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煬帝と李世民といろはの「た」
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種となる 心の水に 任せずば 道より外に 名も流れまじ
現代語訳
自分のやりたいことだからといって、自分の心のおもむくままに行動するということさえなければ、人としての行うべき道から外れることはないでしょう。
よくよく気をつけましょう。
もし、明日どこかの国の王様になったとしたら、皆様は何をしたいでしょうか。
私も含め一般人は法律や慣習によって多かれ少なかれ行動を制約されています。
しかし、ある日を境に王様、それも法律に規制されない絶対王政の王様になったらどうしますか。
今回紹介する煬帝と李世民(太宗皇帝)はそのような自分の行動がほぼ制約されない皇帝として歴史に名を残しています。
まず、煬帝についてですが、今から1400年前の中国「隋」という時代の皇帝で暴君として有名です。
彼は皇帝になる前はかなり自重していたらしく、人々の評判も悪くはなかったようです。
しかし、絶対権力をもった皇帝になると今までの自重のうっぷんを晴らすかのようにやりたい放題、自分の欲望のままに行動します。
まずは、自分の家というべき宮殿大幅増築、もちろん民衆をこき使います。
それと大運河の建設、これも外国遠征のためと自分の権勢を自慢するためです。
そして、生活そのものも皇帝になる前は質素だったと伝えられていますが、即位後は贅沢しまくりです。
さらに、気に入らない人間は残酷な仕方で処刑を連発、自分の心のおもむくままにやりたい放題です。
そして、四方八方、外国にケンカを売りまくり、領民の負担は想像を絶するものだったでしょう。
このような悪政を続けて国が持つわけがありません。
やがて、各地で反乱が起きましたが、煬帝はその間、酒におぼれていたと記録されています。
結局彼は近衛兵を率いていた者たちによって殺されるという悲劇で幕を閉じます。
さて、ちょうど煬帝が皇帝として悪政を敷いていた同時期に李世民という人物が台頭します。
彼は隋の混乱期と一族の跡目争いという戦乱を切り抜け皇帝となりました。
「唐の太宗」です。
彼は煬帝の失敗から学んだのでしょうか。
まず、自分の心を制御し、皇帝として道から外れないようにするためにある決意と努力をします。
まず彼はバランス感覚を失わないように、魏徴という諫臣を側においてアドバイスを求めます。
それだけではなく、家臣達が恐れて諌言をしない、そのような空気にしないために常に温和な顔をするように心がけていたといいます。
そうです、彼はフレンドリーな皇帝になることによって自分の心を制御し道から外れないように多くの人々の意見を聞ける環境を整えたのです。
歴史の評価という点でほぼ同じ時代、同じ中国にいながら、煬帝は希代の「暴君」として、李世民は「中国史上の名君」として伝えられることになりました。
島津日新斎いろは歌の「た」まず孤独になって自分の心のおもむくままにしないように注意し、道を外れないように気をつける、
私は最近のニュースで京都アニメーションを放火した人物が自分の思い込みから犯行に及んだとの報道を聞いて、この章のことを思いだしました。
道を外れることがないよう、よくよく注意したいと思いました。
現代語訳
自分のやりたいことだからといって、自分の心のおもむくままに行動するということさえなければ、人としての行うべき道から外れることはないでしょう。
よくよく気をつけましょう。
もし、明日どこかの国の王様になったとしたら、皆様は何をしたいでしょうか。
私も含め一般人は法律や慣習によって多かれ少なかれ行動を制約されています。
しかし、ある日を境に王様、それも法律に規制されない絶対王政の王様になったらどうしますか。
今回紹介する煬帝と李世民(太宗皇帝)はそのような自分の行動がほぼ制約されない皇帝として歴史に名を残しています。
まず、煬帝についてですが、今から1400年前の中国「隋」という時代の皇帝で暴君として有名です。
彼は皇帝になる前はかなり自重していたらしく、人々の評判も悪くはなかったようです。
しかし、絶対権力をもった皇帝になると今までの自重のうっぷんを晴らすかのようにやりたい放題、自分の欲望のままに行動します。
まずは、自分の家というべき宮殿大幅増築、もちろん民衆をこき使います。
それと大運河の建設、これも外国遠征のためと自分の権勢を自慢するためです。
そして、生活そのものも皇帝になる前は質素だったと伝えられていますが、即位後は贅沢しまくりです。
さらに、気に入らない人間は残酷な仕方で処刑を連発、自分の心のおもむくままにやりたい放題です。
そして、四方八方、外国にケンカを売りまくり、領民の負担は想像を絶するものだったでしょう。
このような悪政を続けて国が持つわけがありません。
やがて、各地で反乱が起きましたが、煬帝はその間、酒におぼれていたと記録されています。
結局彼は近衛兵を率いていた者たちによって殺されるという悲劇で幕を閉じます。
さて、ちょうど煬帝が皇帝として悪政を敷いていた同時期に李世民という人物が台頭します。
彼は隋の混乱期と一族の跡目争いという戦乱を切り抜け皇帝となりました。
「唐の太宗」です。
彼は煬帝の失敗から学んだのでしょうか。
まず、自分の心を制御し、皇帝として道から外れないようにするためにある決意と努力をします。
まず彼はバランス感覚を失わないように、魏徴という諫臣を側においてアドバイスを求めます。
それだけではなく、家臣達が恐れて諌言をしない、そのような空気にしないために常に温和な顔をするように心がけていたといいます。
そうです、彼はフレンドリーな皇帝になることによって自分の心を制御し道から外れないように多くの人々の意見を聞ける環境を整えたのです。
歴史の評価という点でほぼ同じ時代、同じ中国にいながら、煬帝は希代の「暴君」として、李世民は「中国史上の名君」として伝えられることになりました。
島津日新斎いろは歌の「た」まず孤独になって自分の心のおもむくままにしないように注意し、道を外れないように気をつける、
私は最近のニュースで京都アニメーションを放火した人物が自分の思い込みから犯行に及んだとの報道を聞いて、この章のことを思いだしました。
道を外れることがないよう、よくよく注意したいと思いました。
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