きな戦や内乱を引き起こすことなく成功しました。
この一事だけ見ても信玄という人物の非凡さが際立っています。
大名当主の代替わりには、ただでさえ混乱することが多く有力な家臣に実権を乗っ取られるのは当たり前の時代でした。
しかし、信玄は家臣を見事にまとめています。
どうして、うまくいったのか?
彼が魅力的な人物だったことはもちろんですが、もう一つ重要な要素があります。
それはこの交代劇の1年後に隣の国信濃の国人領主・諏訪氏を滅ぼしたことです。
つまり、国をまとめるために他所の国を攻め、しかも成果を上げる、これが彼の求心力を上げる極めて有効な手段でした。
その後も彼は信濃国を攻め続けます。
以前話した通り信玄の領地甲斐の国は貧しい土地です。
でもこれは戦国時代においてはある意味都合が良かったのです。
なぜなら、侵略しようとする勢力はゲームのように領土を広げるのが目的ではありません。
そこにある財産や土地、あるいは人そのものが欲しいという欲望と経済的打算に基づいて行動します。
甲斐の国は基本的には信濃と今川氏の治める駿河に隣接していますが、どちらも甲斐が欲しいという理由がありません。
逆に貧しい甲斐の人々から見れば信濃は魅力的であり、敵としても弱く与しやすかったので戦い、奪うという点で俄然やる気が出るというわけです。
戦国時代というのはこういう時代でした。
特に室町幕府は北条得宗家が全国支配した鎌倉幕府や後の徳川幕府と違い基盤が弱かったのです。
しかも、戦国時代に入り幕府の権威はさらに落ちました。
これは国同士が争いをした場合、仲介者や法によって処罰する存在がいないことを意味します。
簡単に言えば、警察も裁判官もいない状態です。
こうなると自分を守るのは力だけですし、相手も力を行使するしかありません。
しかも武田信玄は戦上手で家臣にも大変気を使いました。
こうして彼は勢力を拡大し、隣国を侵略することを生涯の業として引き受けることになりました。
しかし、彼が行ったのは侵略だけではありません。
その点について次の章でお話したいと思います。
信虎は隣の駿河に預かりの身となり、信玄が武田家の当主となります。
この戦いは大きな戦や内乱を引き起こすことなく成功しました。
この一事だけ見ても信玄という人物の非凡さが際立っています。
大名当主の代替わりには、ただでさえ混乱することが多く有力な家臣に実権を乗っ取られるのは当たり前の時代でした。
しかし、信玄は家臣を見事にまとめています。
どうして、うまくいったのか?
彼が魅力的な人物だったことはもちろんですが、もう一つ重要な要素があります。
それはこの交代劇の1年後に隣の国信濃の国人領主・諏訪氏を滅ぼしたことです。
つまり、国をまとめるために他所の国を攻め、しかも成果を上げる、これが彼の求心力を上げる極めて有効な手段でした。
その後も彼は信濃国を攻め続けます。
以前話した通り信玄の領地甲斐の国は貧しい土地です。
でもこれは戦国時代においてはある意味都合が良かったのです。
なぜなら、侵略しようとする勢力はゲームのように領土を広げるのが目的ではありません。
そこにある財産や土地、あるいは人そのものが欲しいという欲望と経済的打算に基づいて行動します。
甲斐の国は基本的には信濃と今川氏の治める駿河に隣接していますが、どちらも甲斐が欲しいという理由がありません。
逆に貧しい甲斐の人々から見れば信濃は魅力的であり、敵としても弱く与しやすかったので戦い、奪うという点で俄然やる気が出るというわけです。
戦国時代というのはこういう時代でした。
特に室町幕府は北条得宗家が全国支配した鎌倉幕府や後の徳川幕府と違い基盤が弱かったのです。
しかも、戦国時代に入り幕府の権威はさらに落ちました。
これは国同士が争いをした場合、仲介者や法によって処罰する存在がいないことを意味します。
簡単に言えば、警察も裁判官もいない状態です。
こうなると自分を守るのは力だけですし、相手も力を行使するしかありません。
しかも武田信玄は戦上手で家臣にも大変気を使いました。
こうして彼は勢力を拡大し、隣国を侵略することを生涯の業として引き受けることになりました。
しかし、彼が行ったのは侵略だけではありません。
その点について次の章でお話したいと思います。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説



ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
七絃──キンのコト雑記
国香
エッセイ・ノンフィクション
琴をキンと読めないあなた!
コトとごっちゃにしているあなた!
小説『七絃灌頂血脉』シリーズを読んで、意味不明だったという方も、こちらへどうぞ。
本編『七絃灌頂血脉──琴の琴ものがたり』の虎の巻です。
小説中の難解な楽器や音楽等について、解説しています。
これを読めば、本編の???が少しは解消するかもしれません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる