370 / 639
テレビ放映戦国大名総選挙その26 豊臣秀吉
しおりを挟む
豊臣秀吉は人を殺すのが嫌いだった。
よく聞く言葉であり、一時期の歴史ドラマではその表現が主流でした。
しかし、現在では多くの歴史的資料が発見され、また秀吉に対するアイドル的な人気も陰りが見えてきたためその表現は少なくなりました。
確かに、豊臣秀次とそれに連なるもの達の大量虐殺や大陸での戦闘を見るとむしろ残虐に人を殺すイメージの方が強くなってきました。
ただし、私個人は秀吉はある時期までは本当に人殺しは嫌いだったのではと思います。
でも、その理由は優しさでも人道的な考えからでもなく、使えるものは有効に使おうという極めて合理的な思考からくるものではないかと思いました。
織田信長などを見ると分かりますが、権力を持っても周りの人間が信用できなくなると、どんどん切り捨てていき疑心暗鬼に陥ることがあります。
しかし、秀吉の場合はこの疑心暗鬼については晩年まであまり考えていなかったように思います。
彼は醍醐の花見など人を集めて派手な行事をするのが好きでしたが、これなどは疑心暗鬼な人間なら緊張してできません。
また、死の前でも、徳川家康をはじめ多くの家臣に後のことを頼むと繰り返し頼んでいます。
これは自分が死んだ後の秀頼の安否を心配すると同時に自分自身については家臣たちは最後まで信用できると判断していたと考えられます。
織田信長が明智光秀に討たれたのを知り、その後織田家をないがしろにした人物が、晩年に至るまでこのような緩い認識でいることができたというのは、彼自身は自分の人間性をほとんどの人たちが信用していたと確信していた証拠だと思います。
もしかしたら、彼は家臣達を見事にだまし切って裏切らない従順なロボのように見ていたのではないか、そんな気がします。
さて、舞台は朝鮮半島に移ります。
戦いは長期化、日本側も兵站を保つのが難しくなったため、明国に入る前に息切れし徐々に押されていきました。
戦では練度、装備共に日本軍が優位だったため、負けることは少なかったですが朝鮮の各地を占領する力はもうありませんでした。
さて、島津家は反主流勢力でしたが同じ島津の将が秀吉の勘気に触れ改易され、その領地が没収されました。
そして、朝鮮の寒さによるものか、それとも不慣れな地ゆえの悲劇でしょうか、主将島津義弘の次男であり、島津の跡取りとなる予定だった島津久保、(ひさやす)が病気で死亡します。
島津家にとって朝鮮出兵は悪夢以外の何物でもありませんでした。
次の章は豊臣秀吉のまとめと同じく島津家のまとめを紹介したいと思います。
よく聞く言葉であり、一時期の歴史ドラマではその表現が主流でした。
しかし、現在では多くの歴史的資料が発見され、また秀吉に対するアイドル的な人気も陰りが見えてきたためその表現は少なくなりました。
確かに、豊臣秀次とそれに連なるもの達の大量虐殺や大陸での戦闘を見るとむしろ残虐に人を殺すイメージの方が強くなってきました。
ただし、私個人は秀吉はある時期までは本当に人殺しは嫌いだったのではと思います。
でも、その理由は優しさでも人道的な考えからでもなく、使えるものは有効に使おうという極めて合理的な思考からくるものではないかと思いました。
織田信長などを見ると分かりますが、権力を持っても周りの人間が信用できなくなると、どんどん切り捨てていき疑心暗鬼に陥ることがあります。
しかし、秀吉の場合はこの疑心暗鬼については晩年まであまり考えていなかったように思います。
彼は醍醐の花見など人を集めて派手な行事をするのが好きでしたが、これなどは疑心暗鬼な人間なら緊張してできません。
また、死の前でも、徳川家康をはじめ多くの家臣に後のことを頼むと繰り返し頼んでいます。
これは自分が死んだ後の秀頼の安否を心配すると同時に自分自身については家臣たちは最後まで信用できると判断していたと考えられます。
織田信長が明智光秀に討たれたのを知り、その後織田家をないがしろにした人物が、晩年に至るまでこのような緩い認識でいることができたというのは、彼自身は自分の人間性をほとんどの人たちが信用していたと確信していた証拠だと思います。
もしかしたら、彼は家臣達を見事にだまし切って裏切らない従順なロボのように見ていたのではないか、そんな気がします。
さて、舞台は朝鮮半島に移ります。
戦いは長期化、日本側も兵站を保つのが難しくなったため、明国に入る前に息切れし徐々に押されていきました。
戦では練度、装備共に日本軍が優位だったため、負けることは少なかったですが朝鮮の各地を占領する力はもうありませんでした。
さて、島津家は反主流勢力でしたが同じ島津の将が秀吉の勘気に触れ改易され、その領地が没収されました。
そして、朝鮮の寒さによるものか、それとも不慣れな地ゆえの悲劇でしょうか、主将島津義弘の次男であり、島津の跡取りとなる予定だった島津久保、(ひさやす)が病気で死亡します。
島津家にとって朝鮮出兵は悪夢以外の何物でもありませんでした。
次の章は豊臣秀吉のまとめと同じく島津家のまとめを紹介したいと思います。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説



どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる